アイスランドは物価が高い。これはアイスランド好きの間では常識で、覚悟して行ったつもりだった。それでも実際に現地でメニューを開いたとき、価格を見て思わず目を疑う場面が何度かあった。ビール1杯で2,000円から、ランチのメインが3,000〜5,000円、ディナーともなれば軽く1万円を超えてくる。アイスランドで食を堪能しようとすると、財布の中身がみるみる減っていく。正直価格だけで見れば3倍くらいする印象。
しかし同時に、アイスランドの食は本物だった。ラム肉の質の高さ、魚介類の鮮度、そしてビールのうまさは、値段を超えてくる体験だった。ほんとに美味しい。これはここでしか食べられない。外食したところ全てあたりだった。日本のビストロ的な料理の部類に入ると思うけども、いわゆる高級店の味(コスパ系ビストロなどではなく)だし、量も日本で出てくる1.5-2倍くらいある。なので価格だけ見れば高いけども、高いとは言っても実はそこまで高くないのではないか?という印象もある。

あとビールもかなり美味い。ビールについては後述するとして、奮発したディナーも、スーパーで材料を買って自炊した夜も総じて食に関しては大満足の旅だった。それぞれに忘れられない記憶として残っている。
この記事では、5日間の食の記録を振り返りながら、アイスランドの郷土料理・フードホール文化・ビールの歴史まで記しておく。食と文化は切り離せないし、旅に食も欠かせない。物価は高くても100%堪能してきた方法を紹介する。
アイスランドの郷土料理:大地と海の恵み
まず、アイスランドの食文化の全体像を整理しておく。アイスランドの食の基本は、「羊・魚・乳製品」だ。農業に適さない火山性の土地に、長い冬。そういう環境の中で生き抜いてきた人々の食卓は、必然的に周囲にあるものから作られたようだ。
ラム肉(Lamb)
アイスランドのラム肉は世界最高水準と言われる。羊は春から秋にかけて、広大な高地を自由に歩き回り、様々な野草や苔を食べて育つ。その結果、臭みがなく、赤身が深く、脂の甘みがある独特の肉質が生まれる。屠畜後は伝統的な方法で熟成され、「ハンギキョート(Hangikjöt)」と呼ばれる燻製ラムはクリスマスや正月の定番料理らしい。スーパーでも塊ラム肉が売ってたので買ってオーブンで焼いて食べた。
「スカイルキョート」というラムのスープも郷土料理の定番で、根菜と一緒にじっくり煮込んだ滋味深い一品だ。厳しい冬を乗り越えるために何百年も作られ続けてきた料理で、今もアイスランドの家庭の食卓に並んでいる。とにかくラムは国民食と言っても差し支えない、ほんとにどの店でもラム料理は置いていた。観光地のゴールデンサークルのゲイシール近辺のフードコートで食べたスープは意外にもあっさりで食べやすいけどしっかりコクがあってビールが進むスープだった。

魚介類
海に囲まれたアイスランドで、魚は最も重要なタンパク源だった。タラ(cod)は歴史的に国家経済を支えた魚で、塩漬けや干物にして長期保存し、ヨーロッパ各地に輸出した。20世紀には「タラ戦争」と呼ばれる漁業水域をめぐるイギリスとの紛争が3度起きるほど、タラはアイスランドにとって死活問題だった。
現在もタラはアイスランド料理の主役のひとつで、フィッシュアンドチップス的なシンプルな調理から、ガーリックバターで焼いたリッチなプレートまで、様々なかたちで提供される。これが抜群に美味かった。タラはもちろん美味しかったし、ヒラメも最高だった。調理の仕方も非常に繊細な味付けにしていて、日本では食べたことのない味付けで、めちゃくちゃ新鮮だった。
魚介系はフィッシュスープも有名で、これは場所やお店で作り方がちょっと違うらしい。別記事でも紹介したけども食べたものはちょっとスパイシーなスープにサワークリーム?みたいなのが入ってて、具材も魚やエビなんかのシーフードがたくさん入っていた。とにかく美味しかった、こちらも濃厚でビールがよくあった。

