■本日の工程
2016年4月12日 巡礼1日目
サンジャン・ピエドポー(7:30) → ロンセスバージェス(15:00):26km
そろそろ、ブエノスディアス(スペイン語でこんにちは)といえるところまで来た。と言ってもまだ1日目が終わったところ。そして初日にして、はっきりゆってキツイ。やっぱり甘くないよ、スペイン巡礼の旅。すでに股関節に違和感を感じる。距離は多分まだ行けそうな気もするんだけど重い、とにかく重い。。。14キロの重りを背負っていくというのはどう考えても重いみたい。さすがぼく、素人です。
荷物の重さに激しく後悔
自分で思うに、そこそこ必要なものしか入ってないんだけど(このPC以外は)、1つずつが少しずつ重い。服もタオルも3日分もってきたけど、2日分でいい気がする。あと、見たところ寝袋もみんなよりごつい。もう少し薄いのでも良かったなあ。
あと、消毒液とかワセリンとかも小分けにして持ってくればよかった。カメラも予備いらんし、バッテリーも持ってきすぎた。はっきり言っていらん。これで多分3kgぐらい減るんではないかな。歩き始めだというのにこんなことを思いながら、出発前の自分に悪態をつく。ただ、景色は抜群に素晴らしい。
ピレネー雪で越えれず。別ルートもキツイ!
出発前、「このスペイン巡礼といえば初日のピレネー越え!」なんて聞いていた。ピレネーの山頂から眺める景色は素晴らしいらしく、このスペイン巡礼の楽しみにしてきていたうちの一つでだった。だがしかし、4月も半ばだというのに、ピレネーは雪がすごくて危ないらしく、「絶対やめとけ!行ったら殺す(当然英語分からない)」みたいなこと言われてあえなく断念。うー初日で躓いたぜ。
昨日のアルベルゲのオーナーの話によれば、なんと昨年ピレネー越えにしくじった日本人が2人亡くなったのだとか。山をナメてはいけない、日本ではの4月は桜が咲いてもこちらの4月はまだまだ寒いのだ。しかたなくピレネールートは諦めて迂回するルートを歩くことに。
でも、これがしかしアホほどしんどい。別ルートの方が優しいと言われてたのに、なんじゃこりゃ。「騙されたか?」と思うくらいに、肩で息をしながら山を登る。水分がどんどんなくなっていく。足が前に伸びない。足の裏が痛い(1日目にしてすでにでかい水ぶくれが。。。こりゃ明日に期待、死)
そして何より肩が壊れました。もう何も背負いたくない。今回は3カ国周る予定(しかも全部言葉違う泣)なので、カミーノ本+フランス、スペイン、英語の本を持っていた。この本がまたズシッとくる。あれば便利やけど、死ぬほど置いて帰りたい。
「4月のこの時期にピレネーなんか越えれね〜よ〜、4月ナメんな〜モシャモシャ」
糞を踏み散らかして歩ける世界観
でもやっぱり、いい!だがしかし来てよかった!!何がその理由かというと、今日の行程約25キロ。大自然を感じながら歩くということは今までまあしたことのない経験。ところどころで動物園のにおいがするし、羊、牛、馬がそこら辺にいる。しかも道は糞だらけ。踏まないほうが難しい。
そんなところを歩いていると、そりゃ糞は生きてれば自然に出るんですから、踏まないほうが難しいくらいにあるんですから、小さいことは気にするなということ。避けて歩くのがアホらしくなる。これがありのままに生きるということ(あまりにでかいのは避けた、偉そうなこと言ってスマン)
ピレネーは残念だったけど、こちらもきれい!でも下見ると、実際はクソだらけ。
言葉はマジで関係ないらしい
「ああ、日本人は気にしすぎなんだなあ」と改めて思った。そういえば日本に来てるチャイニーズもコリアンも母国語で平気で道聞いてくるなあと。昨日アルベルゲで一緒になったフランス人のジャックがちょうど休憩しようとしてるところを通りかかったので、一緒に時間を過ごすことになり、そんなことを思い出したのだ。
ジャックは英語が全くわからないらしいのだが、どんどんフランス語で喋りかけに来る。はっきり言ってこんな経験は初めてだ。だって、これまでは道を聞かなくてはならないというミッションがあって、でもできないから母国語で話すということだった。翻って今回は、いうなれば必ずしも差し迫って話す必要などないのだから。にも関わらず彼はガンガンくる。
開きなおって僕も日本語で応戦。英語なら頑張ろうとするが、フランス語はトレビアンしかわかんないので、もういいと思った。わからないから言葉を発しないのでは、話す気があるのかないのかどうかも伝わらない。それでも母国語でも話そうとチャレンジした時に、こいつはコミュニケーションをとりたいんだと理解される。
