■本日の工程
2016年4月22日 巡礼12日目
アタプエルカ(8;00)→ブルゴス(12:00)21,5km
昨日に続き今日も変な夢で目が覚めた。夢の中で仕事を辞めさせられるのだけど(リアルとは違う職場だったけど)、一方的に辞めさせられるわけではなく、こっちも食ってかかって大喧嘩、夢の中で大フィーバーだった。
過去にあった知っている人やテレビで見たことある人がたくさん出てきてた。今の僕からしたら「イイじゃない!辞めさせられても」という心境なので、もう一人自分の中にいるんだろうかなあとか目が覚めてからしばらく考えていた。今日は特に眠れなくて、2時間くらいおきに目が覚めた。「熟睡したいなあ、体は疲れてるはずのに。」ふう、なんか寝るのがむずかしい。。。そして寒い。
顔ぶれが変わると生活リズムもがらっと変わる
疲れがとれない上に、ダメージが大きい、今の僕の体。今日現在のところダメージが大きいのは、両足裏と、指先、左の足首に右の膝。右膝は昨日頑張りすぎたからか、新たに仲間入りしてしまった。。。
今日のアルベルゲのメンバーは起きるのがみんな早くて、僕が眠くて寝袋の中で起きようかどうか迷ってるときに早々と出かけるメンバーもいる。昨日、一昨日はすごくゆっくりだったのに、アルベルゲで泊まるメンバーが変わると行動のリズムもこんなに変わる。
昨日初めて会ったいかついけどいいおっさんのラファエロ。「生きてるだけで儲けもん!」みたいなことを言ってた
わりと賑やかな若者系はもう一つの綺麗な方のアルベルゲに泊まっている人が多かった。こちら側はまあまあ年上の人達が多い印象。新しい顔ぶれになると、受ける印象も随分変わる。
おかげで今日はきれいな朝焼けを見ることができた。
雲と雲に挟まれる不思議な世界で自分の小ささを感じる
スペイン巡礼路は道自体が世界遺産だけれど、そのなかでもThe世界遺産みたいな建物があって、それがブルゴスの大聖堂(カテドラル)。ブルゴスは非常に大きな街で旧市街の中に大聖堂はそびえている。
世界遺産目当てに巡礼者以外も観光に訪れるらしい。ちゃんとした世界遺産を見るのはこの巡礼の旅が始まって初めて(地面の世界遺産は毎日みてるけど)なので、ブルゴスは今から楽しみ!
昨日頑張ったおかげで今日は20kmの工程。みんなでゆっくり朝食をとり余裕をぶっこいて8時過ぎにブルゴスに向けて出発。
途中山を一つ越えるときに、とっても美しい景色に包まれた。そこそこの坂道にゴツゴツした石、お馴染みの動物の糞。決して歩きやすい道ではないのだけども、朝露に輝く雑草に、青空を漂ううろこ雲、かわいらしいぼんぼりをつけた木樹。雲と雲に挟まれる不思議な世界。
疲れていても、寒くても、鼻水を垂れていたってシャッターをきることは忘れない。うーん、最っ高の気分。とかやってるとみんなに置いてかれるんよね。写真を撮りながら歩くので基本的に一番後ろが僕の定位置になっていた。
大きな十字架の下でみんながポーズして待ってくれてるのでカシャ
目の前に遮るものがない景色。スペインでの生活で慣れてきつつはあるのだけど、東京にいたらこんなことなんてまずない。吹き抜ける風を感じつつ、大地の雄大さにただただ圧倒される。
1つの山を登り切り眼下に現れる無限に広がる世界を見ると、自分という存在の小ささ、ちっぽけさを感じる。小さい自分の中にある悩みなんて、もっと小さいわけで「なーんだ、ちっさ」となるのである。
目の前いっぱいに広がる雄大な景色。僕たちは小さな存在なのである。
ブルゴスが遠い・・・地獄の国道一直線
20kmという距離なので、はっきり言ってナメて歩いていたのだけど、山や草原のエリアを抜けると、ひたすら続く国道をずーっとまっすぐ歩かされた。大きな街に入る前はこういう道が多いらしい。大きな街にはその分車の乗り入れも多くなる。
この工業用の道路が実に辛い。(ほんと巡礼路ではない、断じて!)いくらこの国道がフラットな道だとしても、坂道たっぷりの山道の方が随分と楽に感じる。一向に変わらない景色、人工的な硬いアスファルト、空気もおいしくないときている。やっぱりここは歩く道ではなくて車用の道なんだなあと思う。「カムバック!巡礼路!」
硬いコンクリの道をひたすら10数km、靴の中が燃えている。太陽の照り返しでアスファルトが熱い、足の裏が悲鳴を上げている。
「ここまでのスペイン巡礼において今が一番しんどい!!!」今何処歩いているのかもわからないので、あとどれくらい歩かされるのかもわからない。「1日目も2日目も山道を泣きそうになりながら歩いたけど、ここは嫌だーーー!!」世界遺産までの道のりはこんなにも険しいものなのか・・・
そんな中で唯一良かったことは、久しぶりに6人で歩いて、お互い持ってるおやつをわけあったり、しゃべりながら歩けたこと。おかげで随分と気持ちは楽になった。仲間の良さを知ってしまった今、これ一人で歩くのは拷問だったわ。地獄の中に仏を見つけた時はこんな感じなんだろうか。あ、仏ちごてキリストか、いやむしろヤコブか、ここは。
意識が朦朧としながらも、ブルゴスの街に入ったことを表す看板が目に入る。「ようやく着いたよ〜ブルゴスぅ。。。」でも、大きな街は街に入ってからもアルベルゲまでが遠かったりする。ただただこの重いザックをおろしたい。あまりの辛さに写真を撮っておらず。。。まあ撮るものもなかったか。
暑さと疲れから糖分を欲しがる我々。絶対体に良くない色のアイスが美味い。
ついに来た!世界遺産ブルゴス大聖堂!