ちなみに日本で食べるマグロにはアイスランド産もかなり多いということも知っておいた方がいいかもしれない。(アイスランドから帰ってきた日、食べに行った寿司屋のトロがアイスランド産だった)
スキール(Skyr)
アイスランドが世界に誇る乳製品が「スキール」だ。見た目はヨーグルトに近いが、チーズの一種に分類されているらしい。製法も歴史も異なる。高タンパク・低脂肪で、アイスランド人は古くから日常的に食べてきた。
現代ではスキールブームが広まってい、日本でもスーパーで買うことができる。そのスキールの本場が、アイスランド。本場ならではのクリーミーな濃度と酸味があり、スーパーでブルーベリーと一緒に買って毎朝食べていたし、自炊する際のソースにも使ったりした、爽やかなサワー系のソースができてラムだけでなく魚にもマッチした。

ホットドッグ(Pylsur)
アイスランドのソウルフードとしてもはや世界的に有名になったのが、アイスランド式ホットドッグ「ピルサ(Pylsur)」だ。ラム肉・豚肉・牛肉の合い挽きで作られたソーセージに、独特のソースをかけて食べるスタイルはアイスランドにしかない。
宇宙一うまいと言われるホットドッグ屋さんもある、確かに美味かった。きっと宇宙一だろう。

ハカール(Hákarl)
アイスランドの伝統食の中で最も「挑戦的」なのがハカールだ。ニシオンデンザメを発酵させた食品で、数ヶ月間地中に埋めてアンモニアを抜いてから乾燥させる。独特の強烈なアンモニア臭があるらしい。結論から言うと食べてません。
観光客向けに試食できる場所もあるが、「世界一まずい食べ物」リストに入ることもある一品で、情報だけは知っていたけども、今回は出会わなかった、探さなかった。グループみんなで食べている動画を見たけども、罰ゲームみたいにみんな一斉に食べていたので、相当癖があるんだろうね。これを日常的に食べてきた人々がいる、想像するだけで背筋が伸びる。
ちなみにこのニシオンデンザメ、行きた化石と言われる地球で最古の脊椎動物と言われている。ちなみに500年生きる個体もいるらしい。顔面も怖いのでぜひググってみて欲しい。味だけではなくいろいろと癖のある魚だということだけでも知っておくと飲み会のネタになるかもしれない。
アイスランドのビールとその波乱の歴史
これが実は一番びっくりしたかも?!アイスランドのビールがかなり美味しかったんですよね。これは今回の旅で予想外に大きな発見だった。でもでも、こんなにビール文化定着してるのにビールの歴史は実は浅いらしい。このビールの旨さで、どうして歴史が浅いのか?どういう背景を持っているのかが気になって調べてみると、なかなか興味深い歴史があることがわかってきた。ちょっと長くなるけど「なるほど」ってなるので時間があれば読んでもらいたい。
禁酒法の時代
アイスランドは1915年に国民投票によって禁酒法を施行した国だ。当時のヨーロッパでは禁酒運動が盛んで、アイスランドも例外ではなかったらしい。禁酒法は1989年まで実に74年間続いた。ただし、この禁酒法には最初から歪みがあった。
スペインがアイスランドのタラを輸入する代わりに「スペインワインを受け入れること」を条件にしたため、ワインだけは1921年に解禁された。続いて蒸留酒も医療目的という名目で徐々に流通が認められ、1935年には強い蒸留酒(スピリッツ)が合法化された。割とガバガバな禁酒法ではあるのだけども、奇妙な矛盾もある。ウイスキーやウォッカといった強いお酒は飲めるのに、ビールだけが違法のままだったのだ。

