フィステーラ岬とムシアの絶景、最後の巡礼地の美しさに時間を忘れました

サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着し、仲間と共に楽しんだパーティをして、昨日僕のスペイン巡礼の旅はひとまずの終わりを迎えた。今日は少し楽な気分でムシア、そしてフィステーラ岬に行く予定。

巡礼の旅は終わっても荷物は付いて回る。まあ手間もあの荷物を背負って歩くのも、もはや今は僕の日常。ただ朝はあいにくの雨。ガリシア地方は本当によく雨が降る。

最後の巡礼地フィステーラ岬とムシア

さて、サンティアゴ・デ・コンポステーラからさらに西へ向かうと、もうすぐに海にぶつかります。海に突き出した岬がヤコブの遺骸が流れ着いたと言われているフィステーラ岬です。

ここがスペイン巡礼路の最終地点となっています。フィステーラとは地の果てという意味だそうで、世界の端っこだと思っていたのだとか。一方、ムシアはというと、当時キリスト教の布教が思うようにいっていなかった聖ヤコブを励ますために、聖母マリアが舟に乗って現れたという街で、その現れた場所に教会を建てたと言われるみたいです。


ムシアの十字架

さて、フィステーラ岬はサンティアゴから約90Km、徒歩で3日間程度の距離なんですが、サンティアゴ市内からバスが出ています。バスやタクシーを使えば、1日でフィステーラ岬、そしてフィステーラから北に30Kmの地点にあるムシアという街も行けそう!ということで、ここはバスを使うことにした。ムシアはフィステーラ岬よりも認知度低い印象だけど、巡礼最後の地として立ち寄る人も多い美しい街だそう。


ムシア猫❤

 

夕日をフィステーラ岬で拝みたかったので、ムシア→フィステーラ岬の順番で向かうことにする。「んー巡礼終わって歩かなくていいのはとても楽だけど、そうすると食べる量も考えないといけない!」このままの勢いで食べ続けてたらまず間違いなく太ってしまうから注意が必要だわ。

 

美しい海と可愛い街並み 奇跡の絶景ムシア

サンティアゴ・デ・コンポステーラのバス乗り場から1時間と少しで到着!ムシアです!!出発前に降っていた雨はバスに乗っている間にみるみるやんで、すっかり青空が広がっています!


「ヤコブ様ありがとうございます〜」


釣り人達、こんなところで釣りしたらさぞ気持ちいいだろうなあ

 

ムシアは本当に感動した。巡礼路を歩いている時も、人々の信仰、建造物の凄さを目の当たりにして、感動したけれど、このムシアで感じた気持ちはまた少し違うんです。

巡礼者の最後の行き着く場所は大自然、海。今まではずっと山の中を歩いていて、全く目にしていなかった広大な海。空の青さとはまた違うスペインのこれまで見たことのなかった色の海には心の底から感動が湧き上がってきます。


ムシアのサンタ・マリーア・ダ・バルカ教会


巨大な石のオブジェ


オブジェの前にある丘の上に登っていく


見晴らしの丘。てっぺんからはムシアの街を一望できる。可愛い町並みと蒼い空、碧い海


ムシアは本当に美しい街です

 

あたりはとても静かで、自然の音のみが耳に入ってきます。遠くでウミネコが二羽、岩の上で羽を休め、交互に「キューっ」「キューっ」と、鳴いている。目の前を二羽のチョウチョがひらひらと戯れ合いながら目の前を横切る。

ゴロンと寝転がり、青空を眺めながら、寄せては返す波の音に癒やされます。

時折遠くでねこがけんかしている声がする。


ウミネコがキューキュー交互に歌う


大迫力の波が押し寄せる


先客も。何を思ってるんだろうね。


美しい海をバックにスペイン巡礼の友(靴)を撮る

 

小一時間程度、ぼーっとしたあと、お昼ごはんを食べるために街へ戻る。ここでの食事がこの旅一番のクオリティだった。この味のために、もう一度行ってみたいと思えるほどでした。


ムシアの美味しい料理①これが最高にうまかった!


ムシアの美味しい料理②これは見た目が可愛かった!


ムシアの美味しい料理③これはまあ見た目通りの味だった!


ムシアの美味しい料理④ワインが無限に進むやつでした!


