熊野古道巡礼(中辺路)13日目:猪鼻王子(発心門王子バス停)ー熊野本宮大社(請川バス停)
歩行距離:11.2km(和歌山県街道マップ参考)
本日の王子:猪鼻王子、発心門王子、水呑王子、伏拝王子、祓殿王子、熊野本宮大社
雪の降る朝、本宮大社に向けて出発!
さて、昨日はほんとにこの旅始まってから1番の事件がありましたけども気を取り直してうやっていきましょうということで!今日はついに待ちに待った熊野本宮大社に到着しちゃう日ですよ!
だがしかし今朝は急に何?っていうくらいに寒い。天気は悪くなさそうなんですけどね、昨日20度くらいあったのに、今1度しかない!寒い。なんだったらバスを待っているときに雪も降ってきた。さすがにいつものいつものシャツとマウンテンジャケットの2枚じゃ無理、フリースを中にもう一枚着た。天気悪いやん。
でも朝の雪タイムが過ぎれば天気は快晴。本宮大社に行くのには最高に良い天候なんじゃないですかね。やっぱりね、せっかくはるばる大阪から(もうすぐ2週間にもなる)歩いてきてるのに「ついたぞーーーー!」っていう時はね、やっぱり晴れていてほしいですからね、ありがとうお空。
昨日の夜の教訓もありますのでね!(本当に夜の山怖い!)今日は早めに出発。ちんたら歩くんじゃなくて、歩けるところはさっさと歩くように心がけてずいずいと進んでいきます。昨日離脱したあたりの最寄りのバス停(発心門王子前)までバスで向かいます。何人かお宿近辺からバスで一緒に向かっていたのだけども、僕だけ逆戻りでまずは昨日行きれなかった猪鼻王子、そして発心門王子を巡ってから本宮大社を目指す。逆戻りなのでね、行った道をもう1回戻ってこなきゃならんのが辛い。降れば降るほどに、「あとでこれ登るのかー」みたいにやなこと考えてしまう笑
発心門王子からのコースは歩きやすくて観光客にも人気
発心門王子からの今日の道のりはかなり歩きやすかった。発心門王子から熊野本宮大社に向かうこのコースは、短い期間で熊野古道の風味を味わえる良いコースだと思う。人気あるのがわかる。だいたい半日で着くので、旅行に挟むのも良いかもしれないですな。民家の生活感もありつつ、ちょっと観光客を意識してなのか、今までにはなかったようななんか木彫りの人形小屋みたいなのとかクセ強めスポットとかいろいろあった。
ほんとに今日は昨日の教訓と、もうすぐ本宮大社という高揚感もあってか、だいぶ早足で歩いていたみたい。早速一緒にバスに乗っていた何組かを早速抜かしてしまった。(自分はいったん逆走していたので、ずいぶん離れていたはずなんだけどね、よっぽど早かったんでしょうね)
やっぱりゴールに近づくと歩いている人が増えてくる。半分以上が外国人っだったなーなかなか日本人で熊野古道歩きたいって人いないですよね、知らない人もまだまだいるらしいし。ちなみに熊野は昔から黄泉の国とも言われていたらしい。蘇りの地として、昔の人の人気を集めたのだとか。それででかい蘇り推しの石碑が置かれてたのかな。急にすごい推してくる。
この辺りはずいぶんと標高も下がってきている(多分300mくらい)はずなのだけどもまだまだ景色は山の上にいるような感覚。目に優しい風景が広がってる。ほんと今日は天候に恵まれてよかったよ。空気も清々しいしとっても気持ちがいい。
ラスト手前の王子は伏拝王子。「ふしおがみ」って名前がすごいね。もうすぐ本殿やし、謙虚に頭を低くしておきなさいよって感じなのかな。目の前に広がるは果無山脈。名前がすごいなー果てのない山脈。確かにずっっと山が広がってるもんね、野獣の宝庫でもあるらしい。
小辺路と中辺路の合流箇所まできましたよ、ほんとに合流地点って本宮大社手前なんですねえ、でもこういうスポットに来ると結構歩いてきたんだなっていう気持ちがふつふつと湧き上がってくる。寄り道せずに(そもそも寄り道とかないんだけどね)さらにぐんぐん歩いていくと、いつの間にかもう本宮大社前のラストの王子まで来てしまっていたじゃあないですか!予想していたよりも随分早いペース。ちょっと急ぎすぎたかな。
ほんとしかし、ここまで長い間歩いてきましたけども、ここまでの道と比較すると気を遣って整備してますよっていう感じがするんですよね、まあ多くの人はここしか歩いていないんだろうし、そんなこと気が付かないと思うけども。
ついに到着!熊野本宮大社!!2つの「道」を歩いて祝福される
鳥居が見えてきた。おつかれさまでしたの文字!どうやら着いたらしい、熊野本宮大社。しかし思いのほか、早く着きすぎてしまったよ。やっぱり早く歩きすぎたーもうちょっと寝れたなーとか思ったりもするけども、まあお昼ご飯も余裕持って食べれるし良いことにしておきましょう。今日はまだ全然体も元気!
