竹富島の集落〜漆喰シーサーの温かみ〜

 

石垣島といえば海。大好きなんだけど、海のレジャーってお金がかかる。大学時代入っていたダイビングサークルではアルバイトで稼いだ金が右から左へ(ダイビングだけではないが)。そりゃ学問の神様も愛想を尽かして、うちにはあまり遊びにこず、だいたい吾輩は猫とか言っているあの人(当時は野口英世に変わる前だった)が何人か遊びに来てくれていた程度。財布はペラペラだったけど、なんとかなっている後ろにはおばあちゃんの存在が大きかったのは秘密だ。

マリンスポーツはやはり高いイメージがあるのだけど、実はお金払わなくても沖縄には、面白いものなんてたくさんある。特に楽しめるのは竹富島。竹富島は石垣島からフェリーで約10分。今回は全くお金を使わなかった竹富島での話。


竹富島のご案内


竹富島の海は潜るよりも眺めたり、浅瀬で遊ぶのに適していると思う

 

竹富島の塀は殆どが積み上げた石垣で、上からはずしていくと、ちゃんと分解できる。でもきちんと組まれているので、それなりに強固、それでいて低い位置で組まれているので、目線を遮られず圧迫感が少ないのがよい。地面の砂も白いので、青空にもよく映える、とても開放的な気分でいられる。

竹富島の観光は自転車を借りるのが一般的なよう。大きな島ではないが、たしかに島の全てを回ろうとすると自転車なしでは1日ではキツイ。ただ、今回は島をまわるのが目的ではない。竹富島の空気を感じて、あとは気に入った風景を写真に収められればいい。

それに過去にスペイン800kmを踏破したメンバーで来ているため、乗り物よりも徒歩の方がしっくりくる。(いや、決してお金をけちってるわけではないのだけども。)


竹富島の路地は開放感があって気持ちがいい。

 

竹富島のシーサー

石垣のある風景も素敵だが、竹富島では屋根に注目したい。だいたいどの家にもシーサーが鎮座している。そう石竹富島にはシーサーがたくさんいる。落ち着いた表情のシーサーもいれば、今にも飛びかかろうとする姿勢のシーサーもいる。


家の中に侵入するものを見張るように中央に配置されているシーサー(屋根に置く場合は福や災いがやってくる方角に向けて置くのが一般的らしい)

竹富島のシーサーは基本的に屋根の上を陣取っているが、地域によって配置が違うようで石垣島の集落のシーサーは門の上が定位置だった。石垣島でも屋根の上のシーサー派の家もあったが、石垣島へ移住してきた人たちが、石垣島で家をたてる際に生まれた地域の習わしにそって作ったからだそうだ。それだけシーサーは重要な存在だということのようだ。


よく見ると、口を大きくあけ、威嚇しているようにも見える「いらっしゃいませー!」ではないと思う。多分。

 

このあとも、シーサーのいろんな表情を見るのが楽しくて、シーサーを見つけてはカメラを向けた。


ハイビスカスの鮮やかさにシーサーがより生き生きして見える

 

 

シーサーの起源

シーサーのイメージは「守り神」「狛犬の親戚」レベルの認識だった僕は、いい機会だと思って、ググってみた。幾つかのサイトを見てみた物をまとめてみる。

そもそもシーサーは沖縄の方言で獅子が訛ったものらしいです。(なので今もシーサーではなく、シーシーって呼ばれることもあるのだとか。シーシーって可愛い。)

ウィキペディアによると、シーサーとは「沖縄県などでみられる伝説の獣の像。建物の門や屋根、村落の高台などに据え付けられる。家や人、村に災いをもたらす悪霊を追い払う魔除けの意味を持ち、屋根の上に設置されるケースが多いとされる」ということで、シーサーへの期待はやり魔除けということらしい。


たしかにかなり好戦的に見える。ちょっとした厄災レベルなら顔面見ただけで帰っていくかもしれない。

 

シーサーの起源については1689年に遡る。沖縄のある集落で、頻発する火事に人々が悩まされていた。そんなとき風水師が「八重瀬岳こそが火事の原因」として、シーサーを八重瀬岳に向けて設置するように指示したところ火事が起こらなくなったという逸話が残っており、以来、シーサーは魔除け効果を期待して設置されるようになったのだとか。


竹富島郵便局のシーサーは24時間365日休みなくお勤め中です

 

もう一つ気になったことが、シーサーと狛犬の関係性。もともとの伝わり方は別だったされるも、本来単体設置だったシーサーも日本の狛犬の様式を受けて、2体置くようになったことによるものみたい。シーサーも雄雌あるそうで、口をあけているのが雄で、閉じているのが雌。向かって右に口を開けた雄シーサー、左に口の閉じた雌シーサーを置く様式は狛犬と変わらない。


こいつは口を開けてるから雄シーサーかな。


この子は閉じてるから雌シーサーか。子供シーサーもいる。


筍とシーサー?竹の子という店の前にあったのできっと何か関係あるのだろうね


竹の子、ちなみにランチしたけども、とても美味しかった

 

漆喰シーサーの温かみ

竹富島には一風変わったシーサーもいる。赤瓦の真ん中にいる漆喰と瓦で作られたシーサーだ。この漆喰シーサー、もともとは瓦を葺いて余った材料でサービスで職人さんが作ってあげたのが始まりらしい。ギザギザしてて手作り感があって、みんな表情が違う。きっと作った職人さんのエネルギーなんかが入ってるんだろうなあと思うと、素材の違いだけではない温かみのようなものを感じる。


味があって愛らしい漆喰シーサー。


漆喰シーサーのある眺め。

 

赤瓦も年月が経つごとに味が出るが、同じようにシーサーも歳を重ねていく。良い風合いが出る。人も家もシーサーも同じように歳を重ねられる、そんな時間の流れ方はこの地にはしっくりくる。


ちょうど屋根葺きしているところも。シーサーが大人しくしていて、とても可愛いく見える。

 

沖縄の中でも竹富島は急がずのんびりと過ごすには最適な島。そして嫌でも上を向かせてくれる守り神がいる。せっかく遠い南の島にきたのだから嫌なことはシーサーに退治してもらって、いい思い出だけ持って返りたいもの。


こんな小さなシーサーも。小さな気づきに大きな幸せを。

 

あ、たまに、シーサー以外の生き物も置かれてたんだ。


かえってこいよ。という意味でもあるのかな。

あ、ちなみに石垣島にはシーサーパークなんていう巨大シーサーと多数触れ合える?公園もありますよ!シーサー好きは是非!ここに少しだけシーサーパークの情報も書いていますよ。

 

その他、八重山諸島巡り(石垣・西表・竹富)をしてきた旅行記のまとめはこちらからどうぞ!

タイトルとURLをコピーしました