【写真日記82】贅沢

高校生の頃、真夏に毛布にくるまって寝ることを、
最高の贅沢だと豪語しているやつがいた。

部屋の中を南極のようにクーラーで冷やし、
毛布にくるまるというわけ。

なんと無駄なことだなあと思っていたが、
まあでもゆってみると贅沢ってそういうものかもしれない。

モノへの価値付けの仕方が異なるのだろう。

車だって数十万円〜うん億円まであるわけで、
近所のスーパーに乗っていくのに、億円車はそりゃあ贅沢だろうけど
スーパーに買い物に行く足のために買ってるわけではないのだものね。

かっこいい動く箱の中でふかっと座りたいのかもしれない。知らんけど。

冒頭の毛布野郎だってきっとそうだ。

単純に寒さを凌ぐために毛布を使うのではなく、
毛布にくるまる安心感がいいのかもしれない。知らんけど。

先日あっついのに、
「おでん」の提灯がこうこうと光っている店があった。

おでんは冬の食い物である。

寒い時にはふはふ言いながら口に放り込み、
熱燗をちびっといくのが正しい食べ方だ。知らんけど。

だが今は夏だ。寒くない。

きっと部屋の中は涼しいのであろう、
そこへアツアツのおでんを今なら冷たいビールで流し込むのだろうよ。

冬に食べるものを夏に食べる。

まるでハウス栽培のようだけども、きっと贅沢ですね。

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