理由はいくつかあるが、ビールが「日常的に飲まれる労働者の酒」として道徳的に問題視されていたこと、これがなるほどとなったのだけど、デンマーク統治時代への反発からデンマーク文化の象徴とされていたビールを排除したかったらしい。つまり当時、ビールは「デンマーク人が好んで飲む飲み物」という強いイメージがあって、アイスランド人が独立を勝ち取ろうとしていた時期、「デンマーク的なライフスタイル(=ビールを飲むこと)」を排除することが、愛国心の象徴のように捉えられたという。統治されてきた歴史の軋轢が、まさかビールの扱いにまで影響していたのだそう。よっぽど当時のデンマークの統治の仕方が問題あったのだろうかね。
という、こうした状態が半世紀以上続き、アイスランド人はビールを飲みたければ強いスピリッツで代用するか、国外に出るしかなかった。禁酒法時代の「抜け穴」として、医師に処方箋を書いてもらって薬用アルコールを手に入れる人が後を絶たなかったという話も残っているらしい。
ビール解禁:1989年3月1日
という紆余曲折があり、ビールが合法化されたのは1989年3月1日のこと。アイスランドではこの日を「ビールの日(Bjórdagurinn)」と呼び、今も毎年狂喜乱舞して祝われているのだとか。解禁当日、レイキャビクのバーには長蛇の列ができ、国民がビールを求めて殺到したという。74年ぶりに合法で飲めるビールの味は、格別だったに違いない。ほんとについ最近といっていい出来事ですね。
解禁からわずか数十年で、アイスランドのクラフトビール文化は急速に発展した。Borg Brewery、Segull 67、Einstök Beerといったブルワリーが国際的な評価を得るようになり、国産クラフトビールのラインナップはいまや多彩だ。実際、お店でもけっこうたくさん種類あったし缶ビールなんかも多彩なラインアップだった。74年間の「禁」を経て花開いたビール文化には、他の国とは少し違う熱量が間違いなくあった。実際フードホールでもビール飲んでる人結構多かった。

GULLと国民的ビール
アイスランドで最もポピュラーなビールのひとつが「GULL(グル)」だ。アイスランド語で「金」を意味するこのラガーは、1989年のビール解禁以前から密かに飲まれていたという伝説もある、アイスランドを代表するブランドだ。飛行機に乗る前に空港の免税店でまとめ買いした缶ビールがこのGULLで、旅の間中お世話になった。軽くてクリアな飲み口で、料理を選ばない。

アイスランドのビールは全体的に高い。バーやレストランでジョッキ1杯頼むと、2,000円は覚悟が必要だ。これはアルコール全般の税率が非常に高いことと、輸入コストが加算されるためで、現地で飲むお酒はどれもとにかく高い。ワイン1杯が3,000円を超えることも普通にある。
だからこそ、帰国前に空港の免税店でまとめ買いしておいたのは大正解だった。ちなみにこれはアイスランド旅行の基本らしい。アイスランド旅行のコツを調べた時一番最初に出てきた。GULLの缶ビール(500mlが12本)、赤ワイン(1.5リットル)、白ワイン(1.5リットル)、ウイスキー(1リットル)など合計約20,000円分を購入して宿に持ち込み、自炊の夜のお供にした。同じお金をレストランで使っていたら、ビール数杯で終わっていたことを考えると、この作戦の正しさは明白だ。

