【宿泊記】アイスランドの歴史的建造物レイキャビク・レジデンス アパートメントホテルに「暮らす」ように泊まる

アイスランドの旅を計画するとき、宿泊場所の選択は想像以上に旅の質を左右する。単に寝るだけの場所として考えると、アイスランドの宿泊費はただ高いだけに見える。でも「どう使うか」まで考えると、宿の機能が旅全体のコスト構造を変える。

今回泊まったのが「レイキャビク・レジデンス アパートメントホテル(スイート)」だ。結論から言う。これは大正解だった。4泊5日の旅を通じて、宿の選択がこれほど旅の満足度に直結するとは思っていなかった。食費の節約、朝の準備の効率、帰ってきたときの安心感、立地のよさ——そのどれもが旅全体に影響した。そしてこのホテル選びは、この旅で1番の正解だったといってもよいかもしれない。

今回のホテル、滞在期間と費用について

宿泊ホテル:レイキャビク レジデンス アパートメントホテル(スイート / 5泊)

宿泊日:2026年3月17日〜22日

宿泊費用:290,000円(2名5泊の費用)

予約:Booking.com(このホテルのページはこちら

所在地:Vatnsstígur 2, 101 Reykjavík, アイスランド(レセプション:Vatnsstígur 2)

このホテルの「正体」──歴史的建造物に泊まるという体験

レイキャビク レジデンス アパートメントホテルは、ちょっと変わっていて、レイキャビク市内の複数の歴史的建造物を改装し、アパートメントスタイルの客室として運営している、いわば「街に溶け込んだホテル」。1棟の大きなホテルビルではなく、市内の徒歩数分圏内に9棟の建物が散在していて、それぞれが独自の歴史と名前を持っている。

なかでも象徴的なのが、「プライム・ミニスターズ・レジデンス(首相官邸棟)」と呼ばれる建物。Hverfisgata 21に立つこの建物は、アイスランドの首相も務めたヨン・マグヌッソン(Jón Magnússon)が1912年に建てた、市内でも最も古いコンクリート建築のひとつ。かつてはデンマークの国王と王妃が1926年のアイスランド滞在中にここに宿泊したという記録も残っており、歴史の重みがやばい。レセプションが置かれているのはVatnsstígur 2の建物(今回泊まったホテル)で、こちらは1915年の大火の後、1916年に仕立師のグズリーズル(Guðríður)が建てたもの。現存する最初期の住宅建築として保存価値が高いという、まじで歴史的な建物。

2010年から建物の修復が始まり、レイキャビクの歴史的建造物を保存しながら現代のホテルとして再活用するというコンセプトのもとに運営されているらしい。ミシュランガイドへの掲載、ワールド・トラベル・アワーズでの「アイスランドのリーディング・ホテル・レジデンス」受賞(2013年・2014年)など、国際的な評価も得ているとのこと、ほんとにすごい建物だった。

立地の話──「歩いてどこでも行ける」は本当か

ホテルの立地を語るうえで、まず知っておきたいのがレイキャビクという街のスケール。人口約13万人、アイスランド全土の約3人に1人が住む首都だけど、街の中心部は驚くほどコンパクトに凝縮されている。レイキャビク レジデンスアパートメントホテルの各建物は、街のメインストリートであるロイガヴェーグル(Laugavegur)からわずか一本北側の通りに沿って建っている。

僕が泊まっていたホテルからは通りまで、徒歩10秒。この距離感は、旅行中の「ちょっと出かける」という行動コストをほぼゼロにしてくれた。主要スポットへのアクセスもほんとに近い。レイキャビクのランドマーク、ハットルグリムス教会まで徒歩約7分。コンサートホール兼文化施設のハルパまでは徒歩約10分。レイキャビク港(ハーバー)には歩いて15分ほどで着いちゃうくらい。

そして今回の旅で訪れたレイキャビク美術館についても触れておきたい。レイキャビク美術館は実は3つの異なる建物からなっており、それぞれ個性がある。ハフナルフス(Hafnarhús)、キャルヴァルスタディル(Kjarvalsstaðir)、アウスムンドゥル・スヴェインソン(Ásmundarsafn)にも歩いていける。1番近いところで15分くらい、遠いところで30分くらいの距離だった。雪がなければもう少しはやくいけるかも。いずれにしても、ホテルから街じゅうを歩いて回れるというのは誇張でも何でもなく、実際に5日間、一度もタクシーもバス(ツアー以外)も使わなかった。