その前に、まずはきちんとお参りをして、到着したことを神様にご報告ですよ。人はやっぱり多いですなーすごいき本宮大社ってなかなか来づらいと思うけども、やっぱりみなさん来られるんですねーちゃんと人多くて驚き。八咫ポストなる真っ黒いポストも追いてあった。珍しいですね。本殿は写真撮影がNGだったので心の中に留めておきますわ。
その後、近くにある世界遺産センターに行きまして、スペイン巡礼を行ってきたことを報告します。熊野古道の巡礼とスペイン巡礼を行った人については、「道の世界遺産」を両方歩いたとして、「DUAL PILGRIM」として証明書、ポストカード、風呂敷、ピンバッジがもらえます。そしてスペインとの共同で運営している?特設サイトに掲載されるんですよね。
この特設サイトに載っている人は圧倒的に外国人が多いですね、こういう山とか道とかを歩く人って外国人には多いうえに、なかなか日本人にとってはスペイン巡礼やりづらいですからね。そんなにながくお仕事お休みするのも難しいですからね、ほんと学生さんおすすめですよ!
最後にセレモニー的に特別に太鼓を叩かせてもらいました。太鼓の音で巡礼を終えたことを熊野の神仏にお知らせするのだとか。
日本一の大鳥居の高さが思ったよりも規格外
ということで、本宮大社のすぐ近くにあった宮ずしさんでお疲れ会を開催(明日も歩くんですけけどね、まあひとまずのね、何回でもお祝いはすればいいんですから!)。お祝いといえば、お寿司と天ぷらってことで相場が決まってます(とくに僕のなかで)。最高の組み合わせでこれまでの労を労います。
明日からは熊野速玉大社、熊野那智大社!ってことでともう少し旅は続きますから最低あと2回はお祝いできるわけですね笑 しかしビールが疲れた体に染み渡りますわな。あと今日は昼からビールってことで、やっぱりどこにいても昼のみ最高ですわ。
しかし優柔不断すぎて、何を頼むかめっちゃ迷った。迷った末、ランチメニューではなく通常メニューで天ぷら盛り合わせとちょっといいお寿司一人前を頼んでみました。やっぱりお寿司は正義ですなあ。歩いてよかった。辿り着いてよかったよ、こんなうまい寿司が食えるのだもの。山の真ん中でも寿司が食えるのはまじありがたい。
食べ終わったら、日本一でっかいという大斎原の巨大な鳥居を見に行くのだが、曲がり角曲がったら急に出てくるんだから!これがまた予想以上に大鳥居!!この鳥居の発注が来た時、当時の大工さんどんな風に思ったんでしょうねえ「え、ほんまに作るんですか?」って全員思ったと思うもん。それくらいデカすぎる。鳥居ってこの距離からそんな存在感出してるもんでしたけ?みたいにまじびびった。しっかしこの青空に映えるのよねー。
熊野本宮大社に着いたってことで、今日は気が抜けてしまったんでしょうね、満足して完全にやる気なくなってしまった(お寿司とアルコールのせいではないと思う、多分)。
ということで、明日那智大社を目指すための小雲取越入口のまで進んで本日は終了。さすがに今日はこの峠を歩き出すと帰れなくなってしまうのでね。小雲取越入口からは今止まっている湯ノ峰温泉もバスですぐ。バスを待つ時間に町のコンビニで夜に飲むためのお酒を購入。この辺は自分のことながらほんとに抜かりないなと思う。夜もパーティしないとなんだからね。
振り返ってみると、ここまでほぼ2週間歩いてきましたけども、この旅は歩く距離よりも高低差にだいぶやられていた感じでしたね。スペインでは景色を楽しむ余裕あったけども、熊野古道はあまりそういう余裕なかったように思うなあ。毎日ぜーはー言ってたし、ちゃんと観光とか景色を楽しむというよりも苦行っていう当時の、そしてリアルな雰囲気味わえたように思う笑
まだ締めるには早いけど、ここまでの感想はそんな感じ。それに熊野古道といえば中辺路が一番注目されるけど、やっぱり中辺路に辿り着く前の方が長かったからね(まだ中辺路歩いて4日くらいだものね)、紀伊路の印象が色濃く残ってる印象。
ひとまずまだまだ残りの工程もあるのでね、残るは速玉大社と那智大社!全て場所も雰囲気も違うので楽しみですよ、あと本宮大社と違って比較的街中や海に近かったりするのでね、お祝いの部も楽しみ、ということで明日からも続けて巡ってきます。
【熊野古道(紀伊路・中辺路)2週間280kmの歩き旅】
2023年12月4日から約2週間、熊野古道を280km歩いて旅をしました。ここではその旅のまとめ、僕自身の備忘録として、熊野古道巡礼(熊野詣)に関する事前知識や宿泊情報、費用、日々の記録などをまとめています。熊野古道のリアルな情報にご興味ありましたらぜひご覧ください。