アイスランドのフードホール文化
今回の旅で活躍してくれたのが、フードホールの存在。5日間で3つのフードホールを訪れたのだけど、そこで感じたアイスランドのフードホール文化のユニークな点を挙げておこうと思う。
まずフードホールは、日本で言うフードコートをめちゃくちゃオシャレにした感じ。一つの屋根の下に、10件くらいのお店が入っており、一気にいろんな食事が楽しめるのが特徴。食の多様性と、地元食材へのこだわりを感じられる場所。地元の人も観光客も同じ空間で食べていて、敷居が低いのもうれしい。レストランに比べて価格がやや抑えられるため、アイスランドの食費を節約しながら質を楽しむ場所としても機能している。
今回訪れたフードホール、Pósthús Food Hall、Grandi Mathöll、Hlemmur Mathöll、どれも旧来の建物を改装しているという共通点がある。郵便局・倉庫・バスターミナル——かつて別の機能を持っていた空間に、食と人が集まる場所が生まれた。アイスランドの厳しい気候では、屋内で様々な料理を選びながら食べられるフードホールは、合理的な選択でもある。アイスランドに旅行に行ったらフードホールは間違いなくは外せない。
実際に滞在した5日間の食事紹介
ここでようやく実際に食べた食事を紹介したい。お店のURLも紹介してるので、アイスランドに行く際にはぜひ参考にしてもらいたい。個人的には3日目夜にHlemmur Mathöllで食べた鱈のプレートがいちばんのヒットだったけども、食べたお店は全て当たりだったので自信を持って紹介しましょう(半分自炊だけども)。
1日目昼:Pósthús Food Hallで2店はしご
レイキャビク到着日、チェックインを終えて最初に向かったのが「Pósthús Food Hall(ポストヒュース・フードホール)」だ。旧郵便局の建物を改装した市内中心部のフードホールで、複数の飲食店が軒を連ねる。2階で、中が見えなかったことにちょっと緊張したけども、中に入ってみると、天井が高く、煉瓦調の内装が落ち着いた雰囲気なのに、いろんなお店が入っていて気軽な感じ。かしこまったレストランではなく、ちょっとカジュアルな感じがいい。ひとまず飛行機の長旅の疲れをほぐしながらゆっくりビールを飲むことにした。

最初に選んだのが「Funky Bhangra」というお店のラムバーガー(約5000円)と、野菜が食べたかったので「SUPER BURRITO」でお米入りのブリトーボウル(約4000円)も注文した。ビールは一杯だいたい2000円。
まずはアイスランドのラム肉を使ったバーガーで、肉の香りと旨味が最初の一口からはっきりわかった。臭みがまったくない。パティがしっかりと厚く、しかもパクチーを練り込んでる?ちょっとアジアンなテイストになってるのだけど、これがまたソースとのバランスも良くて、すごくいい。ラムとパクチーってあうんだ!!曲者同士と思うかもしれないけども、アイスランドのラムは全く癖がなくて、非常に食べやすい。なんなら牛よりも癖ないかもしれない。空腹も手伝ってあっという間に食べ終えた。長時間のフライトを終えた体に、肉の重さとうまさが沁みる。

アイスランドでメキシカンというのも意外だが、米・豆・野菜・肉がぎっしり詰まったボウルはボリューム満点で、旅の最初の食事として申し分なかった。そしてアイスランド初めての食事だったけど、一発目で気づいたけども、量が多い。価格はまあ高いけども、クオリティも高いし量も多い。高くて嫌だなあと言うよりも、なるほどおって思ったのが第一印象。しかしようやくアイスランドで最初のビールを飲んだ。旅のはじまりの一杯は、いつだっておいしい。

フードホールという業態は、食べたいものが違う同行者がいても同時に食事できる点で便利だが、一人旅の人でも気軽にさくっと本格的な料理が食べられるので嬉しいですね。2店舗はしごは量的には結構日本人には辛いだろうな。
1日目夜:スーパーボーナスで買ったソーセージとスープで自炊
この日はやっぱり初日ってことで移動疲れ。これからも自炊もするつもりなので、初日に色々買っておいた方がいいかなと言うこともあって。
宿の近くにある「ボーナス(Bónus)」というスーパーマーケットで、ラム肉とじゃがいもを購入。ボーナスはアイスランド最大のディスカウントスーパーで、ピンク色の豚のロゴが目印。外食に比べると食材の価格は抑えられるため、旅行者の強い味方だ。

お昼のハンバーガーがまだ残っていたので、軽めでいいかということでソーセージとサラダ。豆のスープを作ってこの日はホテルで晩酌。明日に備えて胃を休ませる。サラダの隣のパンはアイスランドでも有名なライ麦パン「ルグブロイス」。地熱を利用して温泉の熱で24時間かけて蒸し焼きにするので、しっとり濃厚で甘みがある、ほとんどケーキ。バターを塗って食べるのが定番ということで実践した。明日に備えて胃を休ませるつもりが結局かなり食べてしまった。
2日目夜:スーパーボーナスで買ったラム肉を自炊
ゴールデンサークルツアーから帰った2日目の夜は、外食ではなく自炊にした。(ちなみにゴールデンサークルでは先ほど紹介したラムのスープを飲んでみた。)例のスーパーボーナスで、ラム肉とじゃがいもを購入。
宿の共用キッチンを借りて、ラム肉をグリルにかけた。300gで2,500円の肉、まあまあな金額だけども外食でこれ食べること考えると、べらぼうに安い。この肉はそのままで十分うまいと思うがこちらで割とメジャーらしいソース(ベルネーズソース)とセットで買ってみた。

