朝の満員電車で気持ちの良い連鎖が生まれた。
僕が乗るには3号車の1番ドア付近、
今日は小さな子を抱っこした小柄なお母さんが乗り込んできた。
朝の通勤ラッシュ。車内に入るのも一苦労な時間、
だけど少しだけ今日は様子が違った。
並んで乗車したその親子は満員電車の真ん中だと大変ということだろう、
ドア近くのポールを譲られる。
ポールを握った瞬間、ドア横にいたおじさんが、
ドアにもたれることができる自分の場所を譲ろうと声をかける。
すると、今度はその声を聞いた座席のお兄さんが
今まで座っていた席を立ち、その席を譲った。
かくしてその親子は、混雑した車内で安全な席を確保できた。
「譲り合いのわらしべ長者」
そんな言葉が頭に浮かんだ。
パズルゲームなんかで気持ちよく連鎖が続いたような
そんな爽快感すらあった。
朝の通勤ラッシュ時、混雑しているには違いないけど、
いつもとは違った空気が流れる好意に満ちた車内だった。