就職ナビを掲載している企業の裏側〜キラキラ記事の読み解き方〜

こんにちは、いむりんです。以前、勤めていた会社では採用担当していたことがありまして、その経験からつくづく人材採用の媒体企業は広告業だなと感じました。というのも僕自身、新卒で入った会社でこうした媒体を販売する代理店にいたことがあったので、よけいに感じるところでもあります。

なんでそんなこと冒頭から言うのかということですが、こういうことを理解して、就職活動していかないと本当の意味でマッチする会社とは出会えないと思うんです。学生のみなさん、就活はやらされるものではなくて、やってやるものですよ。ということを就活生目線ではなく、人材採用を行う企業目線で考えてもらえたらと思います。

ナビの記事が出来上がるまで

まずは人材募集を行うにあたり、採用媒体(リクナビとかマイナビとか)を使用しました。まず契約すると誰かしら(営業担当がやるところもあれば、ライターがきてくれてやるところもあります)取材にこられて、どんな人が欲しいのかとか、そもそもどういう想いで事業を行っているのかとかヒアリングされて、それを記事にまとめてくれます。その記事を見て皆さんが応募してきますね。

当然ですが、こちらが同じ情報を伝えたとしても、担当者によって出来上がる記事が違います。いい記事もあれば悪い記事もあります。もちろん、最終的には掲載企業が自分たちで記事を見直し、Goサインを出さないと公開されません。しかし、応募者が集まる原稿にしないと商売続かないので、集まるような記事を書いて持ってきてくれます。だいたいは書いてもらったテイストのままでいくことになるでしょう。ただ、この「応募者が集まる原稿」というものが特に就活生にとってはくせ者なんですね。

ナビは広告、普通の話がキラキラ話に翻訳される

例えば、こんな話を募集企業が営業担当、ライターに話したとします、そこから人が集まりそうな記事を作っていきます。広告掲載に高いお金を払って人が集まらないとクレームがくるからちゃんと考えて「集まる記事」を作ります。

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まだまだ小さな会社で、本来揃っているような福利厚生や仕組みもまだない。これから整備していかないといけない。また組織的にというより個人プレーで頑張ってる会社です。もちろんやればやるだけ評価されますけど、結果でなかったらいづらくなる面もありますね。
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と、まぁこういう話をすると、例えばこんな文章に変換することが可能です。

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現在成長中の私たちの会社、まだまだ企業の規模は小さいが、その分アットホームだと思います、一方やればやるだけ評価してくれるので、今後の成長のチャンスはたくさんある会社。自分自身の成長と会社の成長がリンクするところはやりがいにつながると思います。
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最初の文章を聞いて後の文章になったとしても、実は全く嘘は言ってません。

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・小さい会社
→アットホーム
→やればポストは作れる可能性大(今はないけど)
→一人あたりの、成果が責任が大きい(自分と会社の成長がリンク)

・仕組みがまだない
→成長中(これから作る)

・結果でないといづらい
→ここはあえて触れない
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などなど表現の仕方を変えただけです。ポイントは言葉を変換すること、関連性をもたせていくことですね。

さて、いい記事悪い記事があるということを言いました。このいい記事とは何ぞや、悪い記事とは何ぞやと言うと人それぞれ、企業それぞれなのですが、商品サービスの観点から考えますと、人が呼べる記事がいい記事です。それは掲載自体が人を呼ぶ事を目的にしているからですね。ですから上記のような表現の変換を行って人が呼べる記事を造り上げていくことが媒体社には求められるわけですね。普通の話がキラキラ話に翻訳されるとはこういうことです。

新卒採用はイメージ重視、イメージの裏側を読み取る

ちなみに新卒採用でいくとそもそもほとんどが、就業体験がない方たちですから、判断基準はイメージになってしまうことがほとんどです。ですから自分もこんなキラキラしたオフィスで働きたい、こんなかっこいい異お兄さん、お姉さんと働きたい、一部上場しているから安心だ、というイメージで決めてしまうので、そんなイメージがわくような記事を書いたり写真を撮ったりすることにウェイトをおいているんです。

イメージわきますよね?リクナビ、マイナビなどの就職ナビを見てみてください、みんな笑顔の人たちで楽しそうな写真、斜め上向いて携帯電話で何やら話しているかっこいい写真、これはこれで嘘とは言いませんが、あくまでも一面です。当然この裏に100倍しんどい事が隠れています。朝晩の通勤の電車の中のサラリーマン、OLの姿見てください、死にかけていますよね?金曜の飲み屋なんかいくと、会社の愚痴だけで酒の肴いらないくらいです。

働いた事がないので、イメージ先行なのは仕方ないとしても、キラキラだけじゃなくて、その裏にあるしんどさみたいなものは覚悟しておかないといけないですよ。もしくはこのキラキラがあればどんな大変な事も我慢できるみたいな想いも最初に持っておくべきですよね。
これが企業目線での採用活動を考えたときの、就職活動の行い方です。

志望する企業の裏を取る努力、新卒入社は一生に1回

就職活動を行うみなさんが理解しておかないといけないのは、ナビはあくまで広告だということです。広告ですよ、広告。お菓子や車、何でもいいですが、テレビやその他メディアで日々流れている広告の仲間です。いい印象を持ってもらえるように、作りこんでいるというものです。で、広告はその場には基本的にメリットしか書いていません、デメリットと取られかねない情報は基本書いていないわけですね。

なので、その記事を読んで興味を持っていただくのはいいことなんですが、それを鵜呑みにするのではなく、自分自身の目でその実態を見るという行動もセットでもっておかないといけません。(近頃はいい事も悪い事も、ありのままの姿を見せて採用活動をするという企業もでてきていますが、まだまだ少数です)

少し極端な発言になりますが、今の就職活動を行うみなさんは就職活動そのものをなめている人が多いように思います。(僕もなめてました)受ける企業のことを全く調べずに会社訪問する人も多いです。そして、思っていた会社ではなかったと早期離職。やっぱりもったいないことです、新卒入社世代が一番物事を吸収できる年頃ですから。

新卒入社は一生に1回です、どんな会社に入るかどんな上司のもとで仕事をするか、これが冗談抜きで社会人人生に大きな影響を与えてきます。研究結果ででていました。そういう意味で、どんな環境でもここでなら頑張れそうという企業を見つけてもらいたいと思います。最後に、もう一度、学生のみなさん、就活はやらされるものではなくて、やってやるものですよ。

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