■本日の工程
2016年5月1日 巡礼21日目
ヴィラデマサリフェ(7:30)→アストルガ(15:00) 約28km(道外れたため地図で換算)
今日も昨日に続いて、晴天。このスペインの巡礼路を歩いて、3週間たつけどほんとに天候に恵まれたなあと思う。ひたすら農業用の道路を歩く、昨日は入り口近くのアルベルゲに泊まっていたので、街を出る時にその大きさに驚いた。この街、こんな大きかったのね。
朝日のパワー、生命のエネルギー
朝が早いということで、どこも店は開いていなくて、ごはんを買えず、、、バルも閉まっているので、次の街まで少し我慢。日本にいるときから昼や夜は抜いても朝食だけはとっていたので、食べたい欲求が高まってくる。「うー次の町はどのくらいなのだろうか。。。」昨日から旧巡礼路に入ってしまったことで、買っていた地図は途中で切れてしまっている。。。距離感がつかめないけど、きっと遠そうだ。。。
晴れた日の朝は歩く足取りも軽い。農業用道路なので、すーっと視界が拓けていて清々しく、作物の苗が風になびいている。しかし、どうして朝日に照らされたものは、こうもすべて神々しく見えてしまうのだろう。朝の太陽の光には特別なパワーがあるように感じる。道端の草や木々の葉っぱ、刈り取られた穂の先。赤い光に照らされて、まるで血が通っているかのような小麦。
当初は5kmくらいかなあとか思っていたのだけど、朝ごはんにありつけたのは結局、出発した街から10キロ程度歩いた街。結構時間かかったなあ。。。マジ腹減った。小休憩もかねてバルに入る。旧巡礼路を歩いていたことで、想定よりも時間がかかっているから少し早いけど、お昼ごはんもかねて、いつもより多めに食べる。(言い訳で腹減ってただけか)クロワッサンにチーズとハムをサンドしたものとお馴染のパンオショコラをカフェコンレチェでいただきます。
偶然の正体
バルを出ると、昨日のモルガンが外の席に座って休憩していた。少しやり取りして、笑顔で別れて歩きだす。すると、また誰かに呼び止められた!と思ったらヨーコさん。ヨーコさんも間違ったのかなと思って聞いてみると、彼女ははもともとこちらの道狙いで来てたらしい。「景色きれいだったね〜」と昨日の道のことを思い出しながら、5分ほど簡単に話して、「また帰ったら東京で会おうね」と別れた。
不気味だけど、挨拶してくれる気持ちは伝わる落書き
ヨーコさんはここから無理をせずに自分のペースで歩くつもりだと言っていた。足を痛めていることをレオンで会ったヒロくんから聞いていたので、「そうした方がいいね」と答えておいた。ぼくの今日の目的地アストルガには明日着く予定だということ。こうして少しずつペースが変わっていったり、また違う人と出会ったりすることになる。
もし僕が5分パンを食べ終わるのが早かったら、彼女とは会ってなかっただろうなあと思うと、タイミング良かったなあと思うんだけど、5分パン食べるの早かったら、多分ヨーコさんも5分早く出発していて、やっぱり出会ったんだろうなあとも思う。会うべき人には必ず会うのである。だからこうした偶然や縁があるなあと思う人は、それはやっぱりきっとそうで、縁があるし、必然であるし、運命みたいなもんなんだろうなあと思う。こういうことに来付けるのがスペイン巡礼の醍醐味かも、この旅は人生の縮図。
ただし、こういうどっちかわからん矢印は勘弁、左に決めて歩いてみる
そしてこの運命はまだ続く。ヨーコさんと別れて1時間後、これがまた偶然次の街の十字路でイシドゥロにバッタリ。ほんとに十字路でバッタリ再会。「!?」こんな偶然あるもんだ。イシドゥロは歩くペースは僕より少しだけ早い。10秒僕が遅れてこの十字路に来ていれば、きっと会えなかっただろう。そんな偶然だった。出会うべき人には出会うもんなんだ、人生は。とかまた思う。イシドゥロは「OH〜〜〜」とか言ってまた大げさなリアクションをしている。ほんま陽気なおっさんやわ。
彼は本当はもう少し早くこの川を越えているはずだったのに、橋の無い方に歩いてしまって、結局進んだ分また引き返してこなければならなくなったということだった。で、この橋に着く直前の十字路でバッタリということだった。みんなの「何か」が帳尻を合わせて、偶然というものができているんだなあと思う。
イシドゥロと働き方談義をしてみる
