巷でよく耳にする「オリーブの丘はサイゼリヤの上位互換である」という噂。 はじめてオンラインでメニューを眺めた時、その種類の豊富さと「サイゼと同価格帯」という設定に、正直「おっ?」と思った。盛り付けもどこか華やかで、スペックだけを見れば確かに上位互換に見えてしまった。
「近くにないから行けない」なんて言っている場合じゃない。生粋のサイゼリヤ・ラバーを自称する僕としては、これは自分の目で確かめておくべき案件。ということで、実際に現地まで足を運んで「視察」してきた正直なレビューを記録しておこうと思う。

そこそこ考えてたらいつもよりも真面目になってしまった、それぞれの会社のHPまで見て考えるほどに。。。ぜひ参考にしてみてほしいですわ。
経営哲学の差:「垂直統合」のサイゼ vs 「水平展開」のオリーブ
まず美味しいおいしくないとか安い高いとかの前に、根本的なスタンスを把握しておかないと始まらないでしょうってことで、両社の経営哲学を調べてみた。すると、同じイタリアンと言っても、そのバックボーンにある哲学が全く違ったんですよ。
サイゼリヤはご存知の方も多いと思うけど、自社農場・自社工場・自社物流をすべて抱える「垂直統合」の化け物企業。「イタリアの豊かな食文化を広める」という一貫した哲学のもと、徹底した「理系的な効率化」で中間マージンを削り落としている。ブランドもサイゼリヤ一本。他社が模倣不可能な、ある種の「聖域」を作っていると言える。飲食でこの業態とるのはかなり変態と言える。
外国にも展開してるし、ほんとすごいよね。台湾サイゼリヤの記事はこちら。

一方のオリーブの丘を運営するのは、ゼンショーグループ。すき家、ココス、はま寿司などを擁する巨大チェーンだ。彼らの強みは、グループ全体の圧倒的な調達力(水平展開)を活かした「選択肢の最大化」にある。セルフオーダーや配膳ロボットをフル活用して、低価格でありながら「選ぶ楽しさ」を提供している。

「究極の効率」を求めるサイゼと、「選べるワクワク」を売るオリーブ。このアプローチの差は面白い。
ちなみに1:飲食だとびっくりドンキーもサイゼリヤに割と近い立ち位置にいる変態企業。ただ、サイゼほど巨大じゃない。
ちなみに2:飲食以外だと、ユニクロとか二トリとかの化け物企業が垂直統合スタイルに当たる。サイゼはやっぱり化け物だということですね。
アクセスの壁:「日常」か「イベント」か
視察まで時間がかかった一番の理由は、店舗数とアクセスの問題。サイゼリヤは駅前や繁華街など、徒歩で行ける「生活圏内」の至る所にあるけれど、オリーブの丘は基本的に郊外のロードサイド。
これが何を意味するか。 帰りにサクッと、またお酒を飲む人にとって「車でしか行けない」というのは致命的。誰か一人がハンドルキーパーにならないといけない。今回訪れた時も、一人客は少なくて、家族連れやコーヒー&デザートを楽しむ層が多かった印象。もちろん近所にある人は最高だけども、かなり選ばれし者感ある。
ただ、オリーブの丘店内はすごく良い。全席ボックス席で床も布張り。サイゼの「隣と近い詰め込み感」とは無縁の、ちょっとしたラグジュアリーなファミレス感が漂っている。ゆったり過ごせる贅沢さはオリーブの丘に軍配が上がるでしょうね。
席は広々、タバスコとチーズが初期装備されてた。ちなみに受付すると25番の席にどうぞという容姿が出てきて、席案内の人はいなくて、これはスムーズで良いね。

実食:おつまみの「楽園」と、メインの「限界」
ということで前置き長くなりましたが、ここからはオリーブの丘の実食レビュー。夜はお酒をメインに楽しみ、米(炭水化物)を食べない僕にとって、メニューを開いた瞬間のテンションは最高潮だった。1ページ目が前菜なのでね、飛び込んできたメニューの量と価格には正直驚いた。おつまみが300円前後で選び放題。これは楽しい。

期待を超えてきた「おつまみ群」
まずはビール。モレッティが置いてあるし、グラスもしっかり冷えた専用のものが出てくる。この「ちゃんと冷えたガラスのグラス」という当たり前のことが、お酒好きにはたまらなく嬉しい。しかしこのモレッティのグラスめちゃくちゃかわいいな。

