熊野古道巡礼(紀伊路)9日目:切目中山王子(切目駅)から出立王子(紀伊田辺駅)
歩行距離:24km(和歌山県街道マップ参考)
本日の王子:切目中山王子、岩代王子、千里王子、三鍋王子、芳養王子、出立王子
紀伊路の終着地点「紀伊田辺」を目指す
昨日は体調と天候と相談して1日お休みした。ということで、気を取り直して本日のゴール中辺路の入り口である紀伊田辺駅を目指す。紀伊田辺に到着ということはつまり、今日で紀伊路は終わりを迎え、中辺路のスタートラインに立つということになる。海の道からまた山の道へ。
今日は紀伊田辺に住む友人と夜ご飯を一緒に食べる約束をしているので、夜もまた楽しみ。せっかく南の方まできているので、お酒にあわせた魚が食べたいし、田辺には紀南地域で最大の繁華街もあるということで、喉乾かすためにも張り切って進んでいきたい。夜ご飯のためにい紀伊田辺にむけて出発!(今日は完全に目的が不純ですな)
などと不純な動機で歩いていたからなのか、一発目の中山王子に野犬さんがいました。ぼく昔6歳とか7歳くらいのときに野犬に手首噛まれたことありまして、そこからあんまり野犬好きではありませんのに。まあ目がかわいい野犬で何にもしてこなかったので良かったですが、やはり怖いので早々に退散したい。しかし王子って安全祈願するところなのに、それどころではない。王子こそ危険って感じ。

本日1発めの王子。中山王子

めっちゃ怖いんですけども、野犬

こっっわ、こっち見てるし、王子で安全祈願どころではない。王子こそ危険。
さて、野犬王子を後にして、次なる王子を目指す。今日は天気も良いので、気分良く歩ける。山っぽいところもあるけども、今日の工程は基本的に海沿いの道なのでね、この辺りは景色が拓けていて気持ちいい。

ちょっと山っぽいところを歩いてみたり

また海沿いを歩く、天気が良くて気持ちいい。
海沿いの道だけあって、砂浜に王子があった、しかも2つも。シチュエーション的にはかなり完璧な王子。ただ重い荷物を背負って、浜を歩くと砂に足が取られまくってなかなかにしんどい。あと靴の中に砂が入ったりするのもやだし。見ている分にはいいのだけどもね、歩くのは正直少し勘弁してもらいたい。

サーファーさんへ

おお、なんかそれっぽいのではないか?

おお海沿いの岩代王子

ロケーションが良すぎる。台風の時とかやばそうだが

10数キロの重り背負ってるので、砂はやだ、しかし砂浜には不似合いな装備者。
砂浜に映った自分の影を撮ってみるけども、シルエットが完全に山を登るそれなので、砂浜との違和感がすごいのよ。
もう1つの海辺王子はウミガメの産卵で有名な千里が浜にある。(有名なのは地元だけかな?)ウミガメが有名ってことで子宝祈願的な寺もすぐ近くにある。幸いあまり観光客いなかったけども、こんな砂浜を山歩き装備のやつが歩いてたら完全に不審者感あるよな。
まあでも海沿いにある王子ってやっぱりなんかいいですね。中辺路は完全に山の中だけど、大辺路は海に面してるので海沿い王子はありそうだな。今度行く機会あれば・・・

こちらは途中から砂浜を歩いて王子を目指すので、しんどい

アカウミガメの観察にあたって。写真撮影はNGなんやね

こちらもロケーション優秀な千里王子、海はなんでも引き立ててくれる
その後は、紀州南高梅で有名な梅の里「南部町」を通過する。南部町に入ってからは、梅工場が多いせいか、ふわっと梅干しの匂いがする。むしろ梅の匂いしたから南部町に吐いたことに気づくみたいなところがあったりなかったり。
やっぱり和歌山県民は梅干しをよく食べるのでね。実家に帰った時もやっぱり毎食梅干しが出てきたし、自分も好きで、東京でも冷蔵庫に常備してる。疲れた時にはいいんですよね。むしろ今食べたいわ。