徐々に体に疲れが溜まっていってるのがわかる。顔は真っ黒になっている。でも道はまだ3分の1を過ぎたところ。今日でデイビッドはスピードを上げて歩いて行くとのこと。もしかしたら6人でいるのは最後かもしれない。みんな一緒に歩いているけど、それぞれ自分の時間がある。
スペイン巡礼路最初の世界遺産であるブルゴス大聖堂はそれはそれは大したもので、本当に迫力のある大聖堂。教会に様々な彫刻が施してあるというよりも彫刻が集まって教会を象っているようなそんな印象を受けるほどに、それぞれの彫刻が存在感を放っていた。
さすがは世界遺産。。。残念ながら時間がなくて大聖堂の中を見学することはできず、無料開放スペースを見るだけに留まったけどその魅力は十分伝わってきた。
これまでの教会とは全くスケールが違う!大迫力のブルゴス大聖堂。さすが世界遺産!
建物もすごいけど1つずつの彫刻が緻密。これが世界遺産の底力。
さらにブルゴス大聖堂について詳しくしりたければこちらへ
大聖堂からの帰り道、ジャックがデイジーにさりげなくスペイン巡礼のシンボル(貝がら)をつけたブレスレットをプレゼントに買っていた。そういえばデイジーがジャックも似たようなブレスレットをつけていたのを前から可愛いと言っていた。これをちゃんと覚えてて彼はプレゼントに買ってかえったみたい。どこまでもさりげないジェントルマンである。
ブルゴスの夜はやっぱりバー!毎日を楽しみ尽くす
そんなブルゴスでの夜はなぜかケバブを食った。スペインで?ブルゴスで?ケバブ?とナメてかかったものの、日本で食べるケバブとは大違い。
めちゃくちゃボリューミーで美味しく、しかも安いときてる。満タンのケバブツイスター(ドラム)とポテトフライ、ドリンクが付いて6,5ユーロ。なんだスペイン名物のなのか?これも世界遺産なのか?
原宿で食べるケバブはあれはケバブじゃなかったみたい、と言うか日本のケバブはケバブではなかったみたい。最後は買ったワイン(やっぱりCRIANZAでも年によってできが違う。どうやら2012年ものがいいみたいだけど、今回は2011年 泣)を飲んで、バルに行ってビールで締めて寝ることにする。
明日からは少しペースを上げて距離を稼ぐ。(まあ稼ぐというものではないのだけど、フィ二ステーラに行くための工数をどこかで作らないといけないからね。)いつの間にか小指の先が全部水ぶくれになっている。そりゃ歩くの痛いわけだよ。明日から少しずつみんなのペースが変わるかもしれない。でもそれでもいいのだと思う。それがTake your time。
さて、腹一杯でまた寝るとするか。しかし以外にスペインのケバブうまかったな。も一回食いたい。寝よう。おやすみブルゴス。
※この記事はその日書いたものをベースに、後日加筆修正を加えたものです。
【スペイン巡礼780km|自分探し旅行記まとめ】
2016年4月11日〜5月10に敢行したスペイン巡礼780kmにわたる自分探し・世界遺産・三大聖地を巡る旅として30日間ひとりぼっちで旅に出てきました。ここではその旅のまとめ、僕自身の備忘録として、スペイン巡礼に関するあれこれ(準備、持ち物、費用、ルート、日数、言語等々)をまとめています。