白髪一雄展、身体表現の真髄感じるフットペインティング

白髪一雄展いってきました。これまで具体の展示や、各美術館での収蔵品で見たことはありましたが、今回の回顧展のようにまとまった数を、しかも初期から見たことは初めてでした!

作品自体は大きいものが多くて、ダイナミックでもちろんインパクトありまくりですけど、今回の展示では彼の執筆した原稿や具体美術協会のリーダー吉原治良が彼のことについて述べているインタビュー記事なんかもあって、それがむしろ印象に残ってる。

ただ豪快でダイナミックな抽象画とは違ってそこに身体性、精神性の解放と表現がなされてる、究極的な作品なのかもしれない。白髪さんの自分だけの表現って感じがしました。

上手く描くとか小手先の技術に頼るとかそういうことではなくて、自分の秘めたる資質とかこれまで経験してきたものを表出させるって感じ。そこで行き着いたのがフットペインティングなんだろうな多分。

偶然が織りなす芸術とか、力強さを表現するためという見方もあるけども、むしろ、最も大地に近い部位である足を使ったのかもしれないなあなんて思う。

のちに密教に傾倒し、実際に修行まで受けて出家してるところなども踏まえると仏教的観念や人間の精神性とかを突き詰めようとする姿勢からもそう考える方が自然かもと。

それらが最もミックスされたのが、この表現方法だったんだろうなあ。制作された時代ごとで少しずつ違うけども、徐々にダイナミックさの中に妖しさのようなものも感じたり、平面なのに奥行きを感じたりした。今にも動き出しそうでした。

最初はけしからんって言われてたらしいけども、そんな人たちも実物見たら黙ったらしい。それくらいエネルギッシュな何かがありました。これは実物見なきゃです。是非行って見てください!

白髪一雄展@オペラシティ 

〒163-1403 東京都新宿区西新宿3-20-2

2020年01月11日 ~ 2020年03月22日

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