帰り道、まるでマグリットの絵画のような世界に迷い込んだ。
嘘のようなとぼけた雲がぽっかりと空に浮かんでいた。
現実感のない風景。
ちょうど1年前の僕はまさに絵画の中にいた、
780kmに及ぶスペイン巡礼の旅。
見るもの全てが美しく、新鮮で、開放感に満ち満ちていた。
あの経験がなければ、
今とは違う自分になっていたと思う。
きっとこの写真日記もやってなかったろう、
今ある出会いもきっとなかったろう。
偶然は必然の裏返しだとうことに気づいてから、
見える世界が変わったのだった。
マグリット雲からのメッセージに少しだけ胸が熱くなった。