誰かの帽子が飛ばされて、
別の誰かが帽子を拾ってあげたようです。
朱色のポールに帽子がかかっています、
帽子一つでほんのり微笑ましい風景になるのは不思議。
そんな朝に出くわしました。
そして夜。
そこに帽子はなくなっていて、
ポールにかすかな温かみを残していつも通りの景色に戻っていました。
落とし主は感謝の心を残して、
誰かが拾ってくれた帽子を持って帰ったことでしょう。
誰かの親切は帽子を介し、未だ見ぬ相手に届きました、
見えないバトンは帽子の姿を借りて、その方の手に渡りました。
見えない親切の連鎖が今日も途切れずに進んでいます。
この連鎖、今はどこでどんなカタチで続いているのでしょうか。