昨日「ウィーン・モダンクリムト、シーレ 世紀末への道」に行ってきた。日本・オーストリア外交樹立150周年記念ってことと、向こうの美術館改装するってことでいいタイミングだから作品たちよご挨拶にいっておいでということで実現したみたいの展示のよう。
ちなみに今回の企画がキャノンさんプレゼンツで学生に無料開放デーということでした。一般的には休館日で無料で人が少なくて、しかもガイドさんも要所で解説してくれて、という大満足スタイルだった。
クリムト・シーレ推しというか団体戦
さて、今回の展示、なんかタイトルとかポスターとかがクリムト、シーレ推しで、どんな展示やろうかと思ってたら、ドレスや家具に食器など当時の市民の生活を感じさせる、本当にウィーンがそのままきちゃったかなといった様子だった。
いやクリムトもシーレもいいんだけどもね、もちろん。わりとメインっていうよりも要所で取り入れてくるって感じでしたから嫌味なく見れた。写真は撮影OKだったクリムトの作品。反射がすごいな、、、
いつもの絵を見に行くような感じとは違って、時代や文化、国というものを感じるような展示だったように思う。とはいえ、作品もめちゃくちゃ展示されてる。気になった作品を3つだけピックアップするならということで個人的ベスト3をあげておくと。。。
マリア・テレジアの額が迫ってくる
最初にドカンとくるマルティン・ファン・メイテンスの「マリア・テレジア」最初のお部屋にあるのだけど、インパクトがすごい。額の迫力がすごい。
絵の美しさとかデカさとかいうのもそうだけども、そいつらにあわせてなお勝ってしまう迫り来る額の迫力ですかね、あれすごい。あれが権力とパワーあとお金ということか。あれは本物見るべし。
3つの最も嬉しいものというタイトル勝ち
次に気をひいたのが、フリードリヒ・フォン・アメリング の「3つの最も嬉しいもの」通り過ぎようとしていても、立ち止まらせる妙な雰囲気が備わってる。タイトルもよし。嬉しいものってのがいいですね。
絵を見て自分も何が嬉しいか考えたいもの、確かに作品にも最も嬉しいものが描かれてるけど、ただそこまで限定的ではなくて、人によって感じることも違える余地も残ってると言えそう。官能的な雰囲気もあるけど、なんか突っ込めそうなGAPもあって見ていて最後に笑ってしまいそうななんかそんな絵。タイトル勝ちって言ったけど絵はほんとすごくいい。
ここまでの2つの作品は公式ページで確認できます。
日本をビンビン感じるひまわり
最後にシーレの「ひまわり」ですかね、ゴッホが死んだ年に生まれたシーレは俺はゴッホの生まれ変わりだって言ってたような説もあるようで(アルルの部屋意識しまくった絵もきてました)彼を意識してるのは誰が見てもわかるのだけど、いい塩梅に自分に落とし込んで、あとクリムトの影響とか、そのクリムトが影響バリバリ受けたジャポニスム風味も取り入れてるように見える。
背景が描かれてなくて2次元的なのに、ほんの少しの地面の草花が奥行きを表現させてて、白い空間が禅的な無限を思わせるようなにくい演出。内面を描くという表現主義的なアプローチで有名だけど、世界の理が見えてるような、実際にはこんな風には見えないのに、それがあるべき姿のような、余白の美を突きつけられるような作品だった。ぜひ見て欲しい、画像のっけたいぜ!
最後におまけ
最後と言ったけど、ハンス・マカルト「ドーラ・フルニエ=ガビロン」これも最高に異彩を放ってたので最後の最後に付け加えておこう。これはぜひ本物見るべし、あれは美しい、怖い。
あとウィーン工房っていう、絵画も建築も、家具もグラスもなんかも一緒にやりましょうっていう動きがまたよかった。アートは手段であって、カテゴリ分けされつつも本質は同じというそういう精神を持っている人たちの作品が集められた空間は単純に心地よいものがある。
ということで、大満足。クリムトよりも面白いって言ったら失礼だけども、これらが時代で迫ってくる力強さがあったと思う。名前と雰囲気で行きたいなあとは思っていたけども、心からウィーンていう国の空気を吸いたくなった。行きたい国リストの上位にランクインした展示でした。ごちそうさまでした。
ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道
- 国立新美術館(東京展)〜8/5
- 国立国際美術館(大阪展)8/27〜12/8