こんにちは、いむりんです。
スペイン巡礼から帰国後、こうした記事を振り返って書いてみると、自分自身スペインの一人旅を2回楽しめるようですごくいいですね。何より、この素晴らしさをぜひ多くの人に感じてもらいたいと思うので、必要以上に気合い入れて書いてます。
ということで今回は「スペイン巡礼とはいったい何なのか?」「具体的に何をするの?」そして、「実際のところ治安はどうなの?」「どんな目的で訪れるの?」この辺をまとめてみようと思います。
事前情報をしない!というススメ
と、言いつつ、いきなり逆のことを言ってしまおうと思うのですが、情報収集しすぎるとよくないかもと思うのですよ。実は、僕自身このスペイン巡礼の旅に行こうと決めたときに、初めて、「こんなもの(スペイン巡礼の旅)がこの世にあるんだ・・・」と知ったときで、「知った=行きたい!」という感じで、あまり知らないままに衝動的に決めてしまいました。
と言うのも、そもそも巡礼への目的が自分との対話ということもあり、新しい出逢いや価値観を広げるといった、いわゆる「自分探し」となるような旅を求めていたのですから、例えるなら攻略本ありきのRPGみたいに発見するというよりなぞって行くというのが感覚的にいやだなと思ったんです。
「ここまでくるとあれがある!」「あ、あれ見落とした!」みたいになると名所や情報に踊らされ、何となくせわしなくなってしまうような気がしませんか??なので、正直見どころや名所に付随する情報のリサーチは最低限に留めておきました。
なので、もし「そんな観点あるかも!」と思った人は、情報収集は最低限にして現地でのサプライズを楽しむのもいいと思います。このページは最低限は知っておいたらいいかなと思うことをまとめていますので、軽く読み進めて感覚を掴んでもらうのに使ってもらえたらいいなあと思います!
もちろん観光メインで行く人はいいと思います!名所たくさんあります
スペイン巡礼とは!?
スペイン巡礼は、キリスト教の聖地であるガリシア州のサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路のことをいいまして、ローマ、エルサレムと並ぶ世界三大聖地の1つです。(サンティアゴ巡礼と言われたりもします)サンティアゴ・デ・コンポステーラはイエス・キリストの12人の使徒のひとりである聖ヤコブのが祀られており1000年以上の歴史がある素晴らしい道なんです。
サンティアゴ・デ・コンポステーラにはヨーロッパ中から巡礼に来るため、巡礼路は数多くありますが、フランスからピレネー山脈を越えて巡礼する約800kmにわたるフランス人の道が最もポピュラーな道として知られていて、年間25万人以上が歩いているようです。日本人も少しずつ増えているようです。
こんな統計データがあります。国別の巡礼者や任人気のある道などがまとめられています。興味があればぜひ!
具体的に何するの?どうやって始めるの?
まずはスタート地点で巡礼手帳(クレデンシャル)を手に入れます。そこからはもう巡礼の旅はスタートします。やることというと、もらった巡礼手帳にスタンプを押しながら、目的地のサンティアゴ・デ・コンポステーラに向かってただ進むのみ。道は神様が教えてくれます。
うそ、巡礼者のために「黄色い矢印」が定期的に地面や道端の岩に記されています。この矢印の方向に進むのみ。本当に地図が無くても大丈夫なくらい50〜100mおきくらいに書かれています。
ちなみに、サンティアゴ・デ・コンポステーラで証明書がもらえる人は、徒歩で100km以上、自転車で200km以上という条件をクリアすると証明書がもらえます。その際押したスタンプがどこから歩いたかの証明になります。
多くの人は徒歩で巡礼しますが、中には自転車や馬に乗って巡礼する人もいます。またこの区間はバスで移動など、目的地への向かい方は人それぞれです。例えばフランス人の道なら800kmもあるわけですから徒歩で巡礼するとなると1ヶ月はかかります。無理せず自分の体と相談しながら進むことをおすすめします。
ただし、必ずしも一気に800km進まないといけないこともなく、今回はここまで、次回はこの続きからと数年計画で進む方もいます、なかなか一気に休みを取っていくことも難しいと思いますので、こちらも自分の状況を鑑みてプランを立てるといいと思います。
巡礼の目的は?
