熊野古道巡礼(紀伊路)5日目:山口王子(紀伊駅)ー菩提房王子(海南駅)
歩行距離:26.8km(和歌山県街道マップ参考)
本日の王子:山口王子、川辺王子、中村王子、吐前王子、川端王子、和佐王子、平緒王子、奈久智王子、松坂王子、松代王子、菩堤房王子
和歌山の匂いがする地域に入る
和歌山の紀伊路からは各王子に巣添付が設置されている。スタンプラリー的な仕様になっていて、どこから歩いてきたのかがわかるという仕組みっぽい。てことで昨日から和歌山にはいったわけだけどもお約束通りに押印帳を忘れたので、昨日の最後に行った山口王子に戻って、きちんと押印してからのスタート。
少し時間は押すけども、せっかく押印帳持ってきてるのだからね、一番最初のページから空白は寂しいすぎる。ということで、昨日の帰り道をまた逆に進んで山口王子を目指す。しかしさすが和歌山、田んぼとか畑とかが多くなったな。地元のおいやんの流暢な和歌山弁が聞こえてくる(おいやんは和歌山弁でおっちゃんの意味)。
ということで、この山口王子付近から、すっかり和歌山の景色(のどか)になりまして、なんか大阪歩いていた頃の心持ちとは全然違う、やっぱり安心感ある〜。田舎の匂いと和歌山弁がすごい、和歌山に来たことをめちゃくちゃ実感する笑
こんなのあるんだというジビエの無人販売機ど冷えもんだって。まじか初めてみたよ、ちょっと気になるし、猪肉は普通にたべたいのだけど、1日持って歩くん大変なんでまた今度ですな、腐ってもやだし。今日の終わりに見つけてたら買いたかったけどなあ。
しかしネイティブな和歌山弁は一度はぜひ聞いてほしい。関西弁とはまた違うんですよね、ちゃんと訛っている(熊野古道とは関係ないけど、和歌山弁を学ぶ教材としては以前放送されていたサマータイムレンダというアニメはわりと良いと思う)。
なんか独特なイモっぽさあるなあと思う、洗練された方言ではなく中途半端な感じとか笑
農道と思ってもその道が熊野古道
今日は熊野古道の地図があるし、割と道もわかりやすいので、比較的スムーズに進める気がしている。大阪の道よりも歩きやすいことは確か。地図ってすごい!和歌山バンザイ!
完全なる畑道を歩いて進むんだけど、そこが熊野古道って書いてあるんですよね。ほんまなんかなれ?絶対違うと思ったら、地面にも熊野古道の印があるし、やっぱほんまなんか。ただの農道だと思ってたよ。そしてそんな道もGoogleマップはカバーしていて、Googleさんにはあらためて頭が下がる思いですよ。今回の旅Googleさんいなかったら実現できてなかったかもしれない。10倍くらいしんどかったことは保証できる。
そしてリアルおばあちゃんの家からかなり近くなってきてる。小さい頃はよく遊びに行ってたけど、その辺りにちゃっかり熊野古道が通っていたとはね。興味ないとまったく情報って入ってきませんのね、といういい例。
でもま、世界遺産に認定されたのも20年前ですからね、おばあちゃんちによく遊びに行っていた頃は30年くらい前の小学生の頃。まだ整備されてなかったんでしょうかね。いやそもそも小学生くらいの自分が興味を持つはずもなく、、、やはり知らなかっただけか。
和歌山紀伊路は道はわかりやすいが、相変わらず怖い
日が当たるところはあったかいけど、やはり風があると寒いね。体温調節というか汗のかき振りのコントロールが難しいです。汗をかくと日陰に入ったり、風が強くなると結構冷えるので。
急がずゆっくり一定に進んでいくことを心がける。何事も平常心が大切ですね。王子の説明板が統一されて、きちんとしている印象。説明板の裏側を見ると宝くじのおかげで王子は整備されているらしいことがわかりました。
徐々に熊野古道と書いてる案内(提灯だったり、道路標識風だったり)が目立つようになってきたので、道はわかりやすくなった。大阪にいる時よりも和歌山管轄になってからわかりやすくなった気がする。やっぱり世界遺産効果ですかね。この調子でいってほしい。頼むぜ和歌山!
