影がなければ光を照明することは難しいです。
(光がないと見えないわけですから見えている時点で
光は届いているんでしょうけども。)
でもでも、影を作るためには光を受ける(遮る)対象が
そこにあらなければならないですね。
だからどのような光を受けようが、
影の形を決めるのは媒介する対象です。
すると影も光もその媒介物があるから、
はじめて証明されるわけで、すごく不安定な概念ですね。
その対象物も光のない世界では認知できないわけですもんね。
「我思う、故に我在り」とは言うものの、
自分の存在もそれを認めてくれる他者がいて
初めてこう物理的な存在として受容されるというかね。
世界はものすごく膨大な不安定が集まって
均衡がとれているように見えていますが、
考えてみるとすごいことですね。
ああ、正義は悪が成り立たせているという事実だってありました。
これはダークナイトが教えてくれましたね。
あんなに魅力的な悪がいるなんて、
どうしたことでしょう。
そんなことを考えながら飲む酒は、この確立した曖昧な世界から
混沌とした中にある清冽な意識の中へと僕を連れて行ってくれるのです。