これは人それぞれ。この巡礼路は必ずしもクリスチャンでなければならないというわけではなく、誰もに道は開かれています。それに巡礼者全員に対し、町の人々は歓迎してくれると思います。僕のように自分自身と向き合うために巡礼の旅に出る人もいれば、当然純粋に信仰心から巡礼する人もいます。
ここで自分が感じたこのスペイン巡礼の目的(活用方法)を少しあげておきたいと思います。
■世界遺産の道を堪能する旅
実はこのスペイン巡礼の巡礼路のスペイン国内の道は、「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」として1993年にユネスコの世界遺産に登録されている道自体が世界遺産という珍しい名所です。ちなみに僕の地元の和歌山にも「紀伊山地の霊場と参詣道」として道が世界遺産に認定された例があいますが、世界でもとても珍しい道の世界遺産なんですね。
ちなみに和歌山県とガリシア州とは友好関係を確立するため、1998年に姉妹道提携をしているそうでして、ガリシアには和歌山の、和歌山にはガリシアの碑が立てられています。
ということで、世界遺産を歩ける素敵な旅であり、訪れることになる街の中には世界遺産に認定された大聖堂やガウディ建築など見どころはたくさんあるんです。
■雄大な景観を仰ぎ、自然に癒やされる旅
規格が違います。遮るもののないどこまでも広がる大自然。四季折々見せる顔が違いますからいつ行っても楽しこと間違いありません!(冬は気をつけて・・・)空の青さに驚いて、絵の具で付け足したようなおもちゃみたいな雲、歴史を感じさせる街並み。言うことありません。
毎日が新鮮で、日々新たな発見と驚きに自分の幅を広げてくれうようです。ただし、途中毎日が素晴らしすぎて、素晴らしさが当たり前になるというもったいない心境にもなってしまいます。とにかく素晴らしい景色を堪能できる、ストレスフリーな最高の旅です。
■スペイン各地の美味しい食べ物とワインとビール食べ飲み歩き
スペイン料理は御存知の通り、最高ですよね?バスク料理やガリシア料理毎日各地の名物料理を堪能できるこんな贅沢な旅はありません。しかも普通の観光旅行とは違い、毎日歩いてお腹すかせてるんですから最高です。
料理だけでなく、ビールもワインも道を進むごとに銘柄や産地が変わりますし、西に進むほどにビールやワインを1杯頼むとおつまみが無料でついてくる。お酒代だけですんじゃう嬉しい文化(しかも酒も1杯2€程度、日本円で250円くらい)最高!後半はほぼ毎日バルに通っていました。
ガリシアのプルポ(タコ)に、リオハのワインは絶品です!
■異国の友達づくり、語学上達への道
基本的に世界各国から集まりますから、巡礼者通しは英語でのコミュニケーションをとるのが普通。スペイン語は地元のバルなんかじゃ重宝します!(英語ダメな人も多い)否が応でも英語は必要になります。
毎日英語を使ってコミュニケーションを取るので、やっぱり上達すると思います。僕も少しは「上達したなあ」と思いましたもの。(巡礼者は本当にいい人が多いので、英語が上手でなくても、単語並べるだけでも汲み取ってくれますから、話せなくても何にも問題ありません。)
そんなことで話していて、歩くペースがあってくると、チームを組んで行動を共にするようになります。「今日は一緒にカネ出して自炊しようぜ!」みたいな感じです。洗濯も一人で洗濯機を回すと高く付くので、一緒にやっちゃいます。そうするとたった数日で、心が通い合い、もう10年来の友人のような感覚になっています。
楽しいこともツライこともみんな同じく共有した仲間ですから絆は深まります。中には旅が終わってからも連絡をとり、帰国後また再会した人もいます。この旅で僕は最高の友人を手に入れました。
■新しい自分の発見と内なる自分との対話
僕が目的としたのは、まさにこれです。自分自身との対話。毎日20〜30kmただひたすら歩く。こんな経験はなかなかできません。しかも言葉が話せないとなると、もうゆっくりと自分と話すことができます。気づかなかった気持ちや今の望み、将来について思う存分に考えたかった、こうしたいわゆる自分探しに最適な旅だと思います。
現地の友人も「生まれ変わるためにこの道を歩きにきた」という人がいたり、「家族や友人が歩いていて、今度は自分の番だ!」と言っているやつもいた。この道は新たな自分と出会うための道なのかもしれません。
■ダイエットのためにもいいのかも???
