山本渉さんの写真展「ライラックとアンジェリカ」を見た。
植物。つぼみでしかなかったものから、そのつぼみをやぶって顔を出し、
縮こまっていた芽が上を向いて伸びていくまでの過程。
ギュウギュウに詰め込まれていた赤ん坊が本能のままに歩き出す。
とてもすがすがしく鮮やかで、
生命とは何なのかを考えさせてくれる展示だった。
生命は手放しに育ち、生きようとする。
花火がヒューンと上がったら、ドーンときれいな華を咲かせるように
何の疑いもなく生まれたままに顔をあげ、お日様に向かって伸びていく。
自然の摂理。
エネルギーを注ぐ回路は本来単純なのだ。
翻って我々はどうなんだろう、ね。