お互い母国語で話したら言葉がわからないのは当たり前、でも何となく言わんとしていることはわかる気がするのが不思議。国も年も違うけど、すっごい仲良くなってジャックは自分のご飯をくれたり、僕は日本のお菓子をあげたりして、やっぱり言葉って関係ないなってスペイン巡礼の旅、初日にして思う経験をした。ジャックありがと。
だからこそ、言葉を話せたらもっともっと仲良く慣れるし、「知らないこと知れるんだろうな!」って余計に話したくなった。
とはいえ道端で挨拶するときはやっぱり英語が多い。全くだめだけど、知ってる単語でまあどにかなるのだけど、どうゆう言い方すれば伝わるだろうとか一応文法も考えたりして、すごい語学の勉強になってる。ちょっとだけだけど日本語に翻訳することなしに、英語で即レスできるワードもできてきた。
Take your timeの精神でいく
日本人は周りの目を気にしすぎだし、今までも自分は周りの目を気にしすぎだと、たった数日の海外生活でそう思う。僕は社会人になる前後くらいから少しずつ変わってきたが、小学生、中学生はひどいもので、まわりと同じでないと不安でいやだった。違うことしたりしたら、仲間はずれにされたりいじめられたりするんじゃないかという気持ちが強かったんだと思う。
誰もいない道、道あってるのかな?でも違ったらそれはそれでいいやって気分
でもここでは、そんなことを気にする必要は全く無い。僕が苦しんでいる脇を軽く挨拶してさーっと通り過ぎていく巡礼者。欧米人は体の作りが違うし、これまでのバックボーンも違う、みんなが同じペースで歩くほうが不自然なのだ。
仲良くなったからってずっと一緒に行く必要はなくて、一緒に歩いててもペースがずれてきそうなら、「俺先行くわ」「先に行ってくれ!」と普通に言える。日本ならこんなことの方が少ないと思う。どちらかが体力的なものだったり精神的なものだったり、頑張ってペースを合わせて歩いて、そしてどこかで無理が出てくる。よくあることだ。
Take your timeでいいのだ。自分のペースで歩く。これが大事だし、どこまで言っても自分は自分。他人にはなれないし、他人だってどこまで言っても自分にはなれないし100%わかってもらうこともない。
ピレネー越えずとも、今日の道はしんどかった。みんなペースはバラバラだし、道は険しい。前を歩く人を意識したり、後ろから近づく足音に耳を済ませたりしていたときに「はっ」としてそんなときは「Take your time」と呪文のように頭の中で唱えるようにしていた。
そんな大人の鏡なのがジャック「Take your time」の権化である
この精神はどこにでも、実は当てはまる、ここだけの話ではないのだ。ああ、ジャックみたいな大人になりたいよ、と本気で思う32歳。そして次回の別ルートのスペイン巡礼をやる理由ができた。次はピレネー越えリベンジしたい!!今度は4月よりもう少し暖かくなってからがいいかな。
※この記事はその日書いたものをベースに、後日加筆修正を加えたものです。
【スペイン巡礼780km|自分探し旅行記まとめ】
2016年4月11日〜5月10に敢行したスペイン巡礼780kmにわたる自分探し・世界遺産・三大聖地を巡る旅として30日間ひとりぼっちで旅に出てきました。ここではその旅のまとめ、僕自身の備忘録として、スペイン巡礼に関するあれこれ(準備、持ち物、費用、ルート、日数、言語等々)をまとめています。
こんにちは。いむりんさんはもうサンチアゴに着いたのでしょうか?
私も今、フランス人の道を歩いてます。
いむりんさんより少し遅れて出発して今日はvillafranca del bierzoのアルベルゲで過ごしています。今日は一日中ずーっと雨で心が萎えたけど、歩ける事は楽しいと思えるようになりました。残りも少なくなってきて嬉しいような残念なような複雑な気持ちです。
またブログを拝見させてもらいますね〜
bueo camino!
nobyさん
こんにちは、お返事遅くなりました!コメントありがとうございます。きっとnobyさんももう到着されてますよね!旅はいかがでしたか?聞かずともきっとよい旅だったと思いますけども!僕は今週日本に戻ってきました。ちょうど30日でサンティアゴに到着して、そこから少しだけスペインの別の町をめぐって帰ってきました。一応毎日日記書いていたのですが、写真をアップできずで更新が進みませんでした。写真を整理しつつ、当時の日記を公開していこうと思います、また遊びに来てくださいね!buen camino!!!