【紀伊路日記】熊野古道巡礼ブログ1日目:熊野詣のスタートは八軒家浜から!道がさっぱりわからない

熊野古道巡礼(紀伊路)1日目:八軒家浜船着場(天満橋駅)ー津守王子(住吉大社駅)

歩行距離:10-15km(公式地図がないためおよその距離)※直線距離で約10kmだけども、熊野古道(熊野街道)がわからずに探していたり、王子が点在していたりだったので10km以上歩いていると思います。

本日の王子:坂口王子、群戸王子、上野王子、阿倍野王子、(津守王子) 

※窪津王子はスルーしてしまって行っていない(1発目なのにショック)

40歳の誕生日に熊野古道を歩く

この日2023年12月4日にめでたく?40歳を迎えました。少し前から40歳の誕生日ちょうどから熊野に歩きいくぞ!という強い気持ちがあって、ついにその日を迎えたわけです。(以前スペインの巡礼路を歩いた際に、海外でお遍路っぽいことやってるのに、自分の地元の近くにある道を歩いてないのってどうなの?と思ってたこともありまして、あと両方の道を歩くと特別な表彰?みたいことをしてくれるみたい)

熊野古道は紀伊半島の熊野エリアだけ注目されてますけども、もともとは平安時代に上皇や天皇が京都から熊野詣でに使った道です。ということはスタート地点は、当時の都である京都から熊野古道は繋がっているということになります。具体的には、京都からは川を下って、大阪の八軒家浜で船を降りて、そこから歩いて熊野を目指したそうです。なので陸路でいえば、熊野古道の出発地点は大阪となるということになりますね。そこから熊野の入り口である現在の紀伊田辺までの道を「紀伊路」と呼んだみたいです。ちなみに昔は熊野街道と呼ばれていたみたいですね。特に大阪の地図を見ると熊野古道よりも熊野街道の記載の方が多い印象でした。

さて、この熊野詣(熊野三体社を目指して歩くこと)を実際に「歩いちゃろうかな(和歌山弁)」と決めた2ヶ月ほど前は、結構やる気でワクワクって感じやったんですが、何かいざその日(自分の誕生日)が近づくにつれて、テンションが逆に下がっていくんですよね。準備も全然やる気にならんし、これほんまに歩くんかな?くらいの事態に陥っておりました。「熊野古道を歩く」という響きはやっぱりいいし、実際に歩いたって言ってみたいのだけども、具体的にその工程のことを考えると、やはりこうスペインほどの新鮮味がなくて、、、というのはとくに前半はよく知ってる場所、つまり地元だし、国内だし、何かあってもどうにかなる(実家もある)わけだしと。。。なんやったら正直、面倒くさいかもっていう気持ちまであった。熊野古道様、三山の神様方、本当にすいません。

地元浅草寺でお参りして出発

地元浅草寺でお参りして出発

しかしまあその日を迎えたからには、現地へ向かわなきゃ。新幹線のチケット買ってるし。昨日誕生日祝いをしてもらったこともあって、若干の二日酔い仕様で、東京から新大阪へ新幹線で移動します。地元の浅草寺にご挨拶をしてから東京駅へ。

紀伊路の前半(大阪)はわかりづらい

新大阪に到着後は地下鉄御堂筋線で淀屋橋まで移動(二日酔いの酒がお腹まで来てしまったのか猛烈な腹痛に襲われて、まずはトイレを探すところからこの旅は始まりました、大阪の淀屋橋はオフィス街ですが、そんなところを平日の昼間からでっかいバックパックを背負った人がキョロキョロしてるのでずいぶん浮いてたように思います)淀屋橋から出発地点の八軒家浜の船着場がある天満橋駅は、京阪電車に乗り換えると2駅で着きますが、また電車に乗るのも面倒だったので歩くことにしました。

2駅ということは淀屋橋から15分ほどの距離、これから何時間も何日も歩くんやから15分くらい誤差の範囲、今日もは天気もよかったし(トイレも行けたし)、やっぱり1日目ってことで足取り軽く歩いて行きます。いく前は面倒くさいって思っていた気持ちもいざ現地についてみると、やっぱり晴れやかでワクワクした感じになりますね、人間って現金なものですな、人間っていうか自分個人のことですね。

八軒家浜船着場

八軒家浜船着場

紀伊路の前半は大阪を歩くのですけども道がわかりづらいんですよね。公式の地図とかもないので(熊野古道っていっても和歌山、三重、大阪と管轄が違うのでないんですよね、いっそ世界遺産なんやから国とかがどうにかしてくれへんもんなのかしらと思いましたわ、個人でもやっぱり紀伊路を歩いていくというのはかなりマイノリティで、これっていうまとまっているサイトは見つけられなかった)、Googleマップでそれらしいところ(具体的には点在している王子)を見つけて歩くというスタイルですすめていきます。

