【スペイン巡礼3日目】名物ピンチョス!牛追い祭りのパンプローナを堪能する

■本日の工程
2016年4月14日 巡礼3日目
ララソーニャ(8:15)→シスル・メノール(16:00):21.3km

昨日のアルベルゲでは、スペインに来て数日の高ぶったテンションと、美味しいパスタがあったのでワイン1本は一人で軽く飲んでしまい、きっちり酔いまくった。(疲れもあったからかな)ただ話に聞いていた通りの悲劇に気づいた。ダニである。借りた毛布についていたのかな。服に覆われたなかった足首が!かゆい!まあ、痛みに比べたら、消費税みたいなもんではありますけどね。

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朝ごはんは昨日買っておいたパンをみんなで食べて出発

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昨日より少しだけ(かなり?)進んで残り760kmの標記

巡礼の道は出会いと別れ。まるで人生の縮図のよう

途中でピン(Pim)というオランダの青年が仲間入り。実は彼とは昨日も彼と立ち寄ったカフェで会っていた。その時はドイツ人と一緒に先に行ってしまったのだけど、どうやらいつの間にか自分たちが追い越していたみたい。

1日目、僕はフューチャージャックと歩いて、今また別のやつらと歩いているようにピンも昨日とは別のコミュニティで歩く。このスペイン巡礼の旅は、遠慮はいらなくて好きな奴らと歩けばいいのだ、もちろん一人でも。

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右からピン、デイジー、デイビッド(休憩中)

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昨日カフェであった時のピン

これでチームは5人になった。デイビッド、ジャック、デイジー、ピン、僕。今日もひたすら山道を歩いて行く。いろんなモニュメントがあるので、少しふざけてポーズをとったりして思い出をおさめていく。巡礼と言ってもなにも堅苦しいものではなくて、楽しみながら歩いてOK、自由な旅。

さあ、次の街はこのスペイン巡礼の旅でもいくつかある大きな街の1つパンプローナ!

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自分からポーズを積極的にとるジャック

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お前ももいけ!とポーズをとらされるデイジー

でも道すがら話してたのだけど、パンプローナに着いたらデイジーとお別れしなくちゃならない。「せっかく仲良くなったのにさみしいなあ」と言うのもデイジーはこの街に家族が来ていて一緒に御飯を食べるので、今日はこのパンプローナに泊まるのだと。

実は僕も次のパンプローナで今日は終わるはず予定だったけど、もう少しみんなと一緒にいたい気持ちが勝って、ジャックとデイビッドと行動を伴にし、次の街へ向かうことに決めていた。

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何もない野原もあれば綺麗な花も

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トンネルの落書きもアートな物が多い

ピンもここで留まるらしい。パンプローナでお昼ごはんを食べたら、またそれぞれのペースで歩くことになる。出会いがあれば別れもあるのがこのスペイン巡礼。少しさみしいけど、それは仕方のないこと。このスペイン巡礼の道は出会いと別れ。「まるで人生の縮図のようだ」そんな風にも思う。

パンプローナは城壁に囲まれた歴史ある街。なので、街に入るまでも時間がかかる。街は見えてきているのに、なかなか着かないというもどかしさ、疲れた足にはきつい!「まだか〜」

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こんな歴史を感じさせる石橋がここでは普通

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城壁に囲まれているので、門まではぐるっと登らされる

牛追い祭りのパンプローナでピンチョス三昧!

パンプローナは「サン・フェルミン祭 」といういわゆる牛追い祭りでも有名な街。7月に開催されるので、この祭りに照準を合わせて巡礼をする人もいるのだとか。今度また来たらそのときは是非参加してみたい!!

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町並みはとてもおしゃれ!

そして、ここのもう一つの名物がピンチョス!「パンプローナにきたらこれを食べなきゃ始まらない!(らしい)」タパスという言葉はよく聞くけど、これをバスク語でピンチョスというのだそうな。

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ピンチョス(パンの上にいろんな具材があしらわれたもの)が有名、日本人好みの味で全部おいしい!

でもスペイン人からしたらタパスとピンチョスは違うらしい。タパスは一皿料理、ピンチョスはこうパンの上に色んな食材がのっかったもの、カナッペのボリューム版という感じだろうか。このピンチョス、伝統的なものから革新的なものまで種類は様々、目でも舌でも楽しめる!パンプローナの名物は伊達じゃない!バル街もあり、夜は大盛り上がりの街だそう。

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スペインで食事をとるときは、ほとんどがバル

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ぼくはスペインビールにピンチョス2皿。これでだいたい500円くらい!昼から贅沢!