そこからは引き続きイシドゥロと一緒に歩く。今日の目的地は同じくアストルガ。(アストルガはスペイン巡礼で巡る街の中でも結構大きな都市。また飲んだくれてしまうのかしら。。。僕)彼には教会の成り立ちや用紙位の変化を教えてもらいつつ(もう忘れた)、僕は日本とスペインでは働き方が全然違う実態を伝えたりした。いわゆるブラック企業でありがちなサービス残業や過労死のことを伝えると「それはおかしい!」「そんなことあるはずない!」「そんなのクレイジーだ!」と喚いてる、まあそらそうか。
日本人でも違和感感じるのに、シエスタとかしてるこの国からしたら意味不明なのも無理はない。水曜はノー残業デーとかそんなもんどんだけの意味があるのかと。水曜以外は残業OK、むしろ推奨!みたいなことやもんね。日本でもシエスタ導入くらいの劇的な変化ないと厳しいんじゃないか。(まあ日照時間の関係もあるか。。。)
彼は相変わらず下手くそな英語も理解してくれようとするし、言い方を変えてわかるように何度も説明してくれる。彼はどうやらもともとスペインの日産で働いてた経験もあるらしくて、日本人のことを少し人よりもわかってるのだと。そんな経験から日本人である僕に優しくしてくれているのかもしれないけれど、それはでもやっぱり彼の優しいその人となりからなのだろうと思う。
カリモチョ、旨いワインの飲み方
でもやっぱりアストルガはやっぱり遠くて回り道をした分、今日は今までで一番歩いたように思う。しかし、というかはっきり言ってかなり疲れた!足が!しんどい!!多分それはイシドゥロにも伝わってたんだと思うけど、彼は「街に着いたらまずは、カリモチョ(コーラ+赤ワイン)を飲もう!」と言って、テンションあげ気味にしてくれたりもした。(ほんとに自分が飲みたかったのか?イシドゥロよ)
「イシドゥロよ、その提案は、ほんと大賛成。」と僕。まーじで喉が渇いてますからね今、セルベッサ(ビールのスペイン語)でもカリモチョでも誘われたら断りませんよ。喉乾いて無くてもね!よーーーーやく街だ。
そう、アストルガもデカイ街。この街にも大聖堂(カテドラル)があるし、何と言ってもガウディの建築物もあって、観光客も多い。そしてデカイ街は、いつもながらアルベルゲがとーいんだーーー!到着後、街の中央らしき広場に。彼は奥さんがホテルで待ってると言うので、一杯だけイシドゥロとカリモチョを飲んで、一旦別れることになるんだけど、「また8時にここで飯を食おう!」という。まあアテもなかったので「いいよ!」と。「イシドゥロだいぶ好きやなぼくのこと」
カリモチョ注文すると、こんな感じでグラスにワインが入ってコーラが別で出てきた
アストルガのカテドラル、ガウディのお城(のような司教館)
一旦彼と別れて、アルベルゲがあるという方向に向かう。そこにヒロくん登場。おお、ここで巡り合うか。今日は何か、もういろんな人とと会いすぎて、なんかもうすごいなこの道ってなった。ということで「ほんと持つべきものは運命だよ」ってなって、おすすめのアルベルゲを教えてもらう。そして、実は巡礼当初から本を読んで画策していた旨いジビエが食える街フォンセパドゥンに行こうというとオッケーとのこと。「また明日!」と別れて一旦アルベルゲに入り、シャワーと洗濯。これをやらないと落ち着かない。(と言うか、明日の僕に殺されるw)
すでにこの生活を始めて3週間目、面倒でも重要なルーチンはさっさと終わらせないと気がすまない。(もはやカリモチョ飲んでるときも洗濯したくて仕方なかったのはイシドゥロには秘密、いやほんと遅くなれば洗濯干すところもなくなるし、乾かないし。。。)。今日のアルベルゲはいい建物を改装して作ったみたい。なんかこう歴史を感じるアルベルゲだ。
イシドゥロと会う予定の8時まで時間があるので軽く腹ごしらえ?大ビールを腹に流し込み、カテドラルとガウディのお城をのような司教館を見学する。ガウディと言えば、バルセロナのサグラダ・ファミリアですけど、こんなところにもあったのね。ここにはガウディが設計に携わったお城のような司教館があるみたい。
で、カテドラルはすごく良かった。とにかく迫力があって、写真にも入り切らないくらい、神々しくこちらも天井が高く、また柱がめちゃくちゃ太くてでかくて、ものすごい存在感。昔の人はすごいな〜と感心するばかり。中は静かで、心が落ち着きます。
外から見て大迫力だったカテドラルは内側から見てもやはり負けない迫力がある。また、アストルガのカテドラルには美術館も併設されているので、時間があれば観光にはすごくいい街。