八軒家浜の船着場は、案内看板みたいなものが近くにあって、わりとすんなりと見つかりました。ひとまずスタートの記念に、石碑に写真をとります。スタート地点にくるとうおーってなりそうですけども、熊野古道を大阪から歩こうとする人はかなり珍しい(よく歩く方の人でも紀伊田辺からスタート、なんなら熊野大社の1つ手前の王子からスタートが一番多いと思う)、いまから熊野古道歩きますっていう格好の人は僕をのぞいて誰もいなくて、このスタート地点の八軒家浜の船着場はお弁当食べてるサラリーマンとか若い子達が戯れてたりっていう憩いの場になっていました。

八軒家浜の船着場はすんなりとみつかったのですけども、そこから先はどういうルートで歩いていけば良いのか、全くわからない。熊野古道公式推奨ルートみたいなものが存在しないんですよね(ちなみにスペイン巡礼では地面に黄色矢印が書いてくれていたのでとってもわかりやすかったので、期待しすぎていたという面もあります)。まじでどう行くべきか、いいかわからなかったし、聞いたところで誰もわかんないだろうし、和歌山目指すのだからとりあえず南に向かうかーというノリで、船着場からすぐの信号を南方面にわたって歩き出すことにした。

道標となる石碑がおいてある、これを目印に進む(このあたりの道標はでかい)

道標となる石碑がおいてある、これを目印に進む(このあたりの道標はでかい)

小さい道標もある

小さい道標もある

すると、信号を渡り終えたところに、「熊野街道」というでっかい案内板みたい石板を偶然見つけられた!マジ助かったわーっていう心の声。これ偶然発見できなかったら、全く関係ない道を和歌山まで歩いていたかもしれないことを考えると、運って大事よねと。(しかしこの時点で最初の王子をすっ飛ばしてしまっていたので、運はあまり持っていなかったとも言えるのだけど)

なんとなくこの石板の方向の道が熊野街道(熊野古道)というのはわかったけども、この道がどこまで熊野街道なのか?とかまではわかんない。結局グーグルマップを頼りに歩く、拡大してみてみるとグーグルマップには、通りの道が書いてあるのだけども、たまに「熊野街道」って書かれている筋があったりする。

結局、グーグルマップを見ても突然途切れていたりしていて、どのルートを通れば良いのかわからないこともあって、わかる部分だけ歩いて、あとは近くの王子を目指して歩くことにした。多分土地の区画整理とかで、熊野街道も途切れてしまっていたのかもしれない。わかる範囲で歩いて王子を目指す。

熊野古道は「王子」をめぐる旅でもある

さて基本的に熊野古道を歩くにあたっては、「王子」と呼ばれる神社の親戚のような場所(当時の現地の住民が在地の神を祀っていた場所、熊野詣での無事を祈る儀礼的な場所として使われた)を巡る旅でもあるようです。昔はそんなことはなかったろうけども、今では和歌山県からは、押印帳も用意されているようで、現在の熊野詣はスタンプラリー的な楽しみ方もできる。実際に目的地である本宮大社にスタンプを押した押印帳を見せるとちゃんと歩きましたねということで景品をもらえたりする。

坂口王子

坂口王子

ということで、和歌山に入ればある程度情報は得られるのだけども、大阪はほんとにわかりづらい。ということでこちらのページを参考に大阪の王子を回った。コアな解説も入っているので、わざわざ紀伊路から歩こうという物好きな方は良いかもしれない笑

群戸王子

群戸王子

今あげた参考ページを見つけたのは歩き始めてから少し経った頃で、本来1発目となる窪津王子は先に述べた通り、すでにぶっ飛ばしていた頃だった、無念。でもまあすぎてしまったものは仕方ないし、歩いて戻るとかなりロスが出てしまう(荷物も重たい)ということで2つ目の坂口王子を目指して歩く。

坂口王子は公園の中に設置されていた。王子は神社というイメージをしていたので、そういう王子もあるのだなってことで、早速1つ発見があった。次に群戸王子、上野王子、阿倍野王子、津守王子の順に回ることにした、一本道ではなく、結構転々としている印象を受けた。もしかするとこれも区画整理とかの影響もあってか、場所を移しているとかは理由にありそうだ。ちなみに上野王子は行ってみるも、それらしいものが見当たらずだった。

上野王子

上野王子 現在は、大江神社に合祀されている

繰り返しになるけども、王子は本当に転々としていた。熊野街道も一本道でつながっているわけではない。随分あっちいきこっちいきしてしまって、おかげで1日目は思うように進まなかった。というか完全に王子探しの旅になってしまって、ずっとGoogleマップと睨めっこの日になった。

