たまには本職?に関する内容もアップしたりしてみます。普段は人事関連の調査、コンサルティングを行っていて、主に企業の採用や教育に切り込んだ仕事をしています。
で、昨日はお仕事でご一緒させてもらうビジネスリサーチラボ主催の採用学4周年記念セミナー「採用は必要か?事業を前に進めるための採用の在り方を改めて考える」に参加してきました。
採用は企業の生命線です。会社があっても中の人がいないとビジネスできませんからね。ただ、今は新卒採用なんかは特にスキームが確率してそこから逃れられなくなっています。そのスキームに乗っかることを前提にちょこっと変更を加えたり、ツールを利用したり、外注したりということを行いつつ、効果効率の向上を目指しているのが現在の企業の採用活動の実態です。
で、からのこのセミナーです。ちなみに日本の採用は本当に感覚で行っているところがあって、アカデミックな部分はとても少なかったんですね。「一緒に働きたいやつを採用する」とかいう基準で大真面目に採用活動でやってたりします。(別に悪いことではありませんよ)
でもまあ言ってみれば感覚ですからね、ばらつきも大きくなります。多様性を求めるということであれば良いでしょうけど、「このタイプ」という人であればちょっと心配ですよね。
で、そんな現状にアカデミックな観点を取り入れ、採用を科学してみましょうよと動いているのが採用学研究所です。その運営主体がビジネスリサーチラボさんというわけですね。これは横浜国立大学の服部教授とともに行われています。
いろんな理論やエビデンスを用いて調査コンサルティングされてますが、その中で今回のテーマはしつこいようですが、「採用は必要か?事業を前に進めるための採用の在り方を改めて考える」というもの。趣旨を抜粋します。
採用に関するほとんど全てのセミナーでは、標準プロセスで採用を実施することを前提に、「如何に良い手法を選択するか」という議論を行います。他方で今回、採用学4周年記念セミナーでは、採用の実行そのものという聖域さえも真摯に検討したいと思います。(セミナーページより抜粋)
セミナーの中で繰り返し言われてましたのが、従来の採用手法にとらわれなくてもいいし、むしろ手法(HOW)よりも大切な問(WHY)を大事にしていかなければならないということです。
「なぜ採用するのか?」「良い採用とは一体何なのか?」その問によっては当然、必要なリソースは変わってくるでしょう。今のように手法ありきのHOW採用ではなく、WHY採用の観点が大切なんですね。
言うなれば「問の立て方」ですね。採用、人事の本質とは何か?これを問うということです。
例えば、「新しいチョコレートを作りたい!」という意気込みがあっても、「どうやってチョコレート売ろう?」ではイノベーションは生まれないわけで、「消費者は何のためにチョコレートを買うのか?」これを考えた時に会社員が脳に栄養を送るためという用途が確認され、グリコのギャバが生まれたわけですね。良き問がイノベーションを産んだ好例ですね。
これと同じように「なんで採用するのか?」「求職者はなにをもとめて就職活動するのか?」を考えることは面白いですね。
人員不足だから採用したい、だから人事部が人を採用する、ではなく、人員が足りないなら外部パートナーを発掘してあげるという、そんな仕事を人事部が担ってもいいのではないかと思うのです。
良い答えを求める前に良き問を設定すること、これは何にでも当てはまります。コンパスが間違ってたら、ジェット機で移動しても無駄もいいところです。
思考を止めずに考えて考えて参りましょう。なんか採用の話はあんまり触れてないというかセミナー自体もそんなテイストでしたからね、仕方ないかw
こうした本質に立ち返ることの重要性を理解して話をされる人たちと時間を過ごすことは気持ち良いものですね。