高校生の頃、真夏に毛布にくるまって寝ることを、
最高の贅沢だと豪語しているやつがいた。
部屋の中を南極のようにクーラーで冷やし、
毛布にくるまるというわけ。
なんと無駄なことだなあと思っていたが、
まあでもゆってみると贅沢ってそういうものかもしれない。
モノへの価値付けの仕方が異なるのだろう。
車だって数十万円〜うん億円まであるわけで、
近所のスーパーに乗っていくのに、億円車はそりゃあ贅沢だろうけど
スーパーに買い物に行く足のために買ってるわけではないのだものね。
かっこいい動く箱の中でふかっと座りたいのかもしれない。知らんけど。
冒頭の毛布野郎だってきっとそうだ。
単純に寒さを凌ぐために毛布を使うのではなく、
毛布にくるまる安心感がいいのかもしれない。知らんけど。
先日あっついのに、
「おでん」の提灯がこうこうと光っている店があった。
おでんは冬の食い物である。
寒い時にはふはふ言いながら口に放り込み、
熱燗をちびっといくのが正しい食べ方だ。知らんけど。
だが今は夏だ。寒くない。
きっと部屋の中は涼しいのであろう、
そこへアツアツのおでんを今なら冷たいビールで流し込むのだろうよ。
冬に食べるものを夏に食べる。
まるでハウス栽培のようだけども、きっと贅沢ですね。