そして前菜で頼んだのは次の6品。満を持して、断腸の思いで6品に絞り込んだ。この瞬間が一番辛かったし楽しかった。なんならこの時が一番盛り上がっていた。しかしこんな6品をテーブルに並べると、もう立派なバルだ。バル以上だよ。チェーン店でこれだけのラインナップがあるのは、賞賛に値すると思う。これが一品300円から500円とはね、さすがのゼンショーグループ。規模の経済というのを嫌でも思い知らされる。
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カプレーゼ、ムール貝のワイン蒸し、イワシのマリネ
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ブロコッリーのガーリックソテー、レバーパテ、ウフマヨのポテト焼き

ビールを飲んだら次は白ワイン。ワインもデキャンタで690円。グラスがプラスチックじゃないだけで、ワインの味は一段階上がる気がする。サイゼという異常なコスパと比較しなければ、十分すぎる満足度だ。ワインはサイゼリヤよりもすっきり癖なく飲みやすい感じ。なので日頃ワインあまり飲まない人でも結構飲みやすいのではないかな。サイゼリヤはちょっと飲める人からの方がウケがいい印象あるしね。
さて、デキャンタワインの量は公式440ml(ちなみにグラスワインは110mlらしいので四杯分)通常のワインバルとかいくとボトル750mlから「5〜6杯」取るという計算らしいから実質3杯分かな。
でもちょうど440mlというわけではなく、実際は持ってきてくれる人によって違う。最低440mlって感じかな?このあとメインの時には赤ワイン頼んだ時は結構多かった。うれしい!多めになりますようにってお祈りするのもくじ引きするみたいで面白い。

ちなみにその後、ボトルでも頼んでみた。普通に美味かった。

突きつけられた「メインの壁」
ただ、メイン系に入ると少し印象が変わる。 サイゼリヤと同じ土俵のメニューを食べ比べると、サイゼの凄さが逆説的に際立ってしまった。おつまみでテンション爆上がりだったのに、メインでちょっと尻すぼみになってしまった印象。サイゼよりも価格は高いのですが、正直味ともろもろのクオリティがそこまでって感じ。
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チーズトマトハンバーグ(590円): 盛り付けは綺麗だけど、味は正直「出来合いのレトルト感」が否めなかった。サイゼのあの「自社でやってます」という肉感には及ばない。
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イカスミパスタ(650円): 見た目はオリーブの方が黒くて本格的だけど、口に入れた時のパンチはサイゼの方が断然強い。ワインのつまみにするなら、あの濃いめの味付けが欲しいところ。

ちなみに、ハーブ香る豚のポルケッタ~ペッパー&バルサミコソース~なるものもあったので790円とちょっと高かった(この店では)けども頼んでみた。これは、チェーン店では食べれなさそうなちょっと癖の効いた味のソースに驚いた。
目の付け所とチェーン店でこんな珍しげなメニュー出してくるのは賞賛ものなのだけども、なんというか「おしいっ!」て感じだったかな。一撃のインパクトはあるけども、これ頼むなら、前菜2品頼んだ方が満足度高いだろうなって思ったのが正直なところ。

結論:インフラか、エンタメか
さて、最初のテーマ、「オリーブの丘はサイゼリヤの上位互換なのか?」まだ1回しかオリーブには行ってないけども、 僕の結論としては、「上位互換ではない」だ。サイゼが10点満点だとしたら、オリーブは7点といった感じ。またしてもサイゼの底力を感じさせられる結果となってしまった。(たまに他のチェーン店に行ってはその凄さを感じてる)
やはり生活圏内にあり、おつまみとマグナムワインで「小銭完結」させてくれるサイゼリヤの壁は高い。サイゼが日常の一部として溶け込む「インフラ」だとしたら、オリーブの丘は、郊外で少しだけ非日常を楽しむ「イベント」としてのイタリアンなんだろう。

メイン料理はそこまで感動しなかったがおつまみは大したもの!ひたすら前菜でテーブルを埋め、デキャンタを空け続ける。これがオリーブの丘の正解であり、最も堪能できる楽しみ方ではなかろうか。
もしオリーブが駅前に店舗を構えるようになったら、今のサイゼユーザーは一定数流れる気がする。それくらい「おつまみを選べる楽しさ」には力があった。
結局、家のワインが切れたら店舗に買いに走るくらい「ワイン屋さん」としてもサイゼを重宝している僕としては、どうにもサイゼから脱却することはできないわけで。それでももしサイゼが存在しない世界線だったら間違いなく通っていた店だと思う。気楽にワインを飲めるお店には頑張ってほしいので、店舗の近くに用事があったらぜひまた足を運びたい。まだ全国で60店舗ほどなので、これから増えていくことに期待。
ちなみに、最後にデザートのモンブラン食べて、お会計は8580円。まあこれだけ豪遊して、税込10000円切ってたら安いよね。ごちそうさまでした。