ムシアの味を知り尽くした猫

 

ムシアは絶対に来たほうがいいです!本当にオススメ!!絶景と美食の街。のんびり穏やかな気持にしてくれる素敵な街です。

 

最後の巡礼地 フィステーラ岬

バスでセーという町まで行き、そこからタクシーに乗ってフィステーラ岬を目指す。(ただ、肝心のタクシーが全く走っていないので、近くのホテルの受付のおっさんにタクシーを呼んでもらった。)

スペインでは1km1ユーロくらいの料金でタクシーも乗りやすい。ぶっ飛ばして、ずんずん前の車を抜かしていく絶好調な運ちゃんはフィステーラのアルベルゲの近くまで送ってくれた。

今日は波の音が聞こえるアルベルゲ。今までに泊まったことがないようなアットホームなタイプ。音楽もかかっていて、なんとなくジブリの雰囲気が漂う。ホスピタレイロもなんとも気さくでいい人。


笑顔が素敵な気さくなホスピタレイロ


真っ赤でポップなお部屋

 

昨日は飲んだくれて入ってなかったのでまずはお風呂、そして洗濯を済ませる。恒例の散歩&バル巡り。1軒目はガチャガチャな、店内。どうも料理は期待できそうになかったので、ビールだけ飲んで2軒目へ。

同じ料理もフィステーラはムシアよりは少し高い値段設定みたい。ムシアで腹一杯食べておいてよかった。このあとは最果ての岬に行く予定になっていたので、サクッとハンバーガーを食べることにする。こちらのハンバーガーは肉がジューシーでとても美味しい。


大きなハンバーガー!バンズもおしゃれなパン、中身はもちろん牛肉ハンバーグ!


珍しく黒ビールとともにいただきます

 

岬で飲もうとスーパーでワインを買って、外に出てみると、ぽつりぽつり。雨!!この地方特有の通り雨だと思いたい、、、とりあえず買ったワインを手に岬に向かう。

街から岬までは約3キロという距離、しかもザックも背負っていない。にも関わらず、しんどい!なんとなく一回終わってしまった巡礼、気が緩んでしまったんだろうなあ。目的や覚悟というものはすごいなあと実感する。


ようやく岬の建物がみえてきた


うおーーー!距離0.00km!


日本語だーーー!しかしどういう意味・・・極度乾燥(しなさい)的なあれか

 

なんとか岬に到着する頃には雨も止んで曇り空に。少しだけ雲の合間から日の光が差しているのが見えただけで、あとはどんより曇り空だったけど、最果ての地にふさわしい雰囲気を出してくれているような気もする。(夕日は見たかった)


とんでもない雰囲気や。思ってた感動と違う。戦慄。


キリストというより闇の使者があらわれそうな。。。(このような)

 

巡礼最後の地、フィステーラ岬。どこまでも続く水平線、風がゴーゴー吹いている。さすがにこの岬から大西洋を眺めるととても感慨深いものがある。

当時の人は、命がけで数百、数千km歩いてこのフィステーラまで歩いてきたのだ。昔の人はどのような思いを抱いてこの海を見ていたのだろう。当時の人達の想いや念が残っていそうな、いろんな気持ちが渦巻くような空気感を感じられる場所がフィステーラなのかもしれない。

フィステーラ、ムシア。巡礼最後の地として、期待を上回る素晴らしい場所だった。本当に、もう一度来てみたいと思える場所と出会いがある、それがスペイン巡礼の旅。

※この記事はその日書いたものをベースに、後日加筆修正を加えたものです。

これでこのスペイン巡礼一人旅ブログも終わりを迎えます。きっかけを作ってくれたこの本と出会えてよかったです。著者の小野さんにも一度お会いさせていただきましたが、非常に優しい方でした。この記事を読んでスペイン巡礼に興味湧いた方は是非読んでもらいたいと思います。

 

 

【スペイン巡礼780km|自分探し旅行記まとめ】

2016年4月11日〜5月10に敢行したスペイン巡礼780kmにわたる自分探し・世界遺産・三大聖地を巡る旅として30日間ひとりぼっちで旅に出てきました。ここではその旅のまとめ、僕自身の備忘録として、スペイン巡礼に関するあれこれ(準備、持ち物、費用、ルート、日数、言語等々)をまとめています。

  1. 素晴らしい写真・ブログ全部拝見させていただきました。
    私も今年70歳になる前に4月末からのサンジャンから初めての巡礼を目指し、準備中です。
    期待と不安で一杯です。宜しくお願い致します。

    • 山崎和男さん

      コメントありがとございます。そしてすべてのエントリを読んでいただいたなんて、お時間かかったことと思います。ありがとうございます、歩いている時に書いていたものにリライトを加えたものですので、本当にその通りの気持ちです。きっと素晴らしい旅になることと思います。不安はたくさんあると思いますが、それを悠に上回る最高の体験が待ってます!!もし、わからないことなどありましたら、お答えできることはしますので、ご遠慮無くどうぞ!めいっぱい楽しんで下さい!

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