梅の木をよく見かける

三鍋王子。みなべの字が南部ではないのね
高専時代の友達の家の近所などを通って紀伊田辺を目指す。こちらもよく遊びにきていた地域だった。前を通ったことは1度や2度ではないのに、全く知らなかった。おっちゃんおばちゃんにもお世話になったのでね、元気かしら?さすがに20年越しに突撃したら引かれるかなと、思い止まった笑

芳養王子のある芳養大神社、鳥居が黄色でポップな雰囲気

芳養王子の説明
ポップな鳥居のある芳養王子を過ぎれば、もうすぐ紀伊田辺。特に王子はないのだけども、景色がきれいなのですこし回り道をして天神崎経由を歩いていく。天神崎は黒潮の暖流の影響を受けて動植物の宝庫といわれているらしい、ナショナルトラスト運動の先駆けとしても有名ってことで時間もあったし少し観光。しかし海のなかに立つ鳥居を見ると「ああ田辺やな」って感じがする。
そしてここはかの有名なウユニ塩湖の和歌山版があるのだとか。確かに海の反射具合見ると、きれいそうだなと思わせてくれる。検索してみるとそれらしい写真がたくさん出てくるので本当のようですわ。山歩き不審者には縁のない話だったけど。

紀伊田辺といえばな海中鳥居

天神崎。天神っていくつかあるけども、よく考えたらすごいありがたい名前やな。

釣りしている人も多いのです

このあたりがウユニポイントだろうか。
さすがに田辺に近づいてくると、熊野古道を歩いているのかという察しがあるのか、近所のおばちゃんに「ご苦労さん」と言われた。「ご苦労さん」という声がけを考えてみる。だいたい熊野古道に行く人は田辺がスタート地点になる。なので田辺の手前で見かけるということは、ここまで結構歩いてきた人的な推測があるのかしら?とか深読みしてみたが、そこまで考えてないか、はい深読み終わり。でもまあ、ほんとよくここまで歩いてきたよ、紀伊田辺の駅はもうすぐですわ。
今日最後の王子、つまり紀伊路最後の王子である出立王子。なんというか普通の王子でした。まあそれくらいがちょうど良いか。長かったよ紀伊路。怖かったよ紀伊路。お疲れ様でした僕。

わりと控えめだけど日当たりの良い出立王子。紀伊路最後の王子でもあるな
さて、出立王子から紀伊田辺駅はすぐ。まずはお宿に行く前に駅の隣にある観光協会で明日以降の地図をいただき、ついでに押印帳もゲット。押印帳は中辺路だけは100円かかるんですよね(紀伊路や大辺路は無料でもらえるのだが)。
ちなみに田辺は弁慶の生誕地の有力候補らしくて、駅前にでっかい弁慶像がある。ついでに世界遺産に追加登録された闘鶏神社もせっかくなので行ってみることにした。夜ご飯まではまだ時間ありますのでね。

堂々とした弁慶像。ちなみに待ち合わせ場所とかにはならないらしく誰もいない

中辺路の押印帳100円で購入。明日からこれをうめていく旅

世界遺産に追加認定された闘鶏神社。熊野信仰を紐解く重要な神社らしい
幸い闘鶏神社からお宿はわりと近くにあった、ありがてえ。お風呂入ったら、その後は田辺の飲み屋街でお魚三昧の予定。明日からはやっと本番の山歩き?となりますので海とはしばらくさようなら。もう頭の中は夜ご飯でいっぱい。英気を養うために、お魚食べてくるぞ!ひとまず本日もお疲れ様でした。
ちなみに1:田辺の情報はこちらのページ(私のたなべ)で結構まとめてくれてるので、ご興味あればぜひ。
ちなみに2:この日食べたものとかはこのページにまとめていますので紀伊田辺でご飯食べる時の参考に。近所の白浜の情報も入れてますよ。
【熊野古道(紀伊路・中辺路)2週間280kmの歩き旅】
2023年12月4日から約2週間、熊野古道を280km歩いて旅をしました。ここではその旅のまとめ、僕自身の備忘録として、熊野古道巡礼(熊野詣)に関する事前知識や宿泊情報、費用、日々の記録などをまとめています。熊野古道のリアルな情報にご興味ありましたらぜひご覧ください。