ちなみにベルネーズソースは卵黄とバター、酢を乳化させた濃厚なクリーム状のソース。まったりし旨みのある味わい。酸味とコクのバランスが絶妙で、一度ハマると「何にでもかけたくなる」と言われるほど、アイスランド人のソウルフード化しているらしい。
一緒に焼いたじゃがいもが、これが驚くほど甘かった。ほくほくした食感と、噛むたびに広がる甘みは、日本のじゃがいもとは明らかに違う。アイスランドの火山性土壌と冷涼な気候が育てたじゃがいもは、糖度が高いのだという。

この夜のお供に飲んだのが、空港の免税店で買ってきていたGULL。グリルで焼いたラム肉とじゃがいもに、キンキンに冷えたGULL。完全に外食のクオリティだった。むしろ、自分でグリルしてこの味が出るなら、食材さえ良ければ料理は難しくないのだと実感した。オーブンが家にも欲しい。

3日目昼:Grandi Mathöllでビールだけ
3日目はホテルで昼食をとり、ゆっくり目にホテルを出た。お土産を買うついでに街歩きしていたらみぞれみたいなものが降ってきた。寒さと足を休めるために立ち寄ったのが「Grandi Mathöll(グランジ・マトル)」。レイキャビクの港エリア「グランジ」地区にあるフードホールで、倉庫を改装したラフな空間に複数の飲食店とバーが入っている。

すで昼食はに済ませていたので、ビールだけ飲んだ、寒いけど喉は乾く。国産クラフトビールをグラスで一杯、フードホールをぐるっと眺めながらゆっくりと飲む。歩き疲れた午後の休憩に、ビール一杯という贅沢。値段は一杯やっぱり2000円ちょっと。まあでも、飲まない選択肢はない。お腹空いてたらなんかつまみたかったけども、夜ご飯の楽しみもあるから我慢我慢。

グランジ地区はレイキャビクの中でも比較的新しいエリアで、かつては漁業の作業場や倉庫が並んでいた場所が、おしゃれな飲食店やギャラリーに転換されつつある。古い港町の雰囲気と新しい文化の香りが混在していて、散歩するだけでも面白い。
3日目夜:Hlemmur Mathöllで鱈のプレートとフィッシュスープ
3日目のディナーは「Hlemmur Mathöll(フレッムル・マトル)」へ。ここはバスターミナルを改装したフードホールで、レイキャビクのフードホール文化を語る上で外せない場所のひとつだ。高い天井と広い空間に、個性的な店舗が並ぶ。夕方以降は地元の人も多く訪れ、今回行った中では最も光も入って雰囲気も良くて、活気があるフードホールだと言える。

入って気になったのが「KRÖST(クロスト)」というビストロ系の店だ。看板メニューでろう白身魚のプレート鱈のグリル、それにフィッシュスープを注文した。
フィッシュスープが特に素晴らしかった。ちょっとインドっぽいスパイスが入ったスープでレモンのような酸味もある、えびや白身魚がごろごろと入っていて、魚介の旨味が凝縮されている。味付けはシンプルな味付けだけどもアジアンな感じの風味は新鮮で、体にじんわり染み渡る。外は凍えるような気温で(この日はほぼ-2度くらい)、あのスープの温かさとほんのりスパイシーな味付けは完璧なタイミングだった。約3,700円なり。