さて、今日も県道の土手沿い歩くんだけれども、これがまた怖いんですよ。土手側はガードレールもなくて白線の内側歩道の方がめちゃくちゃ幅が狭くて、なのに車ぶっ飛ばしてくるっていう歩行者泣かせの道。車が通った後の風圧がすごい。
昨日の峠道も危なかったけども、土手ってのがまた怖いんですよね、これは普通に危ない。この辺の人たちは特に気にることもなく飛ばしてくるので、土手の方を歩いてると風圧で転がり落ちそうになる。勘弁してほしい。ドライバー諸君、熊野古道とか巡礼者とか関係なく歩行者に優しくしておくれっ!
昨日も同じことを思ったけども熊野古道を観光として推していくのであれば、あの危なさはどうかと思うよ。もうちょっとどうにかならんもんかね。初めてきた人びっくりするよ。というか初めての人ばかりなんだからもっと優しさを持って迎え入れてあげて。(まあ自分以外歩いてる人いないんですけどもね)。やっぱり紀伊路は人気ないのだねーみんなだいたい中辺路しか歩かんよね、こんなにのんびり歩く時間もないだろうし。
田舎仕様の吐前王子が結構好き
川辺の橋から見える紀ノ川の水は綺麗で、泳いでいる魚もよく見える。結構魚いるんですね、やっぱり川の水が綺麗な地域は気持ちいい。天気もいいしで今日はお散歩日和、先刻のあの土手を除いてですがね。今日はもう安心できる道を期待。
「吐前王子」なんて読むんだろうと思ってたら、「はんざき」王子と読むらしい。田んぼの用水路のセメントの上に立ってて近づけない。そうくるかってなった。潔ぎよいなあ、これまでで一番好きな王子かもしれない。しかしすんごいところに設置したもんだ。お次の川端王子はとても真っ当に祀られている感じ。この差はすごいな。
熊野古道は基本的に南に向かって歩いていきます。そして冬場の太陽は真上じゃなく斜め前にある感じ、つまりダイレクトに顔に陽が当たる。常に太陽が当たる方向を向いて歩くことになるってわけです。冬ですよね、めっちゃ焼けるんですけども。
和佐王子は広場とか休憩スペースがあったのでしばし、足を休める、当然誰もいない。
王子より古い看板に惹かれてしまう
田舎を歩いていると古い町並みが面白い。そんなことを思っていると奈久智王子跡を発見。説明だけポツンとあった、写真を撮ってみたがしっかりブレていた。
というのも王子の説明書きの隣に貼ってるハイアースのポスターのパンチ力がやばかった。渋いなあ。写真撮るのはこういうのがいい。田舎歩きはこういうのが面白い。昔の街並みには今では見かけないものがたまにあるからね、こういうちょっとした発見が楽しみになる。ハイアースの方の写真はぴったりピントあっていた。
その後、和歌山市のお隣の海南市に入りましたけども、海南市一発目の王子がめっちゃ古臭い感じの木造の王子の説明看板でした。ほんとに管轄違うと王子の整備の仕方とか全然雰囲気違うなと思った。宝くじで作られていた和歌山市の看板は結構新しげって感じだったけども、これいつからあるんだよってくらい古い。
今日は比較的スムーズに歩くことができたと思う。この旅路で最も実家に近くて昔からの馴染みがある道だった。懐かしさのなかに新しい発見(ハイアースのような)もあって、やっぱり改めて歩くのも悪くないもんだなと思った。
この辺りはほんと実家から近くって、日頃車ではいっぱい通っていたのに目に止まらないんですよね。ゆっくりと歩くことの大切さありますよ。ということで今日はここまで、今日はかなりよく歩いた!また明日頑張りましょう。このあとのビールがうまいことでしょう。
【熊野古道(紀伊路・中辺路)2週間280kmの歩き旅】
2023年12月4日から約2週間、熊野古道を280km歩いて旅をしました。ここではその旅のまとめ、僕自身の備忘録として、熊野古道巡礼(熊野詣)に関する事前知識や宿泊情報、費用、日々の記録などをまとめています。熊野古道のリアルな情報にご興味ありましたらぜひご覧ください。