木村伊兵衛写真賞40周年記念展にいってきました

現在川崎の川崎市民ミュージアムで開催されている「木村伊兵衛写真賞40周年記念展」に行ってまいりました。写真界の芥川賞というだけあり、見応え十分の作品ばかりです。今まで実際の作品を見たことなかったので、よい機会となりました。

つい自分も写真を撮りに行くと、きれいに撮ろうとか、うまく撮ろうとか考えてしまうことがありますが、こうした作品をみていると、みさなんそんな次元で撮影なんかやってないんだろうなあということが感じられます。

うまいとかきれいとかっていう価値観はひとそれぞれ違うんだし、そもそも自分のきれいとかいう基準、こだわりが理解されるとも限らない、そうすると自分が撮りたいものを撮りたいように撮っていくしかない。そしてそれが結果的に認められた方々がこの受賞者の方々なんですよね。上っ面の表現なんてすぐに見透かされてしまいます。そういう意味で、それを乗り越えて受賞した彼らの作品を見るにあたってはだめなんでしょうね。

あらためて写真っていいですね。写真は映像と違って動かない、話さないからこそ、訴えかけてくる。不思議なくらいの躍動感、声が聞こえるようなメッセージ性が伝わってくる。見過ごしてしまいそうなその一瞬を永遠のものに変化させる。

切り取られたその一瞬は確かに存在していて、時には本人が知らないところ、また時代を超えて、人々に訴えかける。それは被写体によるもの以上に、写真家の執着の産物であり、写真家本人が見ている、突き詰めたい世界に他ならない。彼らは写真家という前に、冒険家や研究者であり、伝える手段に写真を使い、そんな写真家を媒介にして僕たちはいろんな世界に触れることができる。

写真はロマンですね。

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5年ほど前に撮った写真。写真はごまかさず、嘘をつかず。古いとか新しいとか、そんな次元で考える必要はなくて、そのときのありのままを切り取れるのが、やっぱりいいですね。

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