鱈のプレートは、皮目がパリッとしていて、身はしっとり。ブールブランソースということ、しつこくないのにコクがある。これは今回食べた中でいちばん感動した。白ワインが捗る!付け合わせはセロリのピューレに、足の長いブロッコリー、全て完璧な調和だった、どちらもシンプルな調理だが、素材の良さがそのまま料理の質になっていた。約4,800円なり。この食事を2人でビール3杯と白ワイン1杯で流し込んだ。
お酒の値段はビールもワインもざっと2,300円くらい。毎度のことながら高い、4杯飲んだらだけで10,000円かよ、、、しかし食事の満足度が高すぎて、この料理を水でいただくとかいう選択肢はあり得ない。受け入れろ。二人で約20,000円となりました。

4日目昼:宇宙一のホットドッグを昼食前のおやつに
アイスランドのグルメを語るとき、絶対に外せないのがホットドッグだ。そしてアイスランドのホットドッグを語るとき、外せない店がある。レイキャビク市内に構える老舗スタンド「Bæjarins Beztu Pylsur(バイヤリンス・ベスタ・ピルスル)」で、その名はアイスランド語で「街で一番のソーセージ」を意味する。地元では長年愛され、クリントン元大統領やジェームズ・メタリカのメンバーなど著名人も訪れたことで有名だ。

ソーセージはラム肉・豚肉・牛肉の合い挽きで、アイスランド産の原料を使っている。ケーシング(腸衣)にしっかり旨味が詰まっていて、焼けた表面が軽く弾ける食感がある。トッピングは「エイナ メツ ヴィッルイ(eina með öllu)」——つまり「全部のせ」が基本で、ケチャップ・マスタード・レムラーデ(マヨネーズ系のソース)・生玉ねぎ・フライドオニオンが一気に乗る。
価格は約1,100円。アイスランドの物価を考えれば非常にリーズナブル(普通に考えれば高すぎるけど。1,000円超えるホットドッグなぞ食ったことがない)で、しかもこの日寒かったんですね、余計に体に染みる。寒すぎる体に1,100円のホットドッグがあれほど沁みるとは思わなかった。これが「宇宙一」と言われる理由なのか。それとも1,000円の重みか。最後までわからなかった。フライドオニオンがめちゃくちゃいい味わいと食感を出していたことだけはわかった。

この日はホテル周辺の美術館をぐるぐるする日、ちょうど午前中いた美術館から午後の美術館の間にホテルがあったので、おやつの後は、ホテルに帰ってサンドイッチを作って食べた。帰るまでに食材をなくならさないといけない。初日に買いすぎたのもあるが、ちょっと休憩がてらホテルによるのも良かったのでいいランチの時間になった。そして普通に店レベルでうまかった。クッキングペーパーで包むとお店の見栄えになるサンドイッチが愛らしい。

4日目夜:ボーナスでサーモンを買って自炊
4日目の夜も自炊にした。この日も我らがスーパーボーナスでサーモン(400gで2,000円)の切り身とじゃがいもとトマトを購入。2,000円はもはや安い。2日目のラムと同じように、共用キッチンのグリルで焼いた。もはや芋が食いたかった。あの芋の味わいが忘れられない。

サーモンとじゃがいもとトマトを一緒にやいてサーモンオイルをじゃがいもに染み込ませる。ソースは昨日の「ベルネーズソース」にチーズのようなヨーグルト「スキール」を混ぜて即席サワークリームを作ってみた。付け合わせに野菜を皿に持って、卵焼いて終了。

サーモンは身の厚みがあり、脂がのっていたので、あっさり目のソースがよく合う。舌の上でほどけていく感じがたまんない。アイスランドの冷たい海で育ったサーモンの質の高さは、スーパーで売っている切り身レベルでも実感できるほど。
そして2日目と同じく、やはりじゃがいもが甘かった。グリルで少し焦げ目がつくほど焼いたじゃがいもを、バターをつけて食べると、それだけで十分な料理になった。アイスランドのじゃがいもは、単体で成立する野菜だ。

この夜も免税店で買ったGULLと白ワイン。2日連続の自炊だったが、まったく不満はなかった。むしろ、素材が良ければ手をかけなくていいという事実を、アイスランドの食材が教えてくれた気がした。
5日目夜:Skál!で最高のディナー
旅の最終日、帰国便の前の最後の夕食は「Skál!(スコール)」にした。スナイフェルスネスから帰ってきて疲れていたが、最後の夜だからと奮発することにした。(お昼は先ほど紹介したスパイシーサワークリームのフィッシュスープを食べました)