今日の疲れというよりも、こんなのがこれからずっと続くとなると、結構大変だぞっていう不安も芽生えてきた。熊野古道なんで歩くのか?という理由で特に明確なものは持っていなかったけども、(自分探しっていうほどのものでもない。)それでもGoogleマップと睨めっこするために来たわけではないんだから、もうちょっとこう心に何か感じる旅にしたいもんだ。

ちなみにGoogleマップで熊野街道という道を歩いていると、たまに道の端っこに熊野街道という石碑が見られるようになったので少し安心。

阿倍野王子

阿倍野王子

しかし当然といえば当然なのだけども、イメージしていた熊野古道は山奥の道を歩くというものだったけど、大阪のど真ん中から始まっている、買い物帰りのチャリンコのおばさん、サラリーマンのおじさん、車もぶんぶん走っている。風情も何にもないのですよね、しかも商店街の中とかも歩いたりするから想像していたものとは大きく違う1日になった。

 

熊野古道は巡礼者に優しくないのかもしれない

しかしこの1日目に感じたことで、一番印象に残っていることは実際にほんと熊野古道の道がわからないということ。Googleマップに随分助けられたけども、スマホのない時代はほんと巡礼するのむずかしかったでしょうよね。(まあ道も今ほど難しくなかったのかもだけども)

同じ世界遺産の道のスペインの巡礼路も歩きましたが、あそこはほんと巡礼者に優しかったなとしみじみ思いました。あの矢印みたいなの欲しいすぎる。日本も世界遺産にするくらいなんだからもっと見習ってほしい。(ただ熊野古道も世界遺産に認められているルートとそうでないところもあり、ちょっと複雑なんだけども)

天王寺駅のすぐ近くを通っていく

天王寺駅のすぐ近くを通っていく

そして、今回僕も随分荷物減らしてきたつもりなのですけどもやっぱり10キロこえてしまっていました。前に進んでると確信できている時はそうでもないのだけども、道がわからずに彷徨う時っていうのは荷物が必要以上に重く感じてと疲労感がすごいんですよね。

大阪市内の巡礼については、まずは宿泊先の宿に、先に荷物をおいてから歩くということを選択しても良いと思う。むしろおすすめです。

冬はすぐ暗くなるので早めに歩いた方がいいですね。

冬はすぐ暗くなるので早めに歩いた方がいいですね。

この日は最終的に津守王子のある住吉大社まで歩いてみたのだけども、到着した時間がすでに17時をすぎていたので、中には入れず(閉門時間は17時)。。。もう日も暮れてきたしということで、本日はここまでで終了することにして、諦めて飲みにいくことにしました笑

王子は神社の中に設置されているものもあったり、そもそも合祀されているものもあるので、特に大きな神社の場合は開門している時間を把握して進むことをお勧めまします。

さて、熊野古道を歩いているからと言って、質素倹約というわけでもなく、歩いた分のカロリーは夜に取り戻すという楽しみもありますから飲みの時間は大切。せっかく珍しいことしているので、珍しい人たちと絡もうということで、この辺りに住む社会人で新卒同期入社した友人に10年ぶりに声をかけていた。人生とは心の旅みたいな表現するようなことを聞いたことあるけど、本当に10年心の旅してきたのかなっていうくらい変わらない雰囲気で飲むことができた。

楽しい時間はすぐに終わり、1日目大変だったけど終わりよければすべてよい時間でしたね。そしてその友人に熊野古道巡礼するよって言っていたらプレゼントに熊よけの鈴もらった、そういえば買ってなかったなと思ってマジでありがたかった笑(実際に熊野の山でクマと遭遇したり襲われている報告もあるのだとか、怖すぎる)ということで今日はここまでで終了。明日朝からもう一度ここ(津守王子)から始めます。

 


【熊野古道(紀伊路・中辺路)2週間280kmの歩き旅】
2023年12月4日から約2週間、熊野古道を280km歩いて旅をしました。ここではその旅のまとめ、僕自身の備忘録として、熊野古道巡礼(熊野詣)に関する事前知識や宿泊情報、費用、日々の記録などをまとめています。熊野古道のリアルな情報にご興味ありましたらぜひご覧ください。

熊野古道(紀伊路・中辺路)のネオ巡礼280kmの旅まとめ
こんにちは、いむりんです。 2023年12月4日に40歳の誕生日を迎えました。その日から2週間、熊野古道を歩くことに決めまして、紀伊路(大阪の天満橋から和歌山の紀伊田辺まで)、中辺路(紀伊田辺から熊野三山まで)約280kmの距離を歩いてきました。 熊野古道といえば、世界遺産になっている中辺路は有名ですが、紀伊路はあまり歩いている人は多くないようです。でもどうせやるなら初めからと思って、紀伊路から歩き始めることにしました。(ちなみに紀伊路は熊野古道の認定はされてません)

 

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