随分と日が長くなりました。
初夏のこの夕暮れ時ならそっと風が通り抜ければ、
幾分か過ごしやすくなるものですよね。
そんな夕風に明かりを灯した提灯が頭上で揺れています。
とは言え、風が止めば気温の下がりきらない夏の夜は、
汗が滲んでなんとも気持ちの悪いものです。
気温は上がらず下がりもしない、
無風でこれといった動きも見当たらない。
安定の次は変化しかありえません。
藍色の夜空に橙色に灯る提灯はしっくりときます、
そんななんとも平凡でありふれた景色にこそ同化していたりするのです。
何かが起こりそうな気配が潜んでるように感じるのです。
落ち着きませんねえ。