Skál!はレイキャビクの中でも評判の高いレストランで、北欧料理をベースにアイスランドの食材を活かしたメニューが並ぶ。内装はシンプルで洗練されていて、カジュアルすぎず堅苦しくもない、ちょうどいいトーン。地元の人も観光客も混在していて、賑やかだが落ち着ける空間だった。
前菜に頼んだホタテが、まず素晴らしかった。厚みのあるホタテ(ラディッシュクリームとディルのオイルソース)がきた。火は入っておらずおしゃれカルパッチョ的な感じ。添えられたソースとの相性が良いが、まず面構えが見たことない。おしゃれすぎる。2つで5,100円なり。ひとくち2,500円。明日帰るし良いでしょう。

前菜の後はメインは2品頼んだ。高級ラム肉のグリルと、高級食材の白身魚オヒョウのグリルだ(7,700円なり。)オヒョウ名前は聞いてたが初めて食べたな。やっぱり結構でかいのよね、オヒョウ。このグリルはソースがものすごい濃厚。なんのソースだと思ったらムール貝でソースを作ってるらしい。丁寧な仕事が感じられた。というかめちゃくちゃ濃い。こんなもの白ワインがないと食べられない(褒め言葉)。

ラム肉はこの旅で何度も食べたが、Skál!のそれは別格だった、まさにプライム肉。火入れの精度、肉の香り、付け合わせの野菜との構成、どれもレストランとしての技術が加わっていて、これには感動した。最初海苔で巻いてるのか?と思ったけども、ガーリックのソースのようなものを香ばしく焼きあげてるのだとか。これがまたうまい。そして次元の違う柔らかさ。歯がいらないんじゃないかというくらいの柔らかさ。肉の甘みだけが口に残る。こんなもの赤ワインがないと食べられない(褒め言葉)。

二人でビール2杯、ワインを4杯飲んだが、とくにワインはナチュールにこだわっているらしく、1杯3,000円を優に超えた。ひえー。食事全体の金額は2人分でだいたい37,500円。3品しか頼んでないけども結構量が多くて満足感はあるので、全く後悔していない。むしろ、これだけの食事を最後の夜に食べられたことで、旅の締めくくりとして完璧だったと言える。明日帰るし良いでしょう。

5日間の食費の振り返り
最後に、食費の全体像を整理しておく。
外食での食事はフードホールでの食事が1回3,000〜4,000円、ディナーが一軒で5,000〜10,000円程度。お酒を加えると簡単に跳ね上がる。ホットドッグは1,100円。
初日にスーパーで買ったものはこれ、ここにラム肉やサーモン、パンや飲み物を追加で買ったものを合わせて自炊はスーパーでの食材購入で合計ざっと25,000円夕食だけでなくランチにも持って行ったりしたので、結構いい買い物だったと思う。ここで力貯めて、外食ディナーで爆発させたって感じ。

食費を抑える最大の作戦は、空港免税店でのまとめ買いだった。出発前に約20,000円分のGULL・白ワイン・ウイスキーを購入して宿に持ち込んだことで、自炊の夜のお酒代をゼロにできた。現地のバーで同じ量を飲んでいたら、それだけで50,000〜60,000万円になっていた計算だ。アイスランドに行くなら、まずは行きの免税店でお酒を確保することを強く勧める。

食に関して言えば、アイスランドは確かに高い。でも素材の質が違う。量も違う。ラム肉に魚、つでにじゃがいも、どれも本物の味がある。スーパーで買った食材で自炊してもレストランクオリティになるのは、素材の力だ。アパートメントホテルで自炊もして楽しみんあがら過ごしてほしい。それがアイスランドを100%楽しむコツではないでしょうか(初めてきたけど)。節約しながらも楽しめて満足もできた。アイスランドは景色もいいけども、食も最高だ。一生忘れない旅の食体験だった。