こういう宗教画って目が怖い。目とゆーか体に手突っ込んでるしね
ゆるキャラなんだろうか。こんなキリストあるんやね、でもこの地域に入ってからよく見かける
カテドラルで結構満腹してしまったけど、続きましてガウディの城(司教館)も見に行く。といってもガウディが携わったのは途中までなんだとか。しかし外観がとてもメルヘンで、ディズニーにでもいるんじゃないかと錯覚しちゃうくらいの可愛らしいフォルム。ただ、完全にメルヘンで教会側が怒って?ガウディとケンカして、ガウディは途中で「建設やーめぴ」って言って途中までしか携わってないのだとか。(めちゃ簡単に丸めました)
またおこしくださいませ〜みたいに言ってくれてるような気もしなくもない
キーマスターと再会、いつも陽気なオヤジ
見終わった後、8時まで時間があるので、明日の朝ごはんに良さそうな見た目、カヌレみたいなものを見つけたので、クッキー屋さんに突入。3つパイやクッキーを購入し、ジェラートとか食べるなど、よほど甘いもの欲してるんやなあと。。。そしてイシドゥロに会う8時まで時間があったので広場をうろつく。
「なんかこの辺にキーマスターいそうだなあ」と思って、ピンときたバルに入ってみると、「うわ、ほんまにおるし!」まじでキーマスターを発見。なんだこのキーマスターセンサーもうすごいな、すごいとしかいいようないなあと自分に感心して、隣の席に着く。せっかくやしということで一杯おごってくれるという。遠慮なんかいっさいなく「まじっすか!」お言葉に甘えて、珍しい生のレモンビールを注文。
「うーん、やっぱり普通のが合うわ。」その間にも人気者のキーマスターは何人かとやり取りして、コミュニケーションしてた。いつもその人達が去っていったあと「何言ってるか全然わかんねーんだよなあ」というのがお決まりで、でも楽しそうなキーマスターなのである。
握手が力強くなるキーマスター(でも何を言ってるかは分からない)
英語で自己紹介、みんなで食卓を囲むアルベルゲ
時間はジャスト8時!イシドゥロと合流するためにキーマスターと別れ、ダッシュで昼に飲んでいた店へ向かう。二人で飯くうかと思いきや一杯の半分飲んだくらいで自分とこのアルベルゲに連れてかれてパーティに参加させられるらしい。で、もうすぐ始まるからということで、急かされてワインを一気に飲み干すと、言われるままに連れて行かれる僕。
そのアルベルゲには、その日泊まっている人達と運営しているホスピタレイロ、ホスピタレイラあわせて20人位いた。見た顔も居るんだけど、急に連れてかれたもんだから借りてきた猫状態。しかもそこにいるみんなで食事をするのだけど、その前に自己紹介するシステム。
名前とどうしてカミーノを歩いているのか、これを一人ずつ順番に話していくのだ。当然日本語はだめだもんな〜、英語かスペイン語・・・こんなの学校でもやったことないのになあ笑。当然ながら僕にも順番が回ってくる。下手くそな英語で自己紹介ーーーきい!ほんともっと酔っ払っておけば良かったよ。
こりゃ本格的に英語やらないとと決意。英語かスペイン語、どちらができれば世界の大半は大丈夫。ここには少なくともどちらができる人ばかり。両方できないのは僕ひとり。帰ったらまずは英語から始めたいと思う。ということで、今日も貴重な経験を積ませていただきましたとさ。
※この記事はその日書いたものをベースに、後日加筆修正を加えたものです。
【スペイン巡礼780km|自分探し旅行記まとめ】
2016年4月11日〜5月10に敢行したスペイン巡礼780kmにわたる自分探し・世界遺産・三大聖地を巡る旅として30日間ひとりぼっちで旅に出てきました。ここではその旅のまとめ、僕自身の備忘録として、スペイン巡礼に関するあれこれ(準備、持ち物、費用、ルート、日数、言語等々)をまとめています。
こんにちは!夕方にメゾンドネコの階段付近でおしゃべりさせて頂いた者です(Nagaseさんの友達です)。
ネコ写真と共に旅写真や旅行記も大好きなので、いむりんさんのブログはドストライクです(^^) 楽しみに拝見させて頂きます♪
CAT.さん
こんばんは、さっそくありがとうございます!!!今日は少しでしたけど楽しかったですね!猫大好きですけど同じくらい旅も好きなので、このブログはそんな感じの建付けになってます!ちょっとでも読んでプラスになったらうれしいです!目標は読んだ人にスペインいってもらうことwぜひどうぞ!www