就活は今の働き方より未来の自分からの逆算で

先日の続きです、きょうは僕が入った最初の会社の話をします。先に言っておくと、僕は働いていてよかったかなと思います。外の目から見ればいわゆるブラック企業なのかもしれませんが、その中で得られる事も十分ありますから、一概に悪いだけということではなかったです。

■何も整っていない会社

さて、僕が新卒で入った会社は、人材採用や組織づくりのコンサルティングを行う企業でした。(コンサルティングというとイメージしづらいこともあるかと思いますが、企業のお医者さんだと思ってもらえたらと思います。うまくいかないなという課題に対して、こうすれば良くなるという方法を一緒に考えて、実践していくというものです。)僕が入社したのは4月です、その1月にできた会社で、まぁ言ってみれば何もない会社でした。そのうえコンサルティングというものは基本的に過酷な労働環境です。(形のないもの(知識や方法、仕組みなど)を売っているので、どこまでやっても完璧というものはないからです。従って、長時間労働になることもしばしばです。)

そのときは会社勤めは初めてですから、会社って社会人ってこんなもんなんだと今考えればおかしな状況も別に普通でした。(1日12時間労働なんて当たり前、残業代なんかももちろんなく、そのうえ低賃金、ボーナスも当然当たり前のようにありません、土曜も祝日も当然出勤、日曜はかろうじて休みもらえるかというところでした)

もちろん友達と話すと、「絶対それおかしいよ!?」と10人に聞いたら15人くらいそういってくる状況でした(笑)友人の会社の待遇や福利厚生など聞くたび、全く状況が異なりすぎて、1週回って笑いさえこみ上げてきまして、「あ、壊れた」って言われた事もあります。やっぱり外から見たらおかしい環境なんですよね。正直多分よっぽど心強くないと、へこみますが、それでもいったんその会社を選んだのは自分ですから、やっぱりがんばるしかないなと思いました。

■自分以外は全員先生

でも、いいこともありました。普通入社間もない1年目には絶対任せないような仕事も任されるなどといった責任ある仕事です。具体的には経営者の方にでも一人でアポにいき、商談を進めてくるなどです。おかげで幸運にもお仕事をいただけた際など一緒に打ち合わせを行ったり、時にはアドバイスさせていただくような、おしっこちびってしまいそうな場面でも、冷静な対応する事ができるようになりました。

びっくりするのは、会社にはまったくノウハウというものはなく、一から自分たちで作り上げていくという状態で、僕は教育というものをほぼ受けた記憶はありません。そんな僕は、現場で自らその場での最適な回答を見つけていくしかなく、臨機応変さや突発的な対応力はかなりつきました。

そいう意味で、僕にとっての一番の先生はお客様でした、注意を受けときには本気で怒られ、迷惑をかけましたが、そこから誠心誠意謝罪し、その分を取り戻そうと必死で仕事を行いました。また「我以外皆我師也」という言葉そのままに、当時は自分以外の人はすべて先生でした。みんなから教えてもらう時間は当然ないので、横で見ながら自分で試してみるといった具合でした。おかげで物事にはひとつの答えだけではなくいろんな答えがあってもいいという事も経験的に学びました。振り返ってみると、教えてもらったことよりも、自分で気づき実践した事の方が、よっぽど頭の中に残っています。ぜひ教えてもらうのを待つより、学びにいく事をお勧めします。

また小さい会社は大きい会社ほど分業がなされておらず、一人でより多くを行う必要があり、仕事の流れや仕組みが見えやすく、業務の全体像を把握しやすいというメリットもあります。そうしたことが原因で先輩もやる事が多く、満足に教る時間がないということも事実です。こういう環境ですから、もし自分で将来事業をおこしたいとか、言われたことだけやるんじゃなく、自分の頭で考えて動いていきたいという気持ちを持っているのであれば、小さい会社でもいいんじゃないかと思うんです。そして仕事を行う相手は経営に近いポジションの人と一緒に仕事ができる職業がいいと思います。

■就職、就社という考えではなく、将来の自分という観点から

就職活動に迷っていたり悩んでいたり、やりたい事が定まらないということであれば、将来の可能性を追求する意味でも、仕事の全体像が把握できる仕事、たくさんの経営者と会えるようお仕事はいいかもしれません。仕事っぷりが評価されれば、スカウトされることも珍しくありませんし、業務の全体を見る力が養われれば自分でやって行く事もできますから。

さて、僕がそんな会社で働いていたので、わりといい風に聞こえてしまうところもあるかと思いますが、逆に言えばそういう意識で働いていないと、厳しい環境という事でもあります、だって大手だったらそろっていそうなものは用意されていないんですから。しかしながら僕も最初はそんながんばれるほど覚悟持っていたり、仕事ができるような人間だったかというとそうではありません。はっきり言って、環境だと思います。

環境やポジション、立場が人を作っていくんです。何もないという環境は自分がやらなきゃという気持ちを生み出しましたし、教えてくれる人がいない環境なら、自分から学びにいかないと仕方ない。経営者との関わりが多いという環境なら、事業、経営の観点で物事を考えられるようになったり、向上心や独立といった気持ちも芽生えてきます。将来の自分のイメージを持って、就職先という自分の環境を選んでみると思います。

最後に、ニュースを見ていれば理解できますが、大手企業も業績不振で縮小したり、倒産したりする世の中です。自分だけは大丈夫なんて絶対思わない事。そして大事な事はどんな会社に所属しようが、会社に食べさせてもらっているという事にはならず、会社を食べさせているという気概を持って仕事をすることです。

こういう観点で考える事ができれば、就職先なんて将来の自分を作る手段の一つだし、自分を育てる環境に過ぎません。企業のイメージや業界、職種にこだわらなくてもいいのではないでしょうか。

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