■本日の工程
2016年5月9日 巡礼29日目
メリデ(7:30)→ペドロソ(16:00) 約31km
今日はよく寝る事ができた。夢は見たけど、覚えていない。朝、ご飯を食べていると、日本人巡礼者のるみこさん、かすみさんとダイニングで会う。お二人もこの旅で会ったみたいでサンジャンピエドポーから歩いていたみたい。
異国の地で、同じ行程をあるいてきた日本人に会うとやっぱりなんかうれしいのです。今日の朝食は昨日スーパーで調達しておいたサルシッチャとチーズをパンに挟んで食べて残りをお昼ごはんにする。
ガリシアのジブリ感たっぷりの林道を歩く
今日もすこし曇っているけど、まあ天気は晴れと言えるかな。でもいつ雨が降るかわからない地域なので、ザックカバーにカッパパンツは履いて向かう。ゴールするときには晴れていてほしいなあ、でもほんと雨が多い地域なので、まあなるようにしかならない。いつものペースで歩けば、もうゴール地点のサンティアゴ・デ・コンポステーラには明日着いてしまう計算。
苔だらけの林道を歩く。雨が多い地域なので、最後の100㎞は草木が生い茂っていて、またしてももののけ姫の世界。風が吹くと葉に溜まっていた雨粒がポタポタと落ちてくる。朝日が差し込むと木々がシルエットになって美しい。
今日は体が軽い気がする、途中の教会でスタンプをクレデンシャルに押して中を少し見させてもらう。すこし道から離れた場所にある教会からは、「ブエンカミーノ!」と大きな声で勇気付けられたりもした。毎日素晴らしい体験を積んでいる。
さて、もうデイビッドたちは今日あたりにはサンティアゴについている頃だろうか。明日午前中にサンティアゴにつけるように今日調節するようにしよう。
奇跡の再会!?カミーノマジック!!
国道沿いの道をひたあるく。正直道は前半の方が面白い。今日は調子が良いので休憩なしでどんどん歩き続ける。明日の午前中にサンティアゴに着くためには、20キロ手前の町までは行っておきたい。今日の夜は明日のためにアルコールは控えようと思う。飲んでも一本!(何を一本だ?ビール?ワイン?と自分をごまかしつつ歩いてみたりする)
さすがに4時間歩き続けたときには足は疲れてきていて、今まで痛くなかったところまでも、違和感を感じるように。そりゃ経験もない中で、700㎞歩いたらどうにかならない方がおかしいもの。
かわいいねこ「まあ焦りなさんな、あの人みたくマイペースでね」
晴れていた空も、ほら言った通りに雨が降ってきた。ほんと変わりやすい天気。雨も降ってきたこと、疲れがたまってきたことからスピードが落ちたことで体も冷えてきてきた。体が弱ると気分まで持っていかれるので、人間はわかりやすいなあと思う。
温かいカフェコンレチェが飲みたい。雨が降ってるし屋根があるところで休憩したいけど、街についてもバルどころか屋根のある場所もない。今まではたくさんあったのに、休憩したいときに限ってなかなか見つからなかったりする。
ようやく休憩するバルが見つかった〜。テラス席を確保して、カフェコンレチェを頼む。疲れているのでいつもより多めに砂糖を入れて、スプーンでじっくり溶かす。
朝作ったボカディージョをひとくちほおばり、甘すぎるかなと思うカフェコンレチェをひとくち、飲んだそのとき
「TAKASHIIiiiiiii〜〜〜!!」
とデイビッドらしき大声で聞こえる。(本名のタカシをデイビッドはタケェシーと言うのですぐわかる)はて?随分先を進んでいるはずなのに、後ろから彼の声が聞こえるわけがない。。。と思いつつ顔を上げてみると、たしかに先を進んでるはずのデイビッドとデイジーが歩いてくるではないか!!!!
デイジー、デイビッドは最近はゆっくり進んでいたようで今日なんか10時スタートだったとか。理由がホステルが気持ちよすぎて、ゆっくり寝すぎたとか。最近僕はペースを上げていたこともあって、いつの間にか追い越していたらしい。ペドロという気さくな、そしてデカイやつもいつの間にか仲間に加わっていた。
「○!※□◇#△!」
「◎△$♪×¥●&%#?!」
意味不明な奇声を発しながら、みんなでハグ。食べかけたボカディージョは、一口かじったままで、テーブルに放置されている。(腹減ってたんじゃないのか)何度もハグをしているうちに、すっかりカップは冷えてしまって中身もぬるくなってしまった。
久しぶりの再会!!!まさかまた会えるなんて・・・!しかも新しい仲間も増えてる〜
過去の出来事への意味付けは、今の自分が変えることができる!
