こんにちは、いむりんです。8月ももう終わりですね、ちょっと思い立ったので少し遅めの夏休みをとって、山梨へ初上陸してきました。
立川を朝9時ちょうどに出発する電車に乗り込み、車窓の風景が都会から徐々に山あいの景色へと変わっていく時間を楽しんでいるうちに、あっという間に甲府の手前にある酒折駅へ10時20分に到着しました。東京から山梨はほんと近いですね。

今回は、甲府の歴史・食・アートを濃密に楽しむ1日目のレポートです!
10:30 甲斐善光寺 — 朱色の巨刹と「暗闇」の恐怖体験
立川から甲府駅の手前、石和温泉でおりまして、各駅に乗り換え。そこから一駅の酒折駅まで移動して、そこから歩いて15分かからないくらい。10時半ごろに最初の目的地である甲斐善光寺に到着しました。

甲斐善光寺は1558年、武田信玄公が川中島の合戦の折、信州善光寺の焼失を恐れて本尊や教典を移したことに始まる名刹です。歩いてる途中から見えてくる山門からただものじゃない感ありです。

この甲斐善光寺は、東日本最大級の木造建築である本堂(金堂)と山門がありまして、寺院には珍しい鮮やかな朱色が印象的なんですよね。この日は天気も良くて、青空に映えるその佇まいをみて、「おーーかっこいい」ってなりました。本堂は写真NGなので外側だけ写真撮ってきましたよ。

善光寺に閻魔大王様が多い理由
本堂の中に入ると、まず目を引くのがズラリと並ぶ威厳ある閻魔大王像の多さ。なんで善光寺には閻魔大王がこんなに多いのか?というのが分からなかったので、ちょっと調べてみると、善光寺の伝説で「如来様が閻魔大王を説得した」というストーリーがあるそうです。

善光寺の歴史を記した『善光寺縁起』には、こんなふうに閻魔大王が重要人物として登場する有名な説話が残されています。
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息子の蘇生伝説:創建者である本田善光の息子(善佐)が突然亡くなり地獄へ落ちた際、善光寺の阿弥陀如来(ご本尊)自らが地獄の閻魔大王のもとへ出向き、説得して息子を現世へ生き返らせた。
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「善光寺に参拝した証」:胎内にいる時に母親が善光寺にお参りしたという男性が死後閻魔のもとへ行った際、足の裏に善光寺の印があったため閻魔大王が感服して生き返らせた。
このように「閻魔大王でさえも、善光寺の如来様の前には屈し、お願いを聞き入れる」という強い仏徳を示すストーリーが語り継がれているためだそうです。

隠し絵のような「鳴き龍」と、静寂の「お戒壇巡り」
さて、天井には見事な「鳴き龍」が描かれており、手を叩くと龍が鳴くような残響が響きます。これが日本一とも名高い名作で、ここで鳴らすと良いという場所も教えてくれて、やってみるとほんとに何かの鳴き声みたいな音が聞こえます。キキキキキ・・・みたいな。音の効果もさることながら、光の射し込み方によって絵の表情が変わり、まるで隠し絵のように浮き上がってくる様が見事でした。(むしろ光の角度がよろしくないと見えない。)

そして、甲斐善光寺に来たら絶対に外せないのが「お戒壇巡り(おかいだんめぐり)」。 本堂の地下にある真っ暗な回廊を、壁を伝いながら歩き、極楽の鍵に触れる体験です。……これが、とにかく暗い!そしてかなり怖い!一切の光が遮断された「本物の暗闇」を歩く緊張感は日常では味わえない独特の体験でした。ほんとに段差気づかずすっころびかけて、一寸先は闇というか、一寸でなくても闇なので、かなり緊張しましたね、涼しい場所なんですけども冷や汗かきました。

ちなみに本堂の境内には猫がまったり過ごしていて、厳かな空気の中にふっと和む瞬間がありました。
12:30 名代寿司 魚そう 本店 — 伝統の「甲州寿司」と大瓶ビールで昼酌
そして善光寺から歩いて、40分くらいでしょうか。甲府駅の方に向かって歩いていきます。しっかり歩いて、甲府の老舗「名代寿司 魚そう 本店」へ。 町寿司が大好きな僕としては、もはや着いて数時間しか経ってないけども、本日のハイライトとなるであろう期待のランチです。店内の壁にはなぜか南国の海やリゾート地?の写真が飾られていて、海なし県のお寿司屋さんとのギャップがなんとも愛らしいお店。

メニューを見てもなかなか東京では見ない文字面が多い。まぐろ、上まぐろ、いかまぐろ、さばまぐろにのりまぐろ・・・まぐろやっぱり多いなあ。そして写真を見ても一貫がなんとでかいことか。そして裏面には定食なるものが。

ということで、注文したのは刺身と酢の物がついた「寿司定食」にビールを注文。僕刺身は当然好きなんですが、寿司屋の酢の物にも目がないんですよ。
注文してからビールを片手に店内を見回してると、まずはお寿司の前にお刺身と酢の物運ばれてきました。いいですね、刺身と酢の物をつまみながら寿司を待つって、ランチの極みじゃないですか。

刺身はもちろんまぐろ、それに鯛も入っていました。刺身美味しかったですが、この酢の物の塩梅が絶妙で一気に胃袋を掴まれました。魚介がたくさん入っていて満足度高い。酢も美味しい。何度も言いますけども僕は寿司屋さんでも酢の物あれば必ず頼むくらい好きなので、このセットはほんと神がかってましたね。
そして、運ばれてきたお寿司を見て感動。ここには山梨独特のディープな食文化が詰まっていました。半分に切っていても大ぶりな一貫くらいにボリュームある。見たことない絵面に感激です。