ちなみに、毎日20〜30km歩くのでダイエットにもいいと言われています。実際痩せる人も多いですが、逆に筋肉付く人もいます。高低差もありますからね。僕は食べ過ぎと筋肉が着いて出発時よりも体重8kg増で帰ってきました。笑えます。もはや肉体改造でした笑
治安の良さは日本クラス!?女の子一人旅でも安心レベル!
結論から言いますと、安全です、安心していいと思います。普通海外は治安悪い、日本より安全な国はないみたいに言われますが、この巡礼路だけは別格のような気がします。この土地は本当に安全で、僕が旅している間は誰も盗難の被害にあったり襲われたりということはありませんでした。女の子の一人旅もたくさんいました、治安は最高クラスではないでしょうか。
なので、初めての一人旅にも最適だと思います。「一人旅をしたことがないけどもやってみたい!でもちょっと心配」という人にもぴったりな場所だと思います。巡礼者はみんな同じ目的地に向かう仲間。すごく親切ですし、困っていたら助けてくれます。日本人以外にも言葉がわからない人も歩きますので、現地人も慣れていますから安心して飛び込めます!
「カミーノ(巡礼)ボケ」という言葉があるみたいなんですが、海外をバックパック旅行なんかで歩いたりすると危険と言われると思うんですが、この巡礼の旅に慣れてしまって、そのまま別の国にいくと「やられるぞ!」ということだそうで、それほど治安に関しては安全だということです。
なので僕もアルベルゲでカメラやiphoneを充電しっぱなしでバルに出かけたり、シャワーをあびたりしていましたが、以外なほどに大丈夫でした。まじでカミーノボケに嵌りそうでした。(ただ念には念をいれるに越したことはありません、僕が歩いた期間だけ特別だったなんてこともあるかもしれませんし)
信じられない話ですが、実際僕もお店にお金とかパスポートとかを入ったポーチを置いてでてきてしまったことがありましたが(しかもそのとき自分は忘れたことも気がついていないというボケっぷり)、お店の人が街中の宿(アルベルゲ)に電話して「アホでめでたい日本人はいないか?」と連絡してくれて、自分の泊まっていたアルベルゲの管理人が取りに行ってくれてなくなったことも知らないうちに手元に返ってきたという奇跡のような間抜けな話があります。「んな、アホな・・・日本かここは。」と治安の良さに自分で驚きましたよね、それくらいお人好しないい国です。
ただ、大きな街は注意が必要だそうで、地元や巡礼者はいい人が多いんですが、怪しげな人も混ざっているらしく、「油断している巡礼者を狙う」みたいな人もいるみたいです。巡礼者のふりしてアルベルゲに侵入するなんて話も聞いたことありますので、大きな街ほど用心するといいと思います。
心が濯われる素晴らしい体験ができる!それがスペイン巡礼の旅
いかがでしたでしょうか?スペイン巡礼とは何なのか?そしていかに楽しいものか?はじめてでも安心な理由はわかってもらえたでしょうか??本当に一度は、一度はぜひ行ってもらいたいところです。心が濯われる素晴らしい体験ができると思います。
【スペイン巡礼780km|自分探し旅行記まとめ】
2016年4月11日〜5月10に敢行したスペイン巡礼780kmにわたる自分探し・世界遺産・三大聖地を巡る旅として30日間ひとりぼっちで旅に出てきました。ここではその旅のまとめ、僕自身の備忘録として、スペイン巡礼に関するあれこれ(準備、持ち物、費用、ルート、日数、言語等々)をまとめています。