しかし、こんな偶然ってあるのだろうか??でも、この旅で何度も感じたことでもある。一度別れたとしても会うべきひとには会うべきタイミングで必ず会うということ。
ここに来るまでは、偶然と必然は逆の意味を示していると思っていたのだが、あれ?もしかしたら表現が違うだけで同じ意味なんじゃないのか、と思うようになった。
何か起こる前には一見意味がなさそうだったり、回り道したなあと思うことだったり色々あるのだけど、それがあったから、その後の自分が今ここにいるわけで、全ては今のためにつながっているのだ。その時のことをその時だけで判断するのではなくもっと大きなスパンで考えるときっと意味は変わる。
後付の理論かも知れないけど、でも確かにそうで、間違いなく、道を間違って回り道した嫌な過去は今、劇的な再会を演出するための神様の粋なはからいとして昇華したんだもの。
今スペインで僕がいること自体、これまでの積み重ねによるものなんだと感じる。何がここに導いたのか?という問はナンセンスでそれまでの全てが今ここにいる理由だなとスッと自分の中で腹落ちした。
「たかしお前はベリーファーストだ!信じられない!」と、デイビッドが言ってるけど、「おまえらがサボるからだ」と言ってやった。まあ日本語だけども。みんなで「サンティアゴについたらパーティだ!」と盛り上がる!いつもパーティだけども。
一人で歩くのもいいけどやっぱり気の置けない仲間と話しながら歩くのはいい。思えばデイビッドとは16日ぶりに会った。なんか不思議な感じ。10日程度一緒に過ごして、もうあっていない時間のほうが長かった。そしてまた遭遇したとき、たった10日ともにしていただけなのに、こんなに喜び合えるのは、ほんとすごい濃い経験を共有していたんだなあと思う。
ペドロとよく話した。彼は、「思考を変えれば世界が変わる」と言っていた。その通り。彼はコロンビアのシャーマンのところまで行ってきて、自然やあらゆるもののパワーを感じて自分の中に取り込み感じる経験をしてきたことを話した。
僕もその話を聞いてとても共感するようになっていた。スピリチュアルな世界はいつの間にか自分にかなり近い世界になってるみたい。彼もあんまり英語が得意ではないということでお互いぎこちなく英語で話す。だからこそ下手くそな英語に付き合ってくれるので、とても楽。彼とは少し寄り道(ビール休憩)しながらゆっくりとアルベルゲに向かった。国道を走る車の中からクラクションを鳴らして手を振ってくれるひとがいる。
到着前夜の大パーティ!!!多国籍の文化に触れて改めて自国の文化の意味を考える
サリア以降アルベルゲの価格が上がっていたけど、今日のアルベルゲは久々に6ユーロ。設備もあまり良いものではなく、以前くらいに戻った、でも久しぶりにみんなでお金を出して洗濯をした。旅の初めに戻ったみたいで、懐かしくてうれしくてテンションが上ってくる!
夜はアルベルゲ近くのレストランへ行った。頼んだ料理をみんなでシェアして門限超えるまでわいわいしていた。料理自体はそこまでの味ではなかったけど、各国の言葉で、また文化や娯楽なんかを話して楽しんだ。イングランドのデイジーに、スペインのデイビッドト、ペドロ、カナダのエレン、チリのダニエラ、チェコのカロリーナ、そして日本からは僕!多国籍な食卓でうっさいのなんの。
エレンはカナダ出身で、「カルネ〜」と肉料理を注文、金髪にブルーの瞳に肉って絵に描いたようなカナディアン。
ダニエラ(右)は日本の映画が好きということみたい、いろいろ日本の文化を聞かれる日本好き女子!カロリーナ(左)のチェコスロバキアの言葉は今まで聞いたことのない言葉だったけどとても魅力的な言語だった。彼女の美しさも手伝ってのことだと思うけども。
誕生日の人がいてハッピバースデーの歌を歌ったが日本語ではどんな歌を歌うのかと聞かれた、、そういえばない?知らないだけなのか。。。国外の人に聞かれた時用に日本文化を知っておかないとなと感じた。またダニエラには俳句を教えてもらいたいとも言われた。彼女はポエムだと理解していたので、それ以上突っ込まなかったのだがこれを英語で説明するのも難しいが、厳密に日本語で説明するのも難しいなと感じた。
日本の中で日本人ということを意識することは殆どないけども、外国に来ると彼らは日本の代表として見てくるのだもの。おそらく自文化を知らない人を尊敬も信用もしないし面白くないと思う。日本の歴史や文化への知識は外国のために必要なんだと感じる。
途中ジャック、ナリと電話した。彼らはとても元気そうだった。ナリはしきりに会いたいねと言ってくれてジャックも日本に来るかもって、韓国でもイギリスでもまた集まれるならどこでも行くよと話した。場所は少し離れてるけど久しぶりにハッピーチームみんな揃った感覚でうれしかった。
帰ってからも暗闇の中でもずっと話は終わらず、張さんに注意された頃のように楽しんだりした。
明日はついにサンティアゴデコンポステーラ。長かった旅もついに終わる。
※この記事はその日書いたものをベースに、後日加筆修正を加えたものです。
【スペイン巡礼780km|自分探し旅行記まとめ】
2016年4月11日〜5月10に敢行したスペイン巡礼780kmにわたる自分探し・世界遺産・三大聖地を巡る旅として30日間ひとりぼっちで旅に出てきました。ここではその旅のまとめ、僕自身の備忘録として、スペイン巡礼に関するあれこれ(準備、持ち物、費用、ルート、日数、言語等々)をまとめています。