海なし県なのに「寿司屋が多く、マグロ消費量が日本有数」な理由
山梨県は海に面していませんが、実は人口あたりの寿司店舗数が全国トップクラスで、マグロの消費量も全国1・2位を争うほどの「隠れた寿司大国」です。初めて知った時はほんとびっくりでした。

そのルーツは江戸時代にあるそうです。静岡の駿河湾で獲れた生魚を馬の背に載せて、甲府まで運んでいたそうで、夏場でも魚が腐らずに生で運べる限界点が、ちょうど甲府(いわゆる「魚尻線」の終着点)だったらしい。 さらに、江戸から赴任してきたお侍さんたちの「江戸の寿司が食べたい」という思いや、内陸ゆえの「海の魚=最高のごちそう」という強い憧れが定着し、甲府で独自の寿司文化が花開いたと、まあこういう理由なわけだそうです。
地元の絆を深める「無尽(むじん)」文化
寿司屋が多い背景には、山梨独自の地域コミュニティ慣習である「無尽(むじん)」も関係しているのだとか。 仲間同士でお金を積み立てて定期的に集まる親睦会の場として、ごちそうであるマグロや寿司を出してくれる寿司屋さんが重宝されてきました。地元の人々にとって寿司屋は、仲間と絆を深める生活の中心地だったということです。
独特の「甘タレ」と「巨大ネタを半分に切る」スタイル
「魚そう」のお寿司を口に運んで驚くのが、つけダレ(醤油)の味わいです。普通の醤油とは違い、濃いめで旨味のあるタレなんですが、さらっとつけてくれているおかげでマグロの風味がガツンと引き立ててくれます。これは昔、長旅で運ばれてきた魚の鮮度を補い、旨味を最大限引き出すための先人たちの知恵です。普通に醤油で食べるとつけすぎちゃったりすることもあるので、醤油味強くなりすぎることもありますが、これはほんとにマグロの味がわかる食べ方で、かなりよいぞと思います。

さらに、山梨の伝統的な「甲州寿司」は1貫が巨大で、握った後に包丁で半分に切って出すのが特徴らしい。「貴重な海の幸をお腹いっぱい食べられるように大きく握った(それを食べやすく切った)」という説などがあり、一人前でもかなりのボリューム。「江戸時代の寿司はこれくらい大きかったのかな」と歴史に思いを馳せながら楽しめます。シャリは少し硬めで塩味がしっかり効いた仕上がりでした。
赤だし・大瓶ビールで大満足のランチ!
そして何より伝えたいのが、このお店のお味噌汁(赤だし)の旨さよ!ミツバ、豆腐、なめこが具沢山に入っていて感動的な美味しさでした。定食以外の「並寿司」などの単品メニューでも+100円でお味噌汁を追加できるみたいなので、絶対につけることをおすすめしたいと思います!

大瓶の瓶ビール(700円)がありがたく、寿司と赤だしをつまみに飲むビールは格別。飲みきっても料理がまだ残っていたため、黒ビールを追加注文してすっかりいい気分になりました。この寿司定食、1900円はめちゃくちゃお得!かなり安くて満足度高し。甲府に来たらまた来てみたいお店になりました。
15:00 山梨県立美術館 — ミレーの名画に酔いしれる
お腹も心も満たされた後は、「ミレーの美術館」として全国的に有名な山梨県立美術館へ。腹ごなしのためにこちらも歩いて移動します。50分程度ですかね。距離はいいのだけども今日は気温が暑くて結構つらい。

ここにはジャン=フランソワ・ミレーの代表作『種をまく人』や『落ち穂拾い、夏』をはじめ、充実したコレクションが展示されています。この日は残念ながら写真撮影は禁止だったのですけども、「3」のつく日は写真撮影がOKなのだとか。

教科書で見た『種をまく人』の迫力もさることながら、今回一番心に刺さったのは、ミレーの若き日の作品『ポリーヌ・V・オノの肖像(最初の妻の肖像画)』。静謐な空気感と浮き立つような気品があり、個人的にはこれが一番かっこよかった!この写真の右下の絵ですね。雰囲気と迫力がずば抜けていた印象。種をまく人も生で見たのは初めてだったけども、確かにすごい圧を感じたので、ぜひ生で見てほしい。

ちなみに山梨県内のホテルや旅館に宿泊していると「宿泊者割引」が適用され、なんと入館料400円(通常500円の100円引き)で観覧できます。このレベルの世界的コレクションを400円で鑑賞できるのは、コスパという言葉では括れないほどの贅沢でした。こちらもまた来たい。
17:00 甲府の夜は「名酒コーナー くさ笛」へ…(次回へ続く)
観光とアートを満喫したあとは、甲府駅近くのホテルにチェックイン。 夜は、酒好きなら甲府で絶対に外せないと言われる名店中の名店「銘酒コーナー くさ笛」へ向かいました。

17時の開店から閉店間際の21時半までガッツリと美味い酒と肴を堪能し、居心地の良さから初日なのにボトルまで入れてしまうことに……。さらに翌日は、二日酔いと戦いながら身延山久遠寺の激烈な大階段に挑むことになります。
絶景と試練を経て、奇跡の「2日連続くさ笛訪問」となるわけですので、くさ笛についても2日目の記事でまとめてお届けしたいと思います。
ということで、2日目の様子は、以下の記事からどうぞ!



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