スイートルームの話──「広さ」と「暮らしやすさ」

さて、今回宿泊したのはちょっと贅沢にスイートタイプの部屋を予約した。チェックインを終えて部屋に入った瞬間、「ホテルの部屋」ではなく「誰かの家」に入ったような感覚を覚えた。天井が高く、空間にゆとりがある。生活感のある家具配置と、しっかりとしたつくりのインテリア。

ベッドルームはリビングとは完全に別になっており、就寝と起居の空間がきちんと分かれている。アイスランドの旅は移動も多く体力を使うが、広くて静かな部屋に戻れるというのは精神的な余裕に直結した。

清潔感も申し分なかった。床も水まわりも、細部まで丁寧に整えられていて、毎日の帰宅が心地よかった。2日目には歩き疲れて戻ってきたら、「家に帰ってきたー」って感じがめちゃくちゃした。スタイリッシュだけどもちょっと落ち着く、レセプションの人たちも笑顔だし愛想いいけど、関わりは必要最低限の感じだったので、とてもよかった。

ちなみにこのホテルについて、「手間をかけずに、でも高いスタイルで」滞在できる宿と表現している評者の人もいたのだとか。まさにその通り!って感じ。で、サービスの押しつけがましさがなく、自分のペースで過ごせる感覚がとても良かった。

 

キッチンの話──料理したくなる設備

アパートメントホテルを選ぶ理由の大きな一つがキッチンだが、ここのキッチンは「自炊できます」というレベルを超えていた。

まず、埋め込み型のオーブンがある。外国のドラマではよく見かけるけども、初めてだったので嬉しかった。これだけで料理の選択肢がぐっと広がる。オーブン料理を宿で作れる旅というのは、なかなか贅沢なことだ。

食洗機も完備されており、片づけのストレスがない。食器・カトラリー類もすべてそろっていて、何かを買い足す必要はまったくなかった。(洗い残しがあれば、ハウスキーパーの方が食洗機にかけてくれてもいた)

カプセル式コーヒーメーカーも置いてあって、毎日補充してくれてるのが地味に嬉しかった。朝食後には絶対飲むのでね。この類のコーヒーメーカーは手間かからずいいよね。こういうものを置いているだけでもセンスを感じる。

ホテルのすぐ近くにはアイスランド最大のスーパーチェーンのひとつ「ボーナス(Bónus)」がある。旅行者の間でも有名なこのスーパーは、物価の高いアイスランドでは強い味方、いつも結構混んでいた。

別記事でも書いた通り、新鮮なラム肉、スモークサーモン、地元の乳製品……アイスランドらしい食材を手に入れて、部屋のキッチンで調理する。これは5日間の滞在を通じて、最も豊かな時間のひとつだった。外食ばかりでは財布も体も疲れてしまうけど、自炊と外食をうまく組み合わせることで、リズムも良かったと思う、とくにお酒好きな人は家飲みは欠かせませんからね。

【グルメ】物価高のアイスランドで現地絶品料理を100%楽しむ外食&自炊のポイント
アイスランドは物価が高い。これはアイスランド好きの間では常識で、覚悟して行ったつもりだった。それでも実際に現地でメニューを開いたとき、価格を見て思わず目を疑う場面が何度かあった。ビール1杯で2,000円から、ランチのメインが3,000〜5,000円、ディナーともなれば軽く1万円を超えてくる。アイスランドで食を堪能しようとすると、財布の中身がみるみる減っていく。正直価格だけで見れば3倍くらいする印象。

ブッキングドットコムの口コミが語ること

今回の予約はブッキングドットコムで行った。このホテルのブッキングドットコムでの評価スコアは9.3 / 10(3,700件以上の口コミに基づく:2026年4月現在)という、非常に高い数字を誇っている。3700件超えていて、9.3はすごいですよね。

