熊野古道巡礼(紀伊路)8日目:善童子王子(紀伊内原駅)ー切目王子(切目駅)
歩行距離:30km(和歌山県街道マップ参考)
本日の王子:善童子王子、愛徳山王子、海士王子、焼芝(岩内)王子、塩屋王子、上野王子、津井王子、斑鳩王子、切目王子
和歌山県最古のお寺「道成寺」
地図の高低差を見る限り今日ははわりと平坦な道のりっぽい。山に入ることもなくなり、標高差はあまりなかったので、いわゆる坂道レベルってことで、昨日とかよりもずいぶんと気分は軽い。(やっぱり峠とかあると、「うへー今日は山登るんかよー」ってなる)
ちなみに今日は紀伊内原駅をスタートして、メインで歩くのは、御坊市。僕の母校(和歌山高専)がある街でもある。実は御坊市は麻雀牌の日本シェア1位らしい。高校時代麻雀はやっていたのはそのせいだったのかもしれない(多分違う)どうでもいいけど、他校の高専にいったやつに話を聞いたことがあるがそやつも高専時代に麻雀を覚えたということだった。高専ってみな麻雀するのが代々受けつがれてるのかしら?誰か知っていたら教えて欲しい。
ということで調子良く王子を見つけていく。愛徳山王子はかなり広い広場があって、沖縄の御嶽のような場所なのか?とも思ったけども入っても良さそうだし、なんなのだろうかなこのスペース。神聖さがすぎるのだが・・・
愛徳山王子から次なる王子を目指すのに、これって民家の敷地?とか思ってしまったのだけども、地図に書いてるから大丈夫なのかな。偉いところを通っていく。
御坊市には道成寺という有名なお寺があるので、王子はないのだけども寄り道する(押印帳にも記載がある)。道成寺は701年に建てられたらしい、和歌山で最古のお寺。能や歌舞伎で有名な「安珍清姫伝説」の舞台でも有名ですかね。お寺はとても立派で国宝の仏像なども保管されていてるので、熊野古道関係なくともぜひとも一度訪れてみてください。
ちなみに「安珍清姫伝説」は宿を探していた僧の安珍に清姫が恋の炎を燃やしすぎて、怖くなった安珍が逃げたら恋の炎どころか安珍を炎に包んで焼き殺す(正確には鐘の中に逃げ込んだので外から炙り殺す)というサイコなお話ですね。
この道成寺で写真を撮っていると、急にカメラの調子が悪くなり、SDカードを購入しないといけないことになってしまった(先程の説明が適当すぎて呪われたのでしょうか)。熊野古道から少し外れて、家電量販店に寄ってSDカード買う。不要な時間、不要な出費。まあお世話になった地域に貢献したと思うとするか。
山の景色から海の景色へ
これまで山や畑の中を歩いてくることが多かったのだけど、ようやく海が見えるようになってきた。この巡礼で初めての海沿いを歩く。山の上から遠目に海が見えることはあったけど、海を横目に見ながら歩くのはなかったので新鮮。かなり気持ちいい。気持ちいーのだけどもちょっと雲がかかってきたのが残念。
かなり母校に近づいてきている。この辺りは本当によく車で通っていた、もちろん歩くのは初めて。まさかこの道が熊野古道だったとはねえ。
そして当時は車で素通りしていただけで、いずれいきたいなと思っていたお店はし長(当時は見るだけで行ったことがなかった)にランチで入ってみる。やっぱり新鮮なお魚は嬉しい。ランチで食べるヒラメの刺身定食、最高すぎる。うまい。やっぱり魚美味しい。日本人に生まれてよかった。欲を言えばビールが欲しいところ。なかったのでねーまあランチだし白米で我慢。
母校の前が熊野古道だったという事実に驚き
御坊市には(といっても学校の寮なのでかなり狭い社会だったのだけども)5年住んだので国道沿いはよく車で通っていた。さっきも言ったけども、いつも通っていた道がまさか熊野古道だったとはね、ゆっくり歩いたことはなかったけど、意外に近いところにあったのだなと。
そして、その道は母校の和歌山高専まで続いていたんですよね、まさかの学校の前の道も実は熊野古道だったという。その存在を知らないうちから熊野古道に触れていたらしい。これにはまじでびっくり!母校さすがに中には入らなかったけども外から少しだけ眺めてみた。あんまりかわってなさそうだった。
高専の前で現役の学生さんらしき人たち(私服で金髪の優しそうな若者、間違いなく高専のやつ笑)とすれ違う。彼らから挨拶してくれた、いい子たちだった、さすがMy母校。当時よく行っていた学校の裏門近くにある商店の「みやしん」もまだ営業してて懐かしくなった。嬉しかった。これからも高専生の味方であって欲しい。
その「みやしん」から少し歩いたところに王子があった。へーこんなに近くに王子あったんやってなった。こちらも車では通っていたので当時は完全に気付かず素通りしていたんやなー。当時から王子はひっそりと僕のこと待ってくれていたのかもしれん。とか思ったりしたけどもそんなことはないでしょうかね。
その後はほとんどを国道沿いを歩きつつ印南町に入る。急に熊野古道の看板がなくなったのは、ほぼ一本道だからということが大きいのかな。と思って歩いてるとこれまでみたことないサイズの看板が出てきた。
この辺りになると当時の友人家(実家)も近くなってくるので、何度も言って申し訳ないんですけdけども、当時はほんとよく通っていた道ばかり。ひとつ歩くたびひとつ懐かしさも込み上げてくる。そして意外と近くに王子があったんだなあと。まあ当時は熊野古道の存在も知らなかったので、当然と言えば当然なのだけども、なんか無視していたみたいですみませんという気持ちになった。
懐かしさを噛み締めていたらもう空も薄暗くなってきていて、割と良い時間になっているんですよね。ま、暗くなっても、ここなら国道なので安心だけども。ただこの辺りは港もあって海沿いで風も強い。天候も微妙に崩れかけてきているので、寒くなる前に急ぎ足で最後2つの王子を目指す。
本日最後の切目王子は五体王子に認定されてる格式高い王子らしい。国指定の文化財になったそうでのぼりも立っていた。
今日の工程はかなり懐かしさを覚えた道でしたわ。一方で当時知らなかったお店の味とか、実は熊野古道だった道とか新しさに加えて再発見の時間でもあったね。ここから田辺まではこういう気持ちで進むんだろうなあと思いつつ、今日は切目王子で終了。お疲れ様でした。
【熊野古道(紀伊路・中辺路)2週間280kmの歩き旅】
2023年12月4日から約2週間、熊野古道を280km歩いて旅をしました。ここではその旅のまとめ、僕自身の備忘録として、熊野古道巡礼(熊野詣)に関する事前知識や宿泊情報、費用、日々の記録などをまとめています。熊野古道のリアルな情報にご興味ありましたらぜひご覧ください。