真っ黒な世界。
目開けているのか閉じているのかもわからない。
突如けたたましいバイクのエンジン音、
暴走族がバイクに跨りエンジンを吹かしているあのノイズだ。
ただバイクの気配がない。、暗闇に光がぽっと現れ、
一人の男が歩いてくる少し向こうを歩いているのが見える
口にはホルンのような金管楽器を咥えていて、
そこから何台ものバイク音が出ているようだ。
彼が目の前を通り過ぎようとしたときに、
こちらを見た。
その瞬間エンジン音は耳をつんざくほどの爆音となり
彼は口角を目元まで上げ、温度のない笑み浮かべる。
顔を引きつらせた笑みを保ちこちらに歩いてくる。