口コミに目を通すと、繰り返し登場するキーワードがあった。「ロケーション」「清潔さ」「スタッフ」「広さ」「家のような快適さ」。実際の口コミからも、その雰囲気が伝わってきた。「スタッフがとても親切で、観光の手配からタクシーの手配まで助けてくれた」という声や、「24時間フロントが開いているのが安心だった」という意見も複数見られた。全く同じ意見。ロケーションを高く評価する声も多く、これも賛成、まじで歩いてどこでもいける距離はほんとにありがたかった。僕は10点満点ですね。位いいところばかりで、嫌なところが1つもなかった。

トリップアドバイザーでも、「徒歩で移動するのに理想的なロケーション(スコア100/100)」、「0.5km圏内にレストラン160軒、観光スポット115件」という数字が示すとおり、ポジティブな評価が非常に高い。

料金の話──「1泊3万円のスイート」は高いのか、安いのか

アイスランドは物価が高い国として知られており、レイキャビクのホテル代もその例外ではないです。今回宿泊したレイキャビクレジデンスアパートメントホテル(スイート)の金額は2名5泊で約290,000円。つまり1名あたり1泊約29,000円だった。高いようなやすいようなという感じだけども、この料金は、相場と比べてどうなんでしょう。

Booking.comのデータによると、だいたいレイキャビクのホテル相場は3つ星クラスで1泊約28,000円、4つ星クラスで約4,3000円、5つ星ともなると70,000円を超える。つまりスイートで30,000万円という価格は、3〜4つ星の間に位置する水準。

しかし数字だけでは伝わらない現実がある。レイキャビクの中心部には、「立地は良いが部屋は極小」というホテルが少なくない。アイスランドに行っていたyoutuberの動画も実際に見た、まじでスーツケースを1つ開けたら部屋がいっぱいになってるレベルだった。10,000円〜15,000円の宿泊費でも、窓も収納も満足にない、いわゆる”物置のような部屋”に泊まることになるケースはけっして珍しくないようだ。

それと比べると、ベッドルームとリビングが分かれた広々としたスイート、埋め込みオーブンと食洗機付きのフルキッチン、食器・カトラリーも全部そろったこの部屋で30,000円というのは、むしろ割安すぎるだろう。このタイミングが時期的に少しセールもしていたようなので安かったのだと思うけど、冬場行く人はぜひ参考にしてもらいたい。

加えてアパートメントホテルだからこそ、自炊による節約効果も期待できる(実際にかなり安く上がった)。レイキャビクのレストランは1食3,000〜6,000円が相場で、5日間すべて外食すると食費だけで相当な出費になる。何よりずっと外食だと疲れるし、ゆっくりできないしね。

近くのスーパー「ボーナス」で食材を調達してキッチンで料理すれば、その差額はホテル代の差を上回ってくることもある。宿泊費・食費・空間の快適さをトータルで考えると、このスイートの「コスパ」は非常に高いと思う。また行く機会があればもう一度間違いなく泊まる。

5日間を振り返って

5日間という滞在は、旅行としては少し長いように感じるかもしれない。しかしレイキャビクにいると、むしろ「もう少し居たかった」という気持ちが勝る。それはたぶん、このホテルが「旅している」という感覚より「暮らしている」という感覚に近かったかもしれない。

部屋に戻れば広い空間がある。キッチンがある。コーヒーがある。ベッドルームも別にある。そして窓の外には、アイスランドの空がある。オーロラだって見える日もあるだろう。(残念ながら今回は見れなかったけども)大通りを少し歩けばカフェも本屋もある。スーパーで買い物して夕食を作る。疲れたら部屋でゆっくりする。そういう旅ができる宿を探しているなら、レイキャビク レジデンス アパートメントホテルは間違いなく最良の選択肢のひとつだ。

ホテルの予約はブッキングドットコムから可能で、スタジオタイプから2ベッドルームのアパートメントまで、旅のスタイルや人数に合わせて選べる。アイスランドへの旅を考えているなら、ぜひ候補に入れてほしい一軒だ。いや、もはや一択か。

【総集編】5日間で巡るアイスランド旅・ハイライト:ルートと予算(2026年3月)
アイスランドへ行ってきた。正直、めちゃくちゃ行きたかったけども、行くまでは「遠い」「高い」「寒い」の三重苦で腰が重かった。どんな服装で行けばいいのか考えるところから始まって、準備タイミングもギリギリだった。

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