バックパックは正しく背負いましょう

デイジーと最後のランチをして、彼女と別れる。最後に、また会えたらいいね」と。みんなそれぞれのペースがある。ピンとも別れ、デイビッド、ジャック、僕の3人で次の街へ向かうことにする。

パンプローナを出る前に巡礼者用のショップに寄った。(巡礼路沿いの街にはこうした巡礼用のお店がある)ジャックが寝袋が重いので、軽いものを買うんだとか。(ここでは当初持ってきたものを捨てたり、買い換えたりすることは珍しくなく、歩く中で自分にあわせて調節していく)

彼が新たな寝袋をゲットして、出ようとした時に、僕は店のオーナーに呼び止められた。「おまえはザックの背負い方がアホだ」と。ザックは腰で背負うこと、そしてきっちり背中に密着させ重心は高めで背負うこと。

という、正しい背負い方をこの時初めて教えてもらった。僕はトレッキングとかの経験は無くて、正しい背負い方なんてものは全く知らず、、、3日めにして肩と腰を痛めていたのだけど、正しい背負い方を知ったとたん、重さの感じ方が随分と変わった。

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デイビッドは靴下を購入。アドバイスをもらったオーナーと。

アルベルゲに泊まれない!?満室アクシデント!

彼のアドバイスのとおり背負い直すと、なんと、死にかけていた腰骨と背中が全く痛くなくなった。「あれ、こんなに軽く感じるんだ、、、うおーいけそう!しかしこの店に寄らなかったらもしかしたら全然知らないままに進んでいたかも。。。恐ろしい。」「これを知らずに残り30日強過ごしていたら地獄を見るところだった。」

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途中アイスを買ったりして歩いて行く。疲れたら甘いモノが異様に欲しくなる

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こっちで感じることは本当に空が広いということ

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これからの道を暗示するようなどこまでも続く道とデイビッド

約5kmほど先の町を目指す。荷物は軽く感じるようになったとはいえ、やっぱり足は限界だったみたいで最後の方はもうほんと気合いだけで歩いていた。何でこんなに痛いのに歩いてるんだろうと、もう何度思ったことか、まだ3日である。

景色は相変わらず美しいのだけど、だんだんそれを楽しめる余裕がなくなってくる。目にうつる全てに感動していた昨日の僕はいずこへ。

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曇空と一面に輝く菜の花畑

なんとかかんとか街にたどり着いて、アルベルゲを探してみるが、湖の街は小さく一つだけしかないみたい。その1つはなんと一杯で、頼み込んでも無理の一点張り。このアルベルゲのホスピタレイラ(宿で世話してくれる人)によると次のアルベルゲは16キロ先まで行くか前の街に戻るかだ、ということらしい。

ここまで山道21キロ歩いてきて、あと16kmも歩けてか。それは酷だろうと。正直、「鬼!」と思った。鬼と思ってもスペイン語は話せないし、(話せても鬼とは言えない)結局どーにもならず。こちらは寝袋持ってるから廊下でもいいという気持ちだけど、ここは標高も高く確かに寒い、朝晩は冷え込むのだろう。まあ向こうが完全に正しい。

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笑顔で死の宣告を下したホスピタレイラ(奥)

当然歩いて戻るとかは無理。ということで、泣く泣くタクシーでさっきまでいたパンプローナに戻ることにし、明日の朝はまたこの街にタクシーで来ようというやり方を採用した。(ここまで一応歩いているので明日はここまでもう1回タクシーで戻ってきても全工程歩いたということと変わらないという解釈。)

しかし、小さな町に行くときはアルベルゲの数をチェックしておくことの重要性を学んだ。今後は目標地点を決めるのも、歩ける距離だけでなく、泊まれるところもあるかどうかを確認すること。これ大事!

疲れた足に鞭打って2時間歩いた距離をタクシーで戻る。デイビッドがタクシー会社にいくら位でどれくらいの時間かかるのか聞いている。「10分で15ユーロだ」と。「10分!?」みんな吹き出した。

「こんだけ死にかけて歩いた距離を10分?」「しかもそんな安い金額で?」正直100ユーロ位を想定していたジャックは声を出して笑ってた。(と言うかもはや壊れてた、気持ちわかるぞ、ジャック!)技術の進歩ってほんと素晴らしいことだ。

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タクシーに乗ってちょっと壊れ気味でテンションがおかしい二人

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一瞬でパンプローナの文字が、、、もはや笑うしかない。「帰ってきたぞ〜パンプローナ。。。」

関係性は過ごした時間じゃない、初対面も顔見知りも全てが自然に爽やかに

さて、大爆笑の車中のことはさておいて、パンプローナに戻ってきたら、さっきわかれたはずのピンとロンセスバジェスで一昨日わかれたナリがベンチに座って、こちらを不思議そうに見ている。(ピンとナリはこのアルベルゲで知らないうちに友達になってたみたい)「ナリーーー!久しぶり〜」と壊れたテンションで声をかける!

タクシーから降りてきたむさ苦しい男連中が足を引きずりながら歩いてくるのだから、そりゃ怪訝な顔にもなる。しかもピンからしたら別れて、「また会おう!」とかゆってたランチタイムから3時間での再会。そりゃ不思議な顔するわと。(彼らはとっくにシャワーを浴びて日々のルーチンを終わらせている)

今日はそのメンバーで晩ごはんを食べに行くことに!まずは足の治療のために薬局へ。巡礼者が多く集まるので、巡礼時に役立つ商品なんかもたくさんおいてある。相談すると症状に合わせたものを出してきてくれる、スペイン語がわからなくても、患部を見せたりジェスチャーだったり片言の英語でどうにかなる。とても親切だ。

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何の商品が良いか相談する二人と答えるおばちゃん

夜ご飯のお店を探し、迷いに迷った末に入ったお店は「メニュー」という巡礼者用の郷土料理のコースが食べられるお店だった。メニューは1st,2nd,デザート,飲み物を10ユーロで出してくれる。みんなでお皿を回して食べられるので、人数が多いとお得。

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メインのお皿にテンションが上がるジャックとピン

デイビッド、ジャック、ナリ、ピン、僕で食卓を囲む。どうせならデイジーにも連絡してみようと交換したばかりのFBでダメ元で電話。なんとつながった!今は一人でホテルでゆっくりしているらしく来てくれるらしい。

感動の別れから6時間くらいで、あっけなく全員再会。「あんたらがアホな歩き方している間に私は2時間寝たわ」とか、「歩くというバカな選択をしなかったわ」と。これまた歩かずおとなしくしていたピンとナリとデイジーがハイタッチしつつ、無邪気な顔でこちらに毒づいてくる。

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デイジーが来てさらにやかましくなった。巡礼ってこんなに毎晩パーティなのか。。。

道中何度か見たイタリア人4人組のおっさんらがテーブルに近づいてくる。「チャオ、何が美味いんだ?」「この料理はどのメニューなんだ?」と、リストに書いているスペイン語がわからないから聞いてくる。

ナリが隣で「いいおっちゃんなのに何かかわいいねえ」と言ってくる。たしかに、日本ではあんまり経験したことのないような温度感。正直現実世界というより、アニメの世界にいるみたい。僕が素直に可愛いなと思うのだから。

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とにかくみんな明るくて、知らないから話せないとかいう雰囲気はみじんもない。みんな一緒に歩く仲間

帰り際に満面の笑み(ビールで少し顔を赤らめてもいる)をしたデイジーとハグをして、彼女を見送った。なんかこう、もう会えないかもと思っていた人とまた会えたときのうれしさや、自分の知り合いが「友達できたよ」と知り合った人を紹介してくれた時に「あ、知ってる!」と既に知り合いだったみたいな感じはなんとも言えないものがる。

たかが3日、されど3日である。正直3日間というのがウソのようにいろいろあった。あり過ぎである。3ヶ月経ったと言っても、本当に言い過ぎではないと思う、3日と言われるよりもずっと信じられるもの。ナリも同じように思っているみたいで寝る前に「ふしぎだねっ」てそう話していた。

If you have passion,you can everything

今日の日中歩いている時に、デイビットが「おまえに情熱があれば何でもできる」みたいなことを言ってきた。本当にそうだなと思った。何でもできるし、何に遠慮してるんだという感じである。やりたきゃやればいいし、やりたくなきゃやらなくていい、ただそれだけである(ただ情熱があってもタクシーで引き返したが。。。)

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If you have passion,you can everything(確か、こんな感じで言ってた)

ジャックとデイビッドは優しくて仲間思い。「What do you want to do?」と英語が残念な僕にも付き合ってくれるし、ジャックは定期的に後ろを振り返って後続がついてきてるかを確認したり、自分の食べ物とかをいつもワケてくれる。なんといいやつであるかな。ジャックは今一番マメが潰れて死に近い男でもあるのに。一人で歩いている時と、みんなと話しながら歩いている時では足の痛みの感じ方が全く違うのは不思議、一人で歩くのはいいもんだけど、やっぱり仲間と歩くのもよい。

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しかしめちゃくちゃ痛そう、大なり小なりみんな経験する痛み

3日目が終了し、足の痛みはこの上ないけど、相変わらず景色は素晴らしく、料理はどれも美味しい、そして仲間は素晴らしい。今は、100名収容の巨大アルベルゲではいろんな人がいる。

「ゴジラがいびきをかいたらこんな感じだろうな」という誰かのいびきをBGMにこれを書いている。クソ重たくて何度も恨めしく思ってる自分のPCに向かって。消灯の時間だし、ゴジラがそろそろ本気出してきたので寝ようかな。

※この記事はその日書いたものをベースに、後日加筆修正を加えたものです。

 

【スペイン巡礼780km|自分探し旅行記まとめ】

2016年4月11日〜5月10に敢行したスペイン巡礼780kmにわたる自分探し・世界遺産・三大聖地を巡る旅として30日間ひとりぼっちで旅に出てきました。ここではその旅のまとめ、僕自身の備忘録として、スペイン巡礼に関するあれこれ(準備、持ち物、費用、ルート、日数、